たぱぞうの米国株投資

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リーマンショックの再来は、ありえない!?

リーマンショックの再来は、ありえない

 リーマンショックは再来はもうない、かもしれません(笑)

 

 2000年代の相場環境は今から想像もできないぐらいにひどいものでした。米国にしても、日本にしても、政治や行政が株式市場の動向に嚆矢を挟むことは少なく、時には株式市場に無関心に見えたものでした。

 

 ある意味では市場に自律性が求められていたとも言えます。しかし、このスタンスががらりと変わる出来事がありました。それがリーマンショックです。

 

 リーマンショックは皆さんご存知の通り劇的でした。それ以後、「経済政策無くして政治無し」このことが意識される契機になったように思います。

 

 日本においても、いささか露骨な中央銀行のETF買い入れ、国債買い入れが行われていますが、やはりリーマンショックとの関連性は無視できません。第一次安倍政権は「教育再生」を政治的スローガンとして、見事に失敗しました。

 

 第二次安倍政権がこれだけ長く続いているのは、政策が経済第一であり、経済状況が2000年代のそれとは雲泥だからというのも理由の1つです。

 

 よく、「日銀はあれだけのETFを買って出口はどうするのか」という話になります。しかし、出口などは無いのです。むしろ、同じように低成長にあえぐ、各国中央銀行政策にとって、1つの不況への橋頭堡となった可能性さえあります。

再び資産買い入れを始めた各国中央銀行

 先進国の中で最も経済政策に余裕があったFRBですが、2019年年央より再び利下げに転じています。同時に、一時期圧縮傾向にあった、資産の買い入れも再開されているところです。

 

 これは、アメリカでさえもかつてのような水準で引き締めができなくなったことを意味します。

中央銀行が支える世界の株式相場

中央銀行が支える世界の株式相場

  見ての通り、中央銀行の保有資産はリーマンショックを契機として跳ね上がっています。この10年でさらに増え、リーマン以前よりたった10年で3倍以上になっています。こちらもまた、出口はないのです。

株高、債券高、ゴールド高の全面高の市況をどう見るか

 今は、株高、債券高、ゴールド高になっています。株価は一部の開発途上国を除いておおむね堅調、世界の時価総額の半分以上を占める米国株も最高値近辺にあります。

 

 債券高も続いており、欧州諸国においてはほとんどの国においてマイナス金利という事態になっています。もちろん、日本も長らくそうです。先進諸国においては、北米、つまり米国とカナダのみがある程度の金利を付けられるにとどまっています。

 

 この債券高の傾向は、面白い現象を引き起こしています。

2018年以後のセクター別ETFのリターン

2018年以後のセクター別ETFのリターン

 2018年以後のセクター別のETFのリターンですが、ユーティリティセクター、つまり公益株セクターが最も高いリターンを示しているのです。これは近年には無かったことで、投資先が質への逃避をしていることを示唆しています。

 

 シェールオイル革命以後、需給が完全に崩れた原油関連のエネルギーセクターなどを除いて、ほとんどのセクターにおいてもプラス圏で推移しているのも注目されてよいでしょう。

金融緩和を前提とした資産運用をしていく必要がある

 リーマンショックはいわば銀行や証券会社などを主体とした民間による信用創造でした。今は、実体経済に陰りは見えるものの、企業決算はまだ踏ん張っています。そうした中での中央銀行や官による信用創造と言えそうです。

 

 こうした中で、ほとんど唯一弱いアセットとなるのが現金です。

1900年の1000ドルがどれだけ減価したか

1900年の1000ドルがどれだけ減価したか

 インフレーションカリキュレーターというサイトでの計算結果です。1900年に1000ドルを持っていれば、現在価値でどうなったかということです。結果はたったの33ドルです。世界の基軸通貨として抜群の信頼を誇るドルでさえ、およそ97%減価しているというのは知っておいて良いでしょう。

 

 この傾向は今後より鮮明に続くと思われ、いわば通貨の一人負け状態になるということです。金融緩和とはこういうことなのです。

 

 今は世界の中央銀行が主導して積極的に金融緩和をしています。全面高で買いにくいのは事実ですが、やはり何らかの形で、株、債券、商品、不動産といったアセットにポジションを取らざるを得ず、非常に難しい相場になっています。

 

 株式のボラタイルさを債券で薄めるのか、それとも債券を厚めに持ちリセッションに備えるのか。あるいはタイトな融資状況からやや落ち着きを示してきた、不動産や太陽光といったアセットでレバレッジをかけに行くのか。

 

 個人的には、このような状況ではリセッションは起こりにくく、もう一段の実体経済から乖離したバブルが無い限りは、何らかのアセットに投資するのがベストな状態が続くと見ています。冒頭でリーマンショックはもう起きない、ありえないとした理由です。

 

 ただし、それがあと年内なのか、いや半年なのか、それとも1年なのか。それは経済指標や決算との対話になるでしょう。難しい相場ですが金融緩和の恩恵に浴しつつ、資産の最大化を図る相場が続きます。

 

関連記事です。

 2018年1月の高値圏からほとんどボックスで推移しているS&P500ですが、このころとは事情がかなり変わっています。そのため、あまりこういった悲観的な記事を最近では書いていません。

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  ほとんどの人が、何らかの形で利益が出ているでしょうから、負けている銘柄を当てて、損だしをしておくのは理にかなった行動です。

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  うねり取りが得意な人は、CFDを活用してうねりを取りにいくのも1つの手でしょう。売りでも買いでも入れる強みは確かにあります。こういうボックス相場では一定の強みがありますね。

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