たぱぞうの米国株投資

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早期退職、その後の資産運用生活をどのように考えるか

早期退職のその後の資産運用生活

 定年まで勤める方もいられれば、早期に退職される方もいられますね。40代、50代の退職は少なくありません。20代、30代のころは体力で仕事のきつさを乗り切ってきた人も、徐々に疲れを感じたり、やりがいを感じられなくなってきたり。

 

 続けるモチベーションを保つのは簡単ではありません。職場では気づかないかもしれませんが、やはり多かれ少なかれ、誰もがちょっと無理を重ねているのです。働くというのはそういうことです。

 

 しかし、長く勤めれば勤めるほど、退職の選択肢は取りやすくなりますね。年金支給年齢までの期間が短くなるからです。50代で早期退職制度を利用して定年を自主的に前倒す、そのような例は少なくありませんね。

 

 さて、今回は定年前にお仕事をお辞めになった方からご質問を頂戴しています。

早期退職を選択したが、その後の資産運用生活が気になる

 たぱぞう様、いつもブログとYouTubeで勉強させていただいています。これまでいくつも参考になる事柄を学び実践してきました。毎日文化センターのセミナーでもお話を聞かせていただいたことがあります。ありがとうございます。

 

 運用経歴は、10年程前からNISAに加え、セゾン投信、ひふみ、日本株、米国株、ETF、ウェルスナビといろいろと試してきましたが、VTI、S&P500をコアに整理するまでそう時間は経っていません。


 学ぶ意欲は強いのですが、どうも物分かりが悪く、感覚的に運用には向いていないように思います。


 ですので経済ニュースに過敏に反応したり、分かった気になり冒険することなく、無理なくコツコツと積立投資で行きたいと改めて考えているところです。

 

 現況を下記に書きましたが、急な早期退職と体調を崩したことで今後の生活設計を大きく変えざるを得ない状況となりました。節制を心がけながら、今ある資産を何とか有効に活用して、今後の生活を少しでも豊かに出来るように悩みながら更新しているところです。

 

 しかしながら、57才と言う年齢と収入がない中で、今ある現金の扱いと今後の運用、取り崩しについて1年ほどあれこれと考えて来ましたが、なかなか自分で考えがまとまらなくなり、思い切ってご相談のメールを差し上げた次第です。


 もし、たぱぞう様が私の立場ならどう判断されるのか、参考にしたく是非ともご教示をお願いいたします。

 

<現況>

  • 57才独身、東京都内賃貸住まい
  • 早期退職。

 パワハラなどの理由から31年務めた会社を不本意ながら予期せぬタイミングで退職。長年の無理な働き方で心臓疾患など身体に不調があり、体調回復を優先し再就職はせず、小遣い程度のアルバイト以外は今のところ厳しい感じです。

(もうしばらく働くのがベストなのですが、、、)


 学びやボランティア等の機会を通じて多様な方々との社会的接点を持っていきたいと考えています。母親(83才)が介護付き老人ホームで健在です。

<資産状況>

現金)=4,900万
内訳 =①3,400万→(現在〜64才までの生活費などに当てるため、
               今後7年ほどでゼロに)
    ②1,500万→(この内220万円を23年度の積立投資へ充当)

 ETF=1,345万(SBI)→追加投資予定なし
   ①VTI=930万(損益+90万)
   ②IVV=150万(損益+65万)
   ③ICE=140万(損益+10万)
   ④VYM=90万(損益+26万)
   ⑤FM=35万(損益-1万)


 投資信託=360万
   ①SBI V 全米=35万(SBI)(損益+1万)
   ②SBI V S&P500=35万(SBI)(損益+1万)
    →現在、積立NISA設定中(40万/年)、
                    23年度の一通常の積立(120万/年)
   ③楽天 VTI=160万(SBI)+25万(楽天)(損益+60万)
    →SBI分が積立NISA
   ④eMAXISS Slim S&P500=105万(楽天)(損益+7万)
    →23年度の積立(60万/年)

 

 iDECO=400万(在職中のものを移管し継続中)
   ◯eMAXISS Slim S&P500=400万(SBI)(損益+10万)
    →退職金控除19年ルールを使用するため74才まで運用。
     64才まで国民年金保険料を納付、年6万の投資。

 

<今後の生活設計>

  • 64才まで現金①を元手に生活。
  • 65才から年金受給(厚生年金、企業年金)
  • 年金と生活費の差額不足分を貯蓄分(現金②+運用)より取り崩す(150万程度/年)
  • 急な手術、入院への対応を想定
  • 終の住処への対応を想定(転居費用、施設入居一時金など)

<ご教示をお願いしたい内容>

  1. 現金①は運用するには期間が短いため、銀行定期でこのままと考えていますが妥当でしょうか?もし運用の可能性があるとすればどのような方法があるのでしょうか?
  2. 現金②は65才から取り崩す元資となりますが、まだ後7年あるので1,500万全額、もしくは 500万位を残して投資信託S&P500(積立NISA、通常積立)での運用を考えたいですが妥当でしょうか?
  3. S&P500の他に運用先を加えるとすると、eMAXIS Slim先進国債券当たりかと思いますが、それなら現金で保持する方が良いのかなと考えています。年齢から見ると現金:運用=40:60位が常識と思いますが、手元に現金を残すべきでしょうか?ある程度値上がりした時点で、この1,500万から急な対応を見込む分を一括現金化すれば良いのでしょうか?現行の積立NIAS以外の投資信託は解約して、24年開始の新制度NISAで運用すべきでしょうか?
  4. 投資信託はSBIと楽天にVTI、SP500と複数ある状態ですが、後々まとめるべきでしょうか?
  5. 取り崩す際、どの商品から手を付けるか悩むと思います。鉄則、常識があればご教示お願いします。
  6. 資産運用等含めて、今後の私の学びにつながる参考事項(サイト、書籍等)がもしございましたらお聞かせいただけると幸いです。

 たくさんの方からのお問合せがある中、長々と多くの質問、細々とした内容で大変申し訳ありません。急いではいません。お時間が許す時に可能な範囲で構いません。どうぞよろしくお願いいたします。これからもたぱぞう様のメディアを参考に頑張って行きたいと考えています。ありがとうございます。

大きなリスクに資産を晒さない、守りの運用が心の安定につながります。

 体調を崩されたとのこと、退職の判断も含めて、大きな動きのある年を過ごされましたね。無理をしない、運用上は大きなリスクに資産を晒さないということがこれからの大きなテーマとなります。

早期退職、その後の資産運用生活

早期退職、その後の資産運用生活

 順番にお答えします。まず1ですが、おっしゃる通り現預金でよいでしょう。年金までのつなぎと考えれば妥当です。2ですが投資先は良いですね。しかし、一気に投入せずに、ひとまず5年で分割、投資をしていくぐらいの余裕を持たせたいですね。一括はお勧めしていません。

 

 3,4は関連しますが、新しいNISAに乗り換えてよいでしょう。金額もまだ大きくないため、非課税枠を取りに行くということです。5の取り崩しは、全て似た商品なので、大きな優先というのはありません。

 

 外国籍のものは今後を考えると徐々に円建てにしていけばよいですね。独身で、年金支給までの年数も長くはありませんから、無理をしなければ十分年金支給まで生活を維持できます。

 

 心と体の体力を回復し、そこから軽いお仕事などを検討されてもいいでしょう。焦らず、今はとにかくゆっくり急な慣れないことをしないことですよ。それは、投資も生活もそうです。休むことがお仕事ですね。

 

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