世界でもまれに見る安心、安全な国、それが日本
コロナ禍で一層国内財政は悪化し、不景気が顕在化しています。関連して、老後破綻だとか、年金が足りないとか、年収が増えないとか・・・。こういったネガティブなニュースが多いですが、今回は角度を変えて資料を出してみます。
凶悪犯罪被害者数推移
凶悪犯罪の被害者数推移です。1945年以降60年以上の長期のグラフです。
青線は被害者数を示し、赤線は人口10万人あたりの被害者数を表します。
戦後すぐから10年ぐらいが治安最悪期だったのは有名な話です。これは理由の第一に貧困があります。ただ、貧しいからといってみんなが他者に危害を加えるかというとそういうわけではありません。
もう一つ大きな理由として、モラルが今と比べて低かったのが原因です。今ならば人権問題にかかわるようなことが、ラジオやあるいは漫画などの紙媒体で平気で笑いのネタになっていた時代でした。
人格を貶めるようなことが平気で笑いになる時代ですね。これは日本に限ったことではなく、米国でも人種差別は公然とありましたし、ヨーロッパでも有色人種や出自に対しての差別は今以上でした。
また、ルールを守る、つまり規範意識が今よりずっと低かったともよく言われますね。
人口10万人あたりの刑務所収容人数
2017年の人口10万人あたりの刑務所収容人数は以下のようになっています。
- 米国: 666
- イスラエル: 265
- トルコ: 254
- チリ: 237
- チェコ: 216
- エストニア: 213
- ニュージーランド: 210
- ポーランド: 196
- メキシコ: 192
- オーストラリア: 162
- イギリス: 145
- スペイン: 130
- カナダ: 114
- フランス: 101
- イタリア: 93
- ドイツ: 76
- 日本: 45
世界的に見ても日本は犯罪が少なく、治安の良さというのが数字でも表れていますね。日本は治安が良いということが言われます。他国と比較することで、それが当然ではないということが分かりますね。
若い世代のモラルの高さは明るい将来を予感させる
以前、職場の年配の人と話していて話題になったことがあります。それは、30年、40年まえの職場は全般的にゆるく、人として今では許されないことがしばしばあったということです。
人の悪口を平気で言う、あることないことを噂で言いまわる、極めつけはイジメをする。辞めさせる。今では考えられない人がいたという話でした。パワハラ、セクハラの時代ですね。
そういうことをしていた人は、ほとんどが当時50代、あるいは60代の人生の大先輩だったそうです。それを目の当たりにした当時の新卒たちはちょっとした世代ギャップを感じたということです。その新卒だった人も今もう50代後半です。
今からほんの30年ほど前の話でしょうか。
もちろんほとんどの人はまともでしたが、一部の人が際立っていた、職場の雰囲気も喫煙や飲酒に寛容で全然違った、ということです。
おそらくもっと時代がさかのぼれば、職場に限らずもっと自由気ままに発言し、行動している人がたくさんいたのではないでしょうか。そして、その陰で生きにくさや働きにくさを感じていた人もいたことでしょう。
それを考えると、今の若い人は優秀ですね。職場の空気を読んで下手を踏むことも少ないです。全体への気配り、心配りができる人が多いです。これは、私が就職したころの職場の雰囲気を振り返ってもそうですね。
成熟したモラル、規範意識はますます向上しているのです。
有史以来最高レベルの安心と安全を享受できているのが今の日本
今の日本は深夜でも少なくとも大通りであれば比較的安全です。いきなり銃で撃たれるようなことも稀です。海外で深夜にふらふら歩ける街は多くありません。
日本では、昔と違って家に金品が無いのもありますが、強盗に入られることもほとんどありません。海外では窓どころか壁を破壊して強盗する国もあります。これではいくら窓の施錠、扉の施錠に気を付けてもなすすべもありません。
私の友人はアフリカに住んでいた時に、鉄格子入りの窓の施錠を完璧にし、数週間の旅行に出かけました。帰宅すると壁に出入りできる穴が開いており、パソコンなどの金品が全て奪われていたと言います。盗難のスケールが違いますね。
昨今の一部の凶悪犯罪を焦点化し、「昔は良かった」というような懐古的な論調がありますが、それは全く違いますね。ごく一部の例外を誇大化し、あたかも頻発しているかのように見せているだけです。治安は明らかに今のほうが良いのです。
命に係わるような凶悪犯罪は何十年もかけて激減してきたのです。そして、信じがたいような凶悪犯罪が昔からあったのも残念ながら事実です。むしろ事件が多すぎて報道されなかった面もあります。
犯罪減少は人口が増加してきた中で達成してきたことです。
10万人当たりの被害者数が2.37人から0.3人に激減したと言えばわかりやすいでしょうか。被害者数だとせいぜい7分の1程度ですが、10万人あたりの人数だと違いがはっきりします。人口増加の影響を加味したデータになるからです。
今ほど治安よく、モラルが高い人たちに囲まれて過ごせた時代はほとんど無かったと言って良いでしょう。
私が現代日本では安全という最高の豊かさを享受できている、と思う理由がそこにあります。たしかにこれから金銭的には苦しい時代を迎えることは間違いありませんが、私たちが心を豊かに生きることは不可能ではないと願っています。
日本国籍が今も人気があるのは、無形の財産である「安心・安全」が高度に維持されているからですね。資産のような数字で可視化されるものだけでなく、トータルで生活の質を判断していくのも大事なことですね。
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