学資保険のメリットを踏まえて将来に備える
学資保険というものがあります。子どもの成長に合わせて月々つみたてていき、高校進学、大学進学のタイミングで払い戻すという性質のものです。多くの保険商品同様に利回りは低いです。
それでも根強い人気があるのは、強制貯蓄効果と有事の保険機能がメリットとしてあるからです。
学資保険というのは、売り手である保険会社にとってさほど大きな利幅があるわけではありません。生命保険の派生商品としては、わりと良心的な部類に入るでしょう。
かんぽ生命の学資保険では以下のように説明がされています。
手元に資金があると使ってしまう、貯金が苦手という人にとっては意味があります。また、株式相場の変動リスクを忌避する人にも意味があるといえます。
もちろん、自分で運用商品が選べ、なおかつ運用上のリスクも取れるという人は加入する必要性は薄いでしょう。しかし、昨今のようなボラタイルな市場を体験すると、資産運用よりも学資保険の積立が性格上合っていた、という人もいるかもしれませんね。
それは、人それぞれの考え方ということになります。
とはいえ、住居購入費や子どもの学費は資産運用に回さないのが鉄則です。あくまで余剰資金で投資をするのがベストです。そう考えると、賛否両論説得力がそれなりにあるのが、学資保険です。
さて、今回は学資保険を中心にお子さんの学費を積み立ててきたという方からのご質問を紹介します。
3人目が生まれ、これを機に学資保険一辺倒の積み立てを見直したい
はじめまして。
たぱぞう様の書籍購入後、米国株投資に興味をもった者の一人です。
いつも楽しくブログを拝見しております。重い腰をあげ、ネット証券口座を開設したのが、本年1月。iDeCoとNISAも始めています。
たぱぞう様にアドバイスをいただきたいです。よろしくお願いします。
我が家の状況を説明いたします。
▶夫41歳、私38歳、10歳・8歳・3歳の子供がいます。
▶住宅は、地方の一戸建て(築10年・ローンなし。義母が世帯主の2世帯住宅。固定資産税は義母が支払ってくれており、ゆくゆく相続予定。)
▶車2台を夫婦で所有。ローンなし。
▶子供3人は幼稚園から高校まで私立。上の子2人は私立小に在学中。下の子は保育園。(現在、教育費は3人合わせて約40万/月。大きくなるにつれ、60万/月くらいに増えると予測。高校までは貯蓄や保険に手をつけず、夫の収入から捻出予定)
▶収入は、夫:手取り月収125万、私:手取り月収100万 ボーナスなし
▶現在の預貯金は1000万程度。
▶義父から相続した金が3000g
▶夫は5年ほど前から投資信託をしています。iDeCo(23000円/月)、NISAも利用しているようですが、詳細な投資状況は詳しく把握していません。3000万程度と聞いています。
▶基本的には、生活費・教育費・娯楽費・旅行費用などは夫の収入でまかなっています。
▶私の収入(月10万円のお小遣いを除いて)は、子供の大学費用(3人私立医大に行っても大丈夫な資金)
・老後資金のために貯蓄中。3人目が産まれて、焦りだしました。1人は国公立大に行ってほしいですが…。
▶つい最近まで私が保険信者でした。預貯金が少ないのも、預貯金が貯まると、自分で使ってしまわないように、貯蓄型保険商品を契約していたためです。たぱぞう様の保険ブログ記事を読んで、今更、深く後悔しています。
▶現在保有している保険商品一覧です。
1人目(10歳)の学資保険
- かんぽ学資保険 満期額700万(10歳満期 500万・17歳満期200万)全納済
- アフラック学資保険 満期額600万 全納済(大学4年間で分割してもらえる)
- 住友生命学資積立(5年ごと利差配当付生存保障重視型個人年金保険) 580万 全納済
- 住友生命学資積立(5年ごと利差配当付生存保障重視型個人年金保険)➔年払い110万/年×10年契約 のうち、5年払い込み済。(550万未)
2人目(8歳)の学資保険
- かんぽ保険 満期額700万(10歳満期 500万・17歳満期200万)全納済
- アフラック学資保険 満期額600万 全納済(大学4年間で分割してもらえる)
- 住友生命学資積立(5年ごと利差配当付生存保障重視型個人年金保険) 350万 全納済
- 住友生命学資積立(5年ごと利差配当付生存保障重視型個人年金保険)➔年払い110万/年×10年契約 のうち、5年払い込み済。(550万未)
3人目(3歳)の学資保険
- かんぽ保険 満期額 690万 (10歳満期 500万・17歳満期190万)全納済
- 住友生命学資積立(5年ごと利差配当付生存保障重視型個人年金保険)➔年払い110万/年×10年契約 のうち、3年払い込み済。(770万未)
学資保険の代わりにと勧められ契約した私の終身保険
- 低解約返戻金型終身保険 東京海上日動 74万/年×10年 8年払込済(148万未)利率変動型一時払い終身保険 メットライフ生命 550万 全納済
- 無配当型ドル建て終身保険 マニュライフ生命 米ドル36万/年・豪ドル24万/年 合計60万円/年×10年 10年確定年金。2年払込済 (480万未)※掛金変更可能。
老後用に契約した保険
- かんぽ生命(新長生きくん お楽しみ型) 500万 全納済
親が掛けてくれていた保険
●養老保険 41歳満期
▶16万/年 月払いで後2年で満期。(32万未)満期200万。
▶2530万が今後まだ払い込む予定の保険料です。
▶現在の年間払込保険料が480万/年。
(内訳は、住友生命3人分が330万・東京海上日動 74万・マニュライフ生命60万・かんぽ16万)
▶44万/月×12か月=528万/年は、どのように運用していくか検討中。
投資信託のeMAXIS Slim米国株式 10万円分、eMAXIS Slim 全世界株式 10万円分をスポット購入し、少額で株の経験を積み始めました。
~質問内容~
① 今後の44万円/月の運用方法についてご教示ください。もう少し預貯金を貯めてから、リスク資産を増やす方がよいでしょうか。保険商品はリスク資産と考えるべきですか。
② 保険商品の整理ですが、ドル建て終身保険は、個人年金保険の控除額まで掛金減額または解約した方がよいでしょうか。子供の学資積立は強制貯金として続けようかと思っています。低解約返戻金型終身保険と養老保険はあと2年で払込終了なので、続ける方が得なのかと思っていますが、これでよいのでしょうか。
長文失礼いたしました。よろしくお願いいたします。
保険商品を資産運用の柱にしないというのが鉄則になる
学資保険に関しては冒頭申し上げたようなメリットもあるので、これはこれで良いでしょう。大きな得もしませんが、大きな損もしません。
これだけ多くの商品をご契約されたということは、かなりの上客として見られているのは間違いありません。おそらく、これからもたびたび営業がかけられるでしょう。しかし、保険商品はマージンが大きすぎるので資産運用には適しません。
今後のフェーズはご夫婦の老後資産づくりというのが主眼になります。そうなると、これ以上の保険加入はお役御免で良いでしょう。
ご質問の①ですが、すでに十分な保険をかけているので、これを加味して考えると積み立て投資を始めてよいですね。リスク分散はされています。特に元本変動のないものは現金とほとんど等価と考えられます。
②は、解約すると減額が大きいならば解約しないほうがいいです。短期での解約がしにくい商品設計になっているものは、ここが最大の悩みどころになります。売り手からすると、ノーベル賞級の大発明といって良いでしょう。契約者サイドからすると、やり直しの効かない商品です。平たく言うと、フェアな商品ではありません。
商品選びの視点は、基本的にNISAと同じく米国株などの世界的な視点での商品選びが良いです。債券に関してはこの場合は保険で代替できています。
いずれにしても、株式投資は余剰資金で行うものですから、そこを踏まえた商品選びというのが大事ですね。ご夫婦の大きなインカムがありますから、無理せず運用していけばよいですね。
ご質問ありがとうございました。
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日々の投資。これがマストな時代となりました。
売上と利益があれば、誰でも会社は作れます。
私の場合はやや遅かったかもしれませんね。今のように経営者仲間が多ければ、もっと早く決断していたと思います。