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持てる者と持たざる者の格差が拡大するということ

持てる者と持たざる者の格差が増大するということ

 昨今あまり騒がれませんが、数年前に大きな話題になったことがありますね。私たち投資家としては、投資をする拠り所ともなった主張です。

 

 それは、ピケティ氏のいうところのr>gですね。これは、現代社会を生きるにあたって知っておきたい原理原則です。

持てる者と持たざる者の格差が拡大するということ

持てる者と持たざる者の格差が拡大するということ

 rは資本収益率、gは経済成長率を示します。むろん、様々な批判はありますね。例外のない規則はありませんので、私たち市井の投資家としてはエッセンスだけ押さえておけばよいでしょう。

 

 乱暴なのを承知で換言すると、資産の成長のほうが、給与の成長よりも早いということになります。

 

 もちろん、人によるところもありますが、一般的な労働者の話としてはそういうことになります。この30年停滞したままの平均年収や所得を想起すると、わかりやすいですね。

 

 r>gは当たり前といえば当たり前の原理原則です。しかし、これを改めて誰でもわかるように明確にしたという意味において大きいです。 

 

 つまり資産成長させるために、適切な投資をする必要があるということになります。リーマンショックやコロナショックを経て、この流れはさらに加速しています。株価成長は力強く、金価格は株以上に好調です。これは通貨との相対価値での上昇といってよいでしょう。

 

 これらのアセットへの投資ができる、しかも資産が大きいほど強みがあるのです。しかし、これは何も今に始まったことではありません。

 

 そのために戦後日本では農地解放や財閥解体が行われたわけですね。シャウプ勧告に伴う税制改革も骨子は応能負担原則、つまり直接税による累進課税制度でした。いわば広い意味でのr>g、そういった背景をもとにしたものです。

 

 所得の再分配というはそういうことですね。しかし、消費税導入後は直接税よりも間接税のほうが割合としてはすでに大きくなっており、時代の変化を感じますね。

 

 近現代における日本はそれでも、明治維新、第二次世界大戦という階層の大きなシャッフルがありました。長く社会階層が固定されている国々に比べると、実は格差はまだまだ小さいほうですね。

 

 戦争と平和、間違いなく後者のほうが良いですね。しかし、平和というのは社会構造の固定化と一体であることが多く、うまくかじ取りをしていかないと、根深い格差問題につながりかねません。

 

 非常に雑駁とした前段ですが、今回は資本主義についてということで大きな問いを頂戴しています。 

持てる者と持たざる者の格差が増大する仕組みに危機感を覚える

はじめまして。


 いつも楽しく拝見しております。35歳男会社員です。自分の仕事は富裕層に接する事が多く、就職してからずっとなぜこの人達はこんなにもお金をもっているのだろう?そしてお金ってなんだろう?と強く疑問に思ってきました。

 

 そこで質問です。自分の投資内容ではなく資本主義と中央銀行制度についてです。アメリカの中央銀行であるFRBは民間銀行にお金を貸し付ける際、銀行準備法により元本から手数料1割を引いた金額に利子を付けていると聞きました。


 これは資本主義を採用してる日本を含めて他の国も同じ構造なのでしょうか⁇

 

 そうであれば資本主義の根幹が手数料と利子である以上、国の借金は増え続け、どこかで終着点が訪れる気がします。その構造は結果的に国民の生活を逼迫させ、持てる者と持たざる者の格差が増大してしまいます。

 

 人類は資本主義による利益の追求から脱却しクリーンな地球に住み続けられるシステムが必要だと感じました。

持てる者と持たざる者の格差r>gという、決められたルールでゲームを楽しむか、どうか。

 答えのない、それでいて奥深い問題提起をありがとうございます。

 

 資本主義の根幹が手数料と利息であるかどうかはともかく、政策金利によって市中銀行にお金が貸し出されるというのは、どこの国もそうですね。また、持てる者と持たざる者の格差の問題というのも、どこの国にも存在する事象です。

 

 あまりにも格差が大きくなると、社会不安を引き起こし、よろしくない社会になりますね。そのため、税金による再分配があり、社会サービスがあり、福祉があるわけですね。古典ですが、ジニ係数などもその観点で語られますね。

 

 私自身、資産家の生まれというわけではなく、普通のサラリーマン家庭に生まれました。そういう意味では、資産家、地主さん、そういったところはまぶしく見えるのも事実ですね。生まれたときから資本に恵まれるというのは、ある意味飛び級なのです。

 

 私は昔から、こういった社会構造を変えることに熱心であるというよりは、社会構造を理解したうえで適切な行動をとるように注力した人ですね。終始一貫した、私の考えは「組織を変えるより自分を変えたほうが早い」ということです。もっとも、これには賛否があるでしょう。

 

 ノンポリではありますが、一方で社会全体や職場に対して問題意識を持つことは大事なことですね。改善というのはイノベーションの源になりえます。同時に、それだけでなく、まず自分を変えないと、単なる文句言いになってしまいますね。とにかく行動が大事なのです。

 

 といっても、そんなに難しいことではありません。人並みに学習やスポーツなどの経験をして自分の価値を高め、仕事をして属性を磨き、得られた資本を投資に回すだけです。それは、社会のルールがそれに最適化されているからですね。投資をしないと人生が何も変わらない、そのような社会だからです。

 

 寝たほうが良い暮らしができるならば、私は3年寝太郎になっていたでしょう。しかし、それでは世界は変わらないのですね。もっとも3年寝太郎には及びませんが、今は「毎日昼寝太郎」ぐらいにはなっています。毎日の積み重ねが、そのような立場を可能にしたということです。

 

 確かに格差は看過できない問題です。しかし、同時に生き方の多様性もかつてないほど広がっているように思います。どのような生き方や在り方が自分にとって心地よいのか。お金という数字のみが幸福の指標ではありませんね。

 

 困難な時代だからこそ、精神的に自立した、自由な暮らしの価値が高まっているように思います。私たちは一人ひとり、幸せになる権利と力が備わっていると信じています。お金か、時間か、両方か。評価軸はいろいろありますが、自己の確立が大事ですね。

 

 大きな話になりましたが、より良い毎日のためにともにがんばりましょうね。

 

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