インデックスを活用したコアサテライト投資、迷いと悩み
インデックス投資は基本的にはあまりやることがありませんね。特に積み立てを自動設定しているような場合はそうです。
しかし、資産額が増えてきたり、高値更新が続いたりすると迷いが出てきますね。利益もそれなりに乗ってきます。「このままでよいのだろうか」ということですね。
分散投資をしているならば、特段変わったことをする必要はありません。株式の比率を変える人は多いですが、基本のコアサテライト投資は変わらないということです。
さて、今回は資産が1億円近くなり、確認をしたくなったという方からのご質問を紹介します。
コアサテライト投資をしていますが、続けていくべきか悩みます。
はじめまして、たぱぞうさま
私は投資歴5年の47歳会社員です。御サイトは、個別のETFの紹介から人生設計の指南まで大変参考になり、朝晩必ずチェックしています。
米株への投資総額が膨らんできたことと昨今の株高で投資戦略に修正が必要と思われることからぜひアドバイスをお願いいたします。
私が投資を始めたきっかけは、インデックス投資の父こと、バンガード創業者のジャック・ボーグルさんの著作を読んだことです。
サブプライム危機で表面化したウォール街の強欲を批判し、庶民の生活設計の手段としての長期分散投資の大切さを訴え続けた信念の人で、ユーチューブ上のインタビューからも実直な人柄が伝わってきます。
その後亡くなられましたが、ボーグルさんの理念は現在の経営陣にも受け継がれていると思いたいです。
バンガードへの忠誠以外に当方の投資に方針・戦略と呼べるものはなく、SBIが扱っている同社のインデックスETF(VOO、VTI、VT、VWO)をひたすら積み立ててきました。含み益も含めてそれぞれ800万円~1千万の評価額になります。
また、インデックスはどうしても時価総額の高いグロース株への比重が高まると考え、分散を意識して高配当系のETF(VYM、VIGとHDV、SPYD)を各600~800万円程度保有しています。
ほかに債券ETF(BND、BNDX、VCLT)も計2千万円弱持っています。あと将来性に期待して、インド株(EPI)が約600万円ほどあります。
現在の保有資産はETFが総額9500万円(すべてドル建て)あるほかは、昔買ったインデックス投信がNISA口座に200万円ほど、普通口座に現金100万円ほど入っているだけです。
さて、バンガード頼みでここまできましたが、総資産1億円を目前にしてもう一度「分散」のあり方を考えなければいけないと思っております。資産のコアは運用総額数兆円の王道ETFばかりですが、いつまでも株高が続くわけではなく、ここまで米国株に依存したポートフォリオでいいのかと不安です。
また現在の株価水準で、これまでの規模の積み立てを続けることも抵抗を感じます。たぱぞうさまは不動産、民泊、太陽光発電など大胆に「分散投資」されているそうですが、ほかに株式より安定していてインフレ耐性のあるおすすめの資産はありますでしょうか。
私の場合、転勤を伴うサラリーマンという「パッシブ」な立場ですので、物件の見極めや管理が必要な不動産系はハードルが高く思われます。入居されるご世帯、特に若い方から毎月家賃をいただくというのも心苦しいですし…。
他には、債券やコモディティ系のETFの割合を増やすか、米国債を買うことぐらいしか思いつかないのですが、何か妙案があればぜひご教えていただけないでしょうか。
長くなりましたが、①株以外に手のかからないおすすめの分散投資先はあるか、②現在の株価水準でも米国株ETFを買い続けるのは得策か、の2点よろしくお願いいたします。
コアサテライト投資の基本はOK、悩みなし。航路を守るということ
コアサテライトに基づいた投資をなさっていますね。アセットの細かい金額は分かりませんが、おそらくご自分の心地よい範囲での冒険をなさっていることでしょう。
大型グロースへ偏るというのは時価総額加重平均の最大のメリットではあります。しかし、それへのヘッジもご自分で考え、手を打っているというところも興味深いところです。
さて、分散ですが、そのようなご事情ならば債券や商品系でよいでしょう。昨今では仮想通貨などもありますが、ポートフォリオの安定を目指すならばそぐわない投資になります。株以上のリスクを許容でき、なおかつ期間が取れるならば、リスクリターンのバランスであってもよいアセットになりました。
私は民泊、太陽光、不動産で分散をしましたが、これはかなりイレギュラーです。しかし、やってみた実感としては分散投資先としてハードアセットを入れるのは極めて良いです。
もっとも、株ほど簡単ではないですね。例えば不動産の難点は、買い付けのルートを作ることが極めて困難、そのうえそんなにポンポン目線に合う物件が出てこないことですね。ポンポン出てくるならば、それは買ってはいけない物件か、何か特別なスキルや背景が備わっている人ですね。
良いとする理由は比較的安定的にレバレッジが効かせられるからですね。株式のレバレッジがどうしても大きな資産の増減を伴うのに対し、太陽光や不動産のレバレッジは税金面も含めて計算が成り立つので、そこが強みでしょうか。しかし、事業ですので民泊のような予期せぬ事態もあり得ます。これはリスクと言えばリスクですね。
将来を予測するのは簡単ではありませんが、10年、20年後に今の株価水準より高くなっている確率は高いと考えます。一括で勝負をかけるような場面ではありませんが、コツコツと航路を守っていくのが最適と考えますよ。
5年で大きな利益を出した自分を信じて、共に航路を守っていきましょうね。
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FIREと法人化は相性が良いのは事実ですね。
先祖伝来の土地を収益化している例も多いですね。
住宅ローンをどのように組むかも大事です。投資ですからね。