たぱぞうの米国株投資

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億り人になっても、どうしてFIREすることを人は躊躇うのか

億り人になってもFIREを躊躇う人

 一般的なサラリーマンの生涯年収は2.5億円前後と言いますね。年収ですから、所得ベースにすると2億円前後が手取りということになるでしょうか。生活費などを引いた可処分所得だと、グッと下がるはずです。

 

 そういう意味では、手元資金が真水で1億、あるいは数億となるとかなりFIREが現実的になります。しかし、億り人の多くがFIREをしているかというと、そうではない現実がありますね。

 

 その理由は様々ですが、今回は大きな資産を得たのにFIREを躊躇する、という方からのお問い合わせを紹介します。

インデックス投資とデイトレードでFIRE要件を満たす億り人

 いつも有益な情報ありがとうございます。


 資産形成達成に伴うフルリタイアの在り方についてご質問させてください。当方ただいま40代前半ですが、実はフルリタイアすることを目標に若い頃から節約に励んでおり、20代で貯蓄2000万円、そこからインデックス投資とデイトレードで30代の内に資産3億円に到達しました。


 目標達成に伴い、デイトレードは引退し、今は資産の9割を細々とインデックス運用(主にSP500にしています。


 ただ、実はその間に思いがけず結婚、子どもも二人授かり、40代になった今もリタイアしておりません。


 理由は、さまざまありますが、一番の理由は不安だからです。


 暴落や戦争、証券会社の倒産など、考えればいくらでもでてきます。インデックスとはいえ、為替の動きも合わさって値動きの幅はなかなか大きく、多少のストレスもあります。


 かといって現金比率を上げるのも機会損失が頭をよぎりストレスが溜まるので、9割インデックスが妥協点です。


 二つ目は、やりたいことが不明瞭。ハードアセットを今さら買うつもりも勇気もなく、リタイア後はフリーランスでライターやブログなど気楽にやろうと考えているものの、果たしてそれで残りの人生有意義に過ごせるのか。


 3つ目は、ブラックだった職場環境が多少マシになり、(それでもストレス多いですが)この環境で今の給与を手放すのはもったいないと感じていること。


 そもそもこれ以上稼ぐ必要はないはずなのですが、やはり生来の貧乏性からか、なかなか踏み切れません。また、社会的地位の喪失もあります。


 もともと何のスキルもない人間なので、サラリーマンという属性を失うことに恐怖があり、そのことによる子どもたちへの心理的影響も危惧しています。


 ぶっちゃけていうと子どもたちが生き方を真似してしまわないかということです。それなら現状のいつでもやめられる心理的状況で仕事を続けるのがベターではないかと。


 一番の問題は、なぜ目標達成したのにだらだらと働き続けているのか自分でもよく分かっていないことのような気もします。


 ただ、一度しかない人生でこのまま意味もなく働くのはもったいないと日々感じていることも事実です。


 考えれば考えるほどじぶんのリタイア適性に疑問符がついてしまうのですが、こんなことはリタイア前にはよくあることで、やめれないのは勇気がないだけなのか、それとも自分はリタイアには向いてない見栄っ張り人間なのか、客観的にたぱぞうさんに判断していただき、心の持ちようについて御指南いただきたいです。


 長文失礼いたしました。

FIREに至るまでに億り人でも迷うことは多々ある

 実は、FIRE前の迷いは少なくありません。私自身も辞める決断をするまでに時間を要しました。私より後に仕事を辞めた人たちも、やはり葛藤しています。

 

 FIREを切望していたはずなのに、いざ実現可能になると迷うのです。これは意外なことに思えますが、多くの人が戸惑います。とはいえ、職場が嫌で仕方がなければ、この迷いは薄れます。

 

 職場の居心地が良かったり、中途半端にモチベーションが無くても続けられたり、そういう環境だとずるずると組織人を続けることになります。

 

 このFIREへの迷いの理由は2つあると考えます。


 1つは組織に属することが習慣になっていることです。学生時代は学校に所属してきました。社会人になれば会社などの組織に所属してきました。私たちは何十年と集団化されてきたわけです。

 

 そういう意味では何かに属すること自体が知らず知らずのうちに、安心安定につながっていると言ってもよいでしょう。それを失うことへのぼんやりとした不安が、日々の通勤に駆り立てるわけですね。

 

 2つはFIRE後にやりたいことが見つからないからです。仕事というのはよくできていて、スモールステップでやらなくてはいけないこと、やりがいのあることを投下してきます。


 目標を終えることで、やりがいも感じることができます。そのため、在籍が長くなり、仕事に熟練してくるほど「これでいいか・・・」となりがちなのです。


 年を経ると変化に弱くなります。そのため、何かをやりたいというモチベーションがないと、辞めるというエネルギーが得られないのです。

億り人になってもFIREすることを躊躇う

億り人になってもFIREすることを躊躇う

 しかし、私の周りのFIREした人たちは収入面も含めた、そういった将来に対する漠然とした不安を乗り越え、今を楽しんでいます。私もその一人です。


 今ではもっと早く辞めておけばよかったと思いますし、年齢的にギリギリのタイミングだったとも思います。

 

 じっくり焦らず、自分がどのような生き方をしたいのか、あり方をしたいのか、お子さんの将来も含めて考えられるとよいですよ。

 

 実は、その選択がある、その自由があるということ自体、すでにFIREの一部なのです。資産的に恵まれるというのは、そういうことでもあるのですね。

 

 焦らず、ゆっくり考えを固めていくとよいですよ。

 

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収入とやりがいを作っておくというのも手でしょうね。

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私は以下の人生設計でしたが、意外とやはり迷いました。

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過ぎる時間の早さを感じてもいましたね。

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