高配当投資はありか、なしか。
日米株問わず、高配当投資は人気がありますね。
人気なのは投資信託などと違い、株数を減らさずに、永久機関のごとく配当をもらえるイメージがあるからでしょう。永遠に金の卵を産み続けるアセットというのは多くないのです。
そういう意味では、高配当ETFというのはリターンこそS&P500などに劣るものの、大きな魅力がありますね。配当金というのは、成熟した企業が安定した利益を株主に還元するために出すものです。
そのため、リターンは成長株に比べると劣ることが多く、安定した利益に陰りが見えれば減配となります。個別株による高配当投資が、実は中上級者向けなのはそういうことですね。
また、シクリカルな資源株である商社や銀行が、累進配当政策を採用するのは、これまたちょっとしたリスクがありますね。業績にばらつきが出るのが不思議ではない業態だからです。言い換えると、毎年の配当金成長を担保するのは難しいからです。
そのため、これらの高配当株を「累進配当制度を採用しているから」という理由のみでPFに加えることは、実はそれなりのリスクがあります。しかし、程よく分散の効いたETFならば、ある程度リスクも分散することができますね。
従前より、大した高配当ではないもののVYMが最もバランスが取れている、と私がしてきた理由はそのあたりにあります。高配当に振り切りすぎると、どうしてもバランスが悪くなるのです。オイル、タバコ、リートばかりに投資することになりますね。
さて、今回は「高配当投資はありか、なしか」という永遠のテーマでご質問を頂戴しています。2つまとめてご紹介しますね。
若いうちから高配当投資をしたいが、問題点はありますか。
たぱぞう様
はじめまして。いつも楽しくブログ読ませてもらっています。
現在、私は大学院2年で来年から働き始めます。来年からの収入の大半は米国株・ETFで運用しようと考えています。そこで質問が2つあります。
- 若いうちから配当目当てはありか、なしか?
資産運用をする目的として、配当収入を得たいという面が強いです。後々を考えると、資産を切り崩す利確より、配当収入の方が気持ちが楽な気がするからです。しかし、この先長いことを考えると、配当より成長率に重きをおいて戦略を立てるべきでしょうか?
- 【VYM】はポートフォリオの軸になるか?
いくら配当収入を得たいからといって、高配当銘柄に極振りするようなポートフォリオは健全ではないと思います。しかし、広く分散しバランスを取れるほどの資金はありません。そこで、高配当ETFという選択を第一歩としようと考えました。ズバリお聞きしたいです。【VYM】は軸になるでしょうか?足りない部分などあればご教示いただけたらと思います。
自信の無さから来るような質問だけだったと思いますが、お答えいただけるとこれからの投資を楽しめる気がしています。
よろしくお願いいたします。
高配当株投資とインデックス投資の違いを知りたい
いつも楽しみにブログを読ませていただいてます。
30代男、結婚をしており小学生の子供が二人おります。
昔から全世界株式の比率でインデックスファンドを積立してきましたが、たぱぞうさんのブログと出会ってからアメリカ株式の割合を増やしてきました。今積立しているのはemaxis slim オールカントリーと楽天VTIです。
金融資産は夫婦で3000万ほどです。インデックス投資として、楽天VTIやemaxis slim S&Pを勧めているのは分かるのですが、海外ETFのVYM などの高配当株式は経験もなく質問したく書き込みをしました。
将来仮に60代で1億の資産があった場合、インデックス投資と高配当VYMにどの程度の割合で投資をすべきなのでしょうか?そもそも高配当VYMなどは、大きな値崩れは心配ないのでしょうか?
注※値崩れの可能性はあります。それはコロナショックでもありましたね。
またインデックス投資に比べて分散効果が低い事も気にしています。近頃楽天VYMも出来ましたが、配当金を出すことがありません。これは本家VYMとは違うとの認識で宜しいのでしょうか?
注※投資信託である楽天VYMは分配金を出していませんね。構成銘柄は全く同じです。
インデックス投資と高配当の違いについて、教えてください。
注※ベンチマークにする指数が違いますね。
高配当株投資で押さえておきたいこと
VYMは高配当系ETFの中ではバランスが取れていて悪くないです。しかし、VTIやS&P500のほうがリターンに優れてきました。
VYMも悪くはないですが、やはり指数には劣るのですね。この傾向は今に始まったことではありません。理由は、冒頭申しあげたとおりですね。
そのため、若いうちは配当よりも、成長に目を向けた投資もしたほうが良いでしょうね。長期になるとさらにリターンが違うからです。要は、長期保有を前提とするならば、バランスが大事だということです。
もっとも、分配金利回りの低いVTIやVOOなども、ご自分が就職後も何十年と育てていくことで、分配金が増えていくことでしょう。資産価値全体が増大する方向に目を向けるのが吉ですね。
老後は、分配金を得つつ、取り崩して生活費に充てていくというイメージになります。最も、今すぐに分配金を得て、生活を豊かにしたい、あるいは可処分所得を増やしたいということであれば、高配当投資はニーズにかなった投資になります。
あり、なし、という話ならば「あり」です。分配金第一の投資というのもあります。また、経済の停滞期には高配当株が強くなることもありましたね。特徴を踏まえたうえで、それぞれの目的に応じた投資をしていけばよいですね。ご質問ありがとうございました。
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成長面に着目した投資がQQQやVGTといった投資になりますね。これはこれで、当然ながら値動きが大きく、ノーリスクというわけではありません。その最たる例は、ITバブルということになります。ただし、今は時代が違いますけどね。
期待膨らむ新制度についてです。
貸株の税制は注意が必要ですね。