米国株IPO銘柄の明暗がはっきりしている
米国株IPOは、当たると非常に大きいです。近年の成功例で言えば、Facebookなどはその最たるものでしょう。特にインターネット関連でプラットフォーム化するようなことがあれば、大化けの可能性を秘めています。
もっとも、新しいプラットフォームが出てきても、GAFAなどを始めとする先行者がM&Aをかけて、内製化してしまうという流れもありますね。例えば有名どころでも、YoutubeはGoogleですし、インスタはFacebookなのです。
2019年の主な米国株IPO銘柄と公募価格との比較
強弱クッキリのIPO銘柄を見てみましょう。
- BeyondMeat 【BYND】+485%
- Zoom 【ZM】 +112%
- Crowdstrike 【CRWD】 +72%
- Tradeweb 【TW】 +41%
- Pinterest 【PINS】+40%
- DataDog 【DDOG】 +19%
- Cloudflare 【NET】 +13%
- LuckinCoffee 【LK】 +11%
- Chewy 【CHWY】+5%
- Slack 【WORK】-12%
- Peloton 【PTON】 -20%
- UBER -35%
- LYFT -45%
話題のライドシェアは見事にマイナス圏に下がっています。このライドシェアというのは、なかなか法規制も厳しく、配車アプリなどとも争っていますね。配車アプリは東南アジアならばGrab、中国なら滴滴出行(ディディチューシン)、インド由来のPassappなども含まれるでしょう。
いずれにしても、従来のタクシー業界も巻き込んで変動のさなかにあります。1つ言えることは、これらの企業、アプリというのは極めて参入障壁が低いということです。
ビヨンドミート【BYND】は、時流にうまく乗ったところがあります。しかし、ここもまた大手食肉産業からの参入が見込まれますから、簡単ではありません。
ZOOM【ZM】は黒字でIPOした数少ない企業のうちの1つで、やはり正当に評価されているように見えます。今後、どのようにプラットフォーム化していくのかというところですが、すでに幅広いユーザーを獲得していますね。
赤字企業のIPOがITバブル以来の多さ
赤字企業によるIPOが、ITバブル以来の多さだったことは知っておいて良いでしょう。
見て分かるように、2019年は黒字企業を大きく上回る赤字企業がIPOされています。もちろん、成長企業というのは利益よりも売り上げ成長率のほうが大切ですから、一概にこれだけで評価できるものではありません。
しかし、世界同時金融緩和の徒花となる、ポンコツ企業が多く含まれる可能性も踏まえておきたいところです。こうしたことを踏まえて、ご質問をご紹介します。
米国株IPO銘柄で大きなマイナスが生じています。
たぱぞう様、こんにちは。
毎日楽しみにブログを読ませて頂いております。以前いちど質問にお答えいただきました小塙と申します。
別件で質問させていただきたく、もしアドバイスいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
主婦ですが、50歳を迎え、なかなか職が見つからなかったこともあり、少しでも収入になればと、昨年10月から株を始めるようになりました。
来年まではリセッションは来ないとのネット情報を信じて、資金は独身時代の貯金をほぼ全て注ぎ込んでいます。SBI証券やマネックスなどで米国株についてレポートを書かれている方のTwitterを春先から見るようになり、つい昨年や今年にIPOしたばかりの株を沢山買ってしまいました。
それもほとんどピークの値段で買ってしまい、ここ1ヵ月間位株価がどんどん下がっているため、このまま塩漬けにしておくべきか悩んでおります。
購入した銘柄は、lyft、jmia、mdb、twlo、zs、zm、slack、crwdなどです。とくに始めの3銘柄は私にとっては大きな金額で、lyftについては半値以下、jmiaはすでに4分の1以下になってしまっています。
あまりにも情け無い限りの状況でお恥ずかしいですが、どうかお知恵をお借りできれば有り難いです。どうぞ宜しくお願いいいたします。
( 幸い本日パートの仕事が見つかり、明後日から働きにいくことになりました^ - ^)
IPO株投資というのは、ある意味ではこういうもの
新しくお仕事が見つかったということで何よりです。独身時代のお金ということは、投資額も知れている、と思います。でも、目先の損失は嫌なものですね。
今年は、見ての通り、多くのポンコツ企業も上場しやすい相場でした。ある意味ではその大親分がWeworkだったのかもしれませんが、市場の評価が下される前に上場取りやめになりましたね。しかし、すでに社債は暴落しています。
成長株投資とはこういうものです。将来の利益を見越して買うわけですから、外れもあるということです。そういう意味では、アグレッシブにリスクを取りに行くのか、それとも守りの投資をするのか、投資家一人ひとりのスタンスが試されるということです。
今年のIPOで言えば、黒字のZMと業態のCRWD、TWが気になりましたが、他は危なすぎて手を出しにくかったですね。
今は、公益セクターが最も優れたリターンを示すセクターの1つになっています。珍しいことです。債券や公益株といったディフェンシブなアセットが強い相場です。そのため、成長株へ流れ込んでいた緩和資金が引き上げられています。
この場で売るのは厳しいですが、経済指標も弱いので、ボラタイルな成長株をホールドするのも悩ましいところです。が、私ならば最初のストーリーが大崩れしている時点で売っていますね。IPO株が公募割れしたら、その時点で切ります。
また、小型成長株は決算分析が必須です。決算で2期こけたら、黄色信号。3期こけたら逃げる。これが基本ですね。いろいろ理由をつけてしがみつくと、負け癖がつきます。
決算分析をされないならば、やはり株式指数を積み上げていく投資が良いと思いますよ。まだまだ相場は続きますから、気持ちを切り替えて、ともにがんばりましょうね。
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指数売買のCFDのほうがまだ読みやすいかもしれません。それぐらい上場したての株は評価が定まらず、難しいですね。
古いオールドエコノミー株か、ニューエコノミーかということですね。
グロースのETFから入るというのも手でしょうね。ETFはやはり簡単です。