投資と時間軸の関係を意識する
投資と時間軸の関係は切っても切れません。世の中には様々な投資方法があります。一般的には、短期の時間軸のほうが難しく、長期の時間軸のほうが容易いということになります。
ただし、この時間軸ですが、どの程度を短期とするのか、あるいは中期、長期とするのかが人によって違います。そのため、思いもかけない行き違いや、共有できない価値観というのが生まれるように感じます。
デイトレードとつみたて投資は全く違います。これはだれにでもわかることだと思います。では、同じつみたて投資でも国際分散投資と米国集中投資ではどうでしょうか。非常に似ているように感じますが、実はこれも時間軸が大きく関与しているのです。
短期投資の時間軸はどのようなロジックなのか
それでは、短期投資の時間軸はどのようなロジックで動いているのでしょうか。ずばり、短期投資に関しては以下の要素が最重要になります。
- 需給バランス
短期投資に関しては、需給バランスが重要です。そのため、信用売り・買いの残数であったり、浮動株のバランスであったり、そういった要素が大きく影響します。この短期投資の場合は、定性的あるいは定量的なファンダメンタルズなどは殆ど意識されることはありません。
業績を追って、決算での動きに合わせてポジションを取るというのも無くは無いです。しかし、もっとシンプルに板情報などで動くケースが多いですね。
その最たる例は、デイトレードであり、FXということになります。限られた一部の世界の人たちが生き延びることのできる世界です。この世界で生き抜くことができる人は、他のゲーム、例えばポーカーやバカラ、ブラックジャック、パチスロなどでも才覚を発揮することがありますね。つまり、ゲーミングに近いということです。
この世界は、ゲーミングの才能があるように見えて、実態は情報商材屋さんというケースが多いですね。しかし、「本物」は常人からは考えられない資産額を築き上げています。
中期投資の時間軸はあいまいで、変化しつつある
中期投資は、数か月以上の投資を指します。ただし、概念が非常にあいまいです。最近では長期投資が20年、30年と言われていますから、そのスパンも長くなっているように感じます。
つみたてNISAが登場するまでは「一般NISA」の5年でも長期と意識されていたのです。今はどうでしょうか。5年だと相場環境によっては米国株インデックスでもマイナスになりかねません。そのため新しいNISAは恒久化となりましたね。
中期投資は個別株投資で意識されてよいスパンですね。個別株はどうしても業績によって左右されます。また、業界地図が塗り替わるようなケースもあります。そうした時には、適宜ポジションを変えなくてはいけないわけです。
永続的な企業が果たして存在するかどうかということですね。逆に、長期投資の目線で持てるような企業があるとするならば、それは非常に大きなリターンをもたらしてくれる可能性があります。何らかの「強み」を有しているケースがほとんどだからです。
長期投資は単純に数十年以上という時間軸で語られるものではない
最後に、長期投資です。長期投資は、よく言われるように20年が意識されます。これは、20年良質のインデックスファンドを持てば、マイナスリターンを示すことはなかったという各種資料に大きな影響を受けています。
従って、今後の経済事情によってはもっと長期を意識したものになるかもしれませんね。経済は上下動のうねりがつきものですが、成長が崩れない限りにおいては確かに利益は得られるのです。
国際分散投資の時間軸と米国集中投資の時間軸
最後に、よく「神学論争」に例えられる国際分散投資と米国集中投資の時間軸について触れてみましょう。
まず、国際分散投資は全世界に投資をしていくというスタンスです。全世界が経済成長する限りにおいて、その投資は成功するでしょう。しかし、同時に低成長で非効率な国々も包含するという事実もあります。
米国集中投資の代表格はS&P500への投資でしょう。米国経済が成長する限りにおいて、その投資は成功するでしょう。しかし、同時に米国のカントリーリスクに直接向き合うことを意味します。
そう考えると、国際分散投資は過去から現在まで、そして世界人口が増え続ける限りにおいては手堅い投資方法と言えそうです。
これに対して、米国集中投資は少なくとも過去30年、そして少なくともこれからの数十年先まではより効率的な投資方法と言えそうです。
たぱぞうの投資生活は今まで20年、これからせいぜい30年というところです。こういった時間軸で考えています。
つまり、見ている時間軸の長さが同じ長期投資でも違うのです。
セクターごとのリターンをみても、米国株の幅広さ、強さが伝わります。しかし、増大する時価総額は過去の目線からすると、実は常にオーバーバリュー気味です。そして、そこに怖さも介在するのも事実です。
自らの投資の時間軸をどこにおくか。そこで投資の前提となるストーリーが決まりますね。
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