仕組債投資とはどのような仕組みでできているのか
仕組債投資というものがありますね。
「仕組債」とは一般的な債券とは異なり、付加価値的な仕組みをつくり、債券化したものです。
例えば、特定の株価や、指数、金利、為替などに連動する仕組債があります。投資家のリターンとしては、満期やクーポン(利子)、償還金などを得る、ということになります。
投資家や発行者のニーズに合わせて金融機関が組成しますが、その種類は多岐にわたります。一般的な債券に比較して利率を高く設定できるという特徴があります。しかし、参照先のアセットの変動により損失が発生する可能性があることは言うまでもありません。
シンプルな債券、株は付加価値を載せにくい、つまり手数料が取りにくい時代です。そのため、仕組債のような高付加価値商品を組成し、販売するということが1つの収益となっています。
基本的に魔法のような投資案件というものはなく、利回りに対するリスクというのは平等なものです。リスクリターンとは実にうまくできているわけですね。さて、こうしたことを踏まえて、今日は仕組債に関することでご質問をご紹介します。
仕組債投資で高利回り、高インカムを得る
たぱぞうさま、いつも素人にもわかりやすい記事をありがとうございます。たぱぞうさまの本も買って、勉強させていただいています。
今回たぱぞうさまのご意見をお伺いしたかったのが、仕組債についてです。私は資産の半分近くを仕組債で運用しています。
- 私 38歳 会社員
- 夫 42歳 会社員
- 娘 3歳
金融資産 7000万
内訳
- 預貯金 1000万
- 日本株 1000万
- 米国株 400万
- 外貨建保険 1000万
- 投信 600万
- 仕組債 3000万
私の希望としては数年以内に退職し、夫の給与だけで生活しながら今ある資産を運用して配当金だけで月20万くらい安定して受け取れるようになることが理想です。
現在保有している仕組債は大手ハイテク株の株価を参照するものです。申込時の株価を基準とし、4割以上下落しなければ高い利回りが受け取れるものです。4割以上下落すると元本割れリスクがあります。
個別株での運用も好きなのですが、仕事と育児に追われ、なかなか銘柄研究や売り買いに時間が割けないのでほったらかしが可能な仕組債に大部分を預けてしまっています。
たぱぞうさまは仕組債で運用することについてどう思われますか?やはりハイリスクでしょうか?
ご意見をお聞かせいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
仕組債の構造と高利回りの仕組み
仕組債を買われているのですね。個人投資家さんでは株式投資に比べると、ややマニアックな投資になります。デリバティブ商品の1つになりますね。日本証券業協会さんが図でまとめていられるので、紹介しましょう。
見てわかるように、いくつか押さえておきたいリスクがあります。
- 参考指数の変動リスク
- 為替変動リスク
- 信用リスク
こういったものがあります。この場合はApple株が参考指数になりますね。4割下落しない限りは高いリターンが得られるということで、魅力に感じる人もいるでしょう。
2番の為替リスクは海外が投資対象なので当然として、3番は債券特有のものですね。スワップやオプションなどを組み込んだ債券なので、そこで事故が起きれば信用リスクにつながります。通常のマーケットでは起こりにくいものですが、マーケットがオーバーシュートするとリスクは高まりますね。
株式の上下動のリスクと、こうした仕組債特有のリスクを見比べて投資をするわけですね。インカム重視ということでしたら、活用方法によっては面白いと思います。
しかし、基本的にはリスクを取っている割にリターンは抑えめに感じるものが多いでしょうね。基本的に仕組債は、コストが高い、つまり販売側に利が乗りやすい商品です。
やはり、面白くはないかもしれませんが、多くの人にとって指数への積立投資というのが楽であり、わかりやすい投資だと思います。
月のインカム20万を達成するのが第一目標であればそのような方法もあるのでしょう。しかし、「切り崩す」ということを視野に入れれば指数への投資も可能です。これは、好みと考え方によりますね。
デリバティブはおっしゃるように特有のリスクがありますから、ブログではあまり積極的にはお勧めしていませんね。盤石に見えるものでも、リセッションなど予期せぬ事態が起こりうるのが相場だからです。
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