農業機械業界と世界の農業を取り巻く環境
世界農業機械企業ランキングです。
2022年は過去に例をみないほど農業にフォーカスが当たる年になっています。
世界人口の増加による食糧問題は以前から懸念されていました。従前の課題に加えてロシアのウクライナ侵攻が新たなリスクとなっています。
例えば作物輸出だけではなく、肥料の原材料の多くをロシアに依存するリスクが顕在化しました。肥料価格の上昇が、これから先の農作物の生産量や価格に影響を与えると見込まれています。
この記事では、大規模農業に欠かせない農業機械企業の時価総額ランキングTop10をご紹介します。時価総額ランキングですので、どこかの証券取引所に上場している企業に限られます。
よって、非上場企業である「ヤンマー」などは、ランキングされていません。
農業機械企業、世界の時価総額ランキング
Company Name | 本社所在国 | 時価総額 (10億ドル) |
|
1 | CATERPILLAR | USA | 121.2 |
2 | DEERE & COMPANY | USA | 116.4 |
3 | KUBOTA | Japan | 27.1 |
4 | TRACTOR SUPPLY | USA | 25.9 |
5 | CNH INDUSTRIAL | UK | 21.9 |
6 | ZOOMLION | China | 9.6 |
7 | GEA GROUP | Germany | 9.5 |
8 | AGCO | USA | 9.1 |
9 | BUCHER INDUSTRIES | Switzerland | 5.1 |
10 | BEIQI FOTON MOTOR | China | 3.7 |
出典:Value.Today 2022/1/7現在
農業機械企業の時価総額上位10社について、ご紹介します。
1位:CATERPILLAR
建設機械、鉱山用機械メーカーとしても知られている米国企業です。
日本でもその製品をよく見かけます。日本ではおよそ10年前にディーラー網を整備、販売手法を変更しましたね。
NYSEに上場しています。ティッカー【CAT】。NYダウ、S&P500に採用されています。ブラジル、サンパウロ証券取引所にも上場しています。
2位:DEERE & COMPANY
1837年に創業された米国を代表する世界最大級の農機具メーカーです。グリーンのボディにイエローのホイールのトラクターとジョンディア (John Deere) の愛称で親しまれている老舗です。
NYSEに上場しています。ティッカー【DE】。S&P500採用企業です。フランクフルト証券取引所にも上場しています。
3位:KUBOTA CORPORATION
日本のクボタです。日本国内の農業機械トップメーカーです。東証に上場しており(6326)、日経平均株価採用銘柄です。
4位:TRACTOR SUPPLY COMPANY
農業、牧場用機器、機械の小売店を展開している米国企業です。Nasdaqに上場しています。ティッカー【TSCO】。S&P500採用企業です。
5位:CNH INDUSTRIAL
1842年に創業した、英国の持株会社です。英国企業ですが、NYSEに上場しています。ティッカーは【CNHI】です。
2013年のCNHグローバルとフィアット・インダストリアルとの経営統合の結果誕生しました。子会社を通じて、農業・建設機器、トラック、商用車、バス、特殊車両の設計、生産、マーケティング、販売、資金調達を行っています。
フィアット創業家であるアニェッリ家が大株主で、Borsa Italiana(イタリア証券取引所)にも上場しています。
6位:ZOOMLION HEAVY INDUSTRY SCIENCE AND TECHNOLOGY
中国No.1の農業機械、建設機械メーカーです。現在は子会社になっている会社が1956年に創業したのが端緒です。深セン証券取引所に上場しています。
7位:GEA GROUP
ドイツの食品加工機器メーカーです。本社はデュッセルドルフに存在します。フランクフルト証券取引所に上場しています。
8位:AGCO CORPORATION
米国ジョージア州に本社を置く、農業機器および関連部品の製造と販売を行うメーカーです。
トラクター、コンバイン、自走式噴霧器、干し草・飼料用具、耕作用具・穀物貯蔵庫などを取り扱っています。NYSEに上場しています。ティッカーは【AGCO】です。
9位:BUCHER INDUSTRIES AG
1807年に創業したスイスの機械メーカーです。スイス証券取引所に上場しています。
10位:BEIQI FOTON MOTOR
1996年に創業した中国の商用車メーカーで、事業の一つとして農業用機械も手掛けています。本社は北京に置かれています。上海証券取引所に上場しています。
農業機械企業、世界の時価総額ランキングのまとめ
3位以下は2位までの時価総額が大きく異なり、キャタピラーとディア―の強さが目立ちます。
農機は、地域ごとの特性にあった機種(日本だったら稲作、ヨーロッパだったら畑作)を開発する必要があり、またメンテナンス等への対応力が問われるビジネスモデルです。
規模拡大と顧客基盤獲得のためのM&Aが比較的積極的な業界です。ディアーは2021年にBear Flag Roboticsを買収しています。Flag Roboticsは農場用の完全自律型トラクターを開発するシリコンヴァレーのスタートアップです。
クボタは2021年にインドの農機大手エスコーツを買収しています。
世界の人口増加の食を支えるインフラ産業として、今後は徐々に注目が集まる業界かもしれませんね。
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