たぱぞうの米国株投資

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【VOOG】【VUG】【VBK】を使ったグロースETF投資

【VOOG】はS&P500の大型成長株ETF

 バンガード・S&P500グロースETF【VOOG】はS&P500グロース指数のパフォーマンスへの連動を目指したETFです。大型成長株への投資と言えば分かりやすいでしょうか。ティッカーシンボルからも分かるようにバンガードS&P500ETFであるVOOとグロースを足したものです。

銘柄
Microsoft 7.1
Alphabet 5.7
Amazon 5.6
Facebook 2.8
Pfizer 2.3
Verizon 2.1
Visa 2.1
Johnson & Johnson 1.8
Merck 1.8
Cisco Systems 1.8

 構成銘柄は情報技術関連が多くなっています。ただ、それに限らずファイザー【PFE】・ベライゾン【VZ】・ジョンソンエンドジョンソン【JNJ】・メルク【MRK】なども含んでいます。

 

 逆に言うと、後述するQQQにパフォーマンスでこの10年劣るのも成熟株を含むから、ということになります。

【VUG】バンガード・米国グロースETF

 【VUG】バンガード・米国グロースETFは、CRSP USラージキャップ・グロース・インデックスへの連動を目指しています。先のVOOGとの違いはS&P500という縛りが無いことです。基本的にはこれも大型グロース株ということで、構成銘柄は非常に似ています。

銘柄
Apple 6.4
Amazon 5.9
Alphabet 5.9
Microsoft  3.7
Facebook 3
Visa 2.2
Home Depot 1.8
Boeing 1.7
Mastercard  1.6
Walt Disney  1.5

 

 基本はハイテクで、セクターとしては3割がITです。以前はコカ・コーラ【KO】、フィリップモリス【PM】なども上位にありました。4年前ぐらいまで大型成長株の旗手的存在だったディズニー【DIS】も含まれています。

 

 今のところの銘柄としては、こちらのほうが成長性を感じる銘柄が多いですね。

【VBK】は小型グロース株ETF

 バンガード・米国スモールキャップ・グロースETFです。【VOOG】【VUG】【VBK】の中でも最も特徴的なのがVBKでしょう。VBKは小型グロース株への投資を主眼にしたETFです。米国株にある程度精通していないと知らないような銘柄が上位にランクインしています。

 

 1,2年で構成銘柄が様変わりしますので、見比べてみましょう

2017年の【VBK】

2017年の【VBK】

 組み込み1位のtake-twoはかの有名なゲーム、「グランド・セフト・オートシリーズ」などの開発に関わっています。Alnylamはバイオ医薬で、遺伝子検査などにも強みを持ちます。

2019年の【VBK】

2019年の【VBK】

 ガラリと様変わりですね。1位のバーリントンストアーズ【BURL】は全米3位の安売り店です。増収増益が続いており、ランク1位に入りました。小売りがトップというのは近年では珍しいです。

 2位 PTCはPLMなどに強みをもつIT企業ですね。効率的な生産管理をするためのソリューションの開発、提案をしています。ただ、近年の業績は成長というよりも安定的です。

 

 さて、このように各ETF、それぞれ特色があります。今回はこの【VOOG】【VUG】【VBK】などの米国株グロースETFに関してご質問を頂いています。

【VOOG】【VUG】【VBK】などの米国株グロースETFのリターンが高い

はじめまして。いつもブログを読み、勉強させていただいています。
長文失礼します。

質問があります。

多くのブログで推奨されている米国ETFの雄であるVTIですが
近年の米国を引っ張っているのはグロース株であり、同じバンガードETFのVOOGやVUG、VBKに投資するほうが効率がいいのではと思い始めました。

実際調べたところ

  • リーマンショックの時はVTIと同程度の落ち込み
  • リーマン・ショック後からの回復はVTIよりも早く現状その差は開くばかり

 であり、今後訪れるであろう不景気を経験しても長期投資においてもグロース株のETFに比べてVTIのメリットが少ないように思います。

 

 グロースETFは文字通り成長中の企業を集めたETFであり成長が止まった企業や倒産した企業は自動的にETFから外されるはずです。このETFに集まっている企業は成長が期待できる株ばかり集まっているわけで当然それが株価に素直に反映されるのではと思います。

 

よろしければたぱぞうさんのお考えをご教授いただきたく。よろしくお願いします。

成長性を取るという意味において優れているQQQ

 素敵なご質問ありがとうございます。仰る通り、これらのグロースETFは非常に優れたパフォーマンスを示しています。VOOGは設定日が新しく、長期の比較ができませんのでVUG・VBK・QQQ・VTI・SPYの5つで比較してみましょう。

 

 QQQはNasdaq100に連動する、Nasdaqの大型株ETFです。

 VTIは米国市場ほとんど全体に連動する総合的なETFです。

 SPYはS&P500に連動する最も古いETFのうちの1つで、世界最大の規模です。

SPY・VTI・QQQ・VUG・VBKの比較チャート

SPY・VTI・QQQ・VUG・VBKの比較チャート

※Googlefinanceから

 VUG・VBKの2004年設定来の比較で見てみると、圧倒的に強く300%を超えるパフォーマンスを示しているのがQQQということになります。最も低いのがSPY、次にVTIです。ここで見ると、成長性を取り込んでいるETF、特にNasdaq上場に絞ったQQQというのが出色であることが分かります。

 

 VBKとVUGはその中間に位置します。

 

 ただ、VTIとSPYは分配金が高めですので、実質リターンはもう少し大きいでしょう。では、Nasdaq100のQQQのもっと長期のパフォーマンスを見てみましょう。

VOOGとVUGとVBK

 実は2000年の高値を超えるのに15年の歳月を要しています。これは、QQQがITバブルの直撃を受けたからです。いわば、成長性を見通した利益の先食いをしてしまったわけで、そのためバブルがはじけ、回復するのに時間がかかったというわけです。

 

 同じように成長性に着目するETFである【VOOG】【VUG】【VBK】も似たようなバブルを経験したであろうことは想像に難くありません。成長性ある株というのはこのように「たまに先食いしすぎる」「バブル化する」という特徴があります。信用収縮が起きると途端に資金が逃げるからです。

 

 特に小型個別株において信用収縮は見られるというのは念頭に置いておきたいと思います。

 

 VTIの場合は、成長株の魅力も取り込みつつ、大型株の安定性も加味しています。総和として米国の成長が比較的反映されやすいETFということになっています。簡単に言うと、誰でも取り組みやすいということです。ですので、弊ブログではおススメとしています。

 

 2000年のITバブルを「もう終わったことで、今後また起きる可能性は薄い」ということならば成長株に全振りというのは1つの作戦でしょう。また、こうした特徴を押さえつつ、サテライト的に買い付けていくのもありでしょう。

 

 米国の成長を支えるセクターは、ITがそのコアにあることは間違いありません。そういう意味ではこのジャンルを組み込んだポートフォリオというのは必然になります。

 

 【QQQ】を始めとする【VOOG】【VUG】【VBK】を使ったグロース株ETF投資、それは投資の幅を広げますね。ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  Nasdaq指数のパフォーマンスの良さは出色です。特に2010年代の好調さが目につきます。

www.americakabu.com

  成長性と言えばこのQQQは非常に優れています。大型株を含みつつも、その大型株がAmazonなどに見るように大きな力を持っています。

www.americakabu.com

  ダウとS&P500ならば、S&P500のほうがリターンが良いというのは今回の記事にも通じる話だと言えるでしょう。

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