米国つみたて投資【毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる】
かんき出版さんから太田創氏による米国投資の初心者向け書籍が出ました。前提は、毎月3万円のつみたてを30年間年利6%で回すと3000万円になるということですね。
さらに、老後必要とされる資金から平均年金総額を引くと、3900万円の不足ということが分かる、つまり老後に必要な資金は3900万円である、というわかりやすい主張をされています。
著者は三菱銀行、UBS、シティバンク、フィデリティなどを経てCGIアセットマネジメント社でマネージャーを務めていられる太田創氏です。
著者は「ETF投資入門」から、「筋肉バンカーシリーズ」というちょっと面白い本を挟んで、本書の上梓ということですね。
基本はつみたて投資を主張されている本ですが、「米国株の投資信託」に絞っている点が比較的珍しい主張と言えます。対象を初心者に絞るとこうなるということですね。
国際分散投資は各国インデックス投資が基本となるため、米国株の投資信託やETFに絞った投資を説く書籍というのは珍しいのですよね。そういう意味では弊ブログと同じスタンスです。
非常に時代の移ろいを感じました。10年後、20年後はどうなっているのでしょうね。インデックス投資は続いているでしょうが、国際分散か、米国かという議論は尽きないように思います。
初心者向けの米国投資の良書です。
投資信託に絞ってお話をされているので、非常に分かりやすいですね。特に絞っている指数は以下の2つになります。
- S&P500
- ダウ30種
この指数に連動した投資信託4本をおススメとしています。VTIもちょこっと出てきますが、指数が初心者にはマイナーということで、触れる程度にとどまっています。
- 日本は低金利なために預貯金に利息が付かず、資産が増えない
- 新興国投資は独特のリスクがある。
- 先進諸国は低成長の社会構造になっている。
- iDeCoとつみたてNISAを始めよう
このような主張が柱になっています。
やはりつみたてNISAでガラリと市場は変わった。
今回取り上げられている投資信託のうち、2本がS&P500連動の商品です。この2本はいずれもつみたてNISA後にできた商品です。日本においてニーズがあるとは思われていなかった商品ということです。
しかし、現実には日経平均にしてもTOPIXにしても、日本の株式指数は積み立てるには非常に難しい商品ばかりです。しかし、この難しさというのは日本に限ったことではなく、ヨーロッパもそうです。先進国は押しなべて低成長の罠にはまり込んでおり、社会保障負担の増大、若年層の可処分所得の少なさが大きな課題です。
実際、国民健康保険も3万円ほど上限が上昇しますね。消費税率も上昇するということですから、こうやって税と社会保険料がジワジワ上昇していくわけです。そうしないと回らないのが人工オーナス国の財政なのです。
人口が増え続ける、若い国に投資するのが前提であり、株式指数が伸びるための法整備がされていることも同時に大事です。その国は米国をおいて他に無いということですね。
投資に親しみのない人にも大変分かりやすく書かれていますから、お勧めの入門書と言えます。
毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資
- 作者: 太田創
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2019/03/20
- メディア: 単行本
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実は私も今、書籍を執筆中です。氏と主張はかなり近いです。同じ考えの人がいられるというのは、うれしいことですね。
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さらに絞って3選です。この3選は不動かもしれませんね。バンガード創始者、ボーグル氏の本を入れるかどうかというところです。ボーグル氏も米国株式指数と債券指数のみで運用しているということでしたね。
つみたて投資を続けるとどうなるのかという、捕らぬ狸の皮算用です(笑) しかし、現実として投資をして、自分もその恩恵に浴しています。給与と貯金だけでは大台に乗ることはなかったでしょう。