たぱぞうの米国株投資

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債券ETF100%投資は安全な投資なのか

債券ETF投資の特徴

 債券ディーラーは金利動向を踏まえオプションや現物を駆使して利益を出すわけですが、一般の個人投資家ではマイナーな投資法と言ってよいでしょう。

 

 ただし、個人投資家の債券投資もうまい人は本当にうまいので、それでセミリタイアをした人もいます。

 

 そういうプロ、あるいはセミプロ以外の人にとっては株式ベースのポートフォリオに生債券か、債券ETF、あるいは社債をトッピングするというのが現実的な投資になるでしょう。

 

 また、滝川クリステル氏が3億円近い資産を保守的な債券で運用していることが話題になりました。数億、あるいは数十億といった資産家になると、攻めと同時に守りが大きなテーマになります。確実性が高く、利回りだけである程度の収益があげられる元本になるからです。

 

 特に、米国株市場においては債券ETFや社債ETFのクオリティも高いです。クオリティというのは信頼性・流動性・種類、これらがそろっているということです。ですから、日本市場以上に選択肢を持たせた売買が可能ということですね。

債券ETF投資のポイント

 債券ETFに関して、いくつか押さえておきたいことがあります。以下にまとめておきます。

  • 金利高局面では取引値は下がる。
  • リターンは株式に比べると長期では劣後する
  • 短期債券は利回りは低いが取引値は底堅い動きをする
  • 長期債券は利回りは高いが取引値の変動は激しい

 このような特徴があります。

 ポートフォリオの資産上下動をマイルドにするという目的を持ったとします。そうすると、安全性が第一ですから利回りにつられて長期債券系のETFで固めるというのは違うということになります。

 

 また、安全性を求めて金利上昇局面でしこたま債券、とくに長期債を買うとその後の展開によっては含み損に耐えるという期間がしばらく続くことになります。

 

 こういった特徴を踏まえて上手に債券を活用していくというのが基本路線になります。

債券ETF100%投資を考えています

たばぞう様
 最近から、ブログを拝見させて頂いております43歳のサラリーマンです。

 突然で申し訳ありませんが、質問になります。

 

 外国株を買いたいと思いながら、相場が一方的に高くなる一方で投資できず、結果として、米ドルが1000万円、日本円で1000万ほど、投資に当てられる資金が、私と妻の証券口座にキャッシュでつみあがってしまいました。

 

 最近は、給与から毎年200万は投資に当てられる状況です(妻も私も持家に興味がないため、結果的にそうなのです)。余剰資金は、もちろん投資に回すべきとはわかりながら、さてどうやって投資を始めたら良いものかを悩んでしまいました。

 

 いきなり2000万を株に入れるには今は高すぎる状況です。こうなったら米ドルはBNDかBSV、日本円は先進国債券・投資信託に全振りして、株が安くなるのを待つという方法を考えました。

 

 ただ、正直、金利が上昇時に少し躊躇するのも本音です。たばぞう様ならどのように買い進めるのでしょうか?今考えるとかなり反省させられます。若い時は若い時で、数十万でも余剰資金を投資に回しておけばよかったのですが、今になってからの処理はかなり大変です。

債券はポートフォリオのメインにはなりにくい

 先述したような、債券投資に長けた人、ステージとして債券投資が適している人もいますが、やはりペーパーアセットの王道としては株式になります。収入のある現役世代や、資産を増やす段階にある人にとっては特にそうです。

 

 株式は債券に比べると、相場全体のボラティリティが高いです。荒い値動きの個別株も目立ちます。

 

 とはいえ、株式のリターンは債券のそれに比して、くらべものにならないのです。

債券ETFの底固い値動きは確かに安全性を感じさせる

債券ETFの底固い値動きは確かに安全性を感じさせる
  • 紫色:S&P500ETFのSPY
  • 赤色:トータル債券ETFのBND
  • 水色:短期債券ETFのBSV

 それぞれのチャートです。配当を含まないので、実際のリターンはもっと上振れます。BSVならば分配金込で年率1%後半ぐらいになるでしょうか。BNDならば年率2%前半のリターンですね。これに対してSPYはリーマンショック前からでも分配金込でおよそ10%超のリターンを上げています。

 

 債券に関する限り、このリターンの差というのは、長期では今後も大きくは変わらないと思われます。株式は変動幅が大きく、特にリーマン後の右肩上がりというのは常に約束されたものではありません。

 

 このチャートをどう読み解くかというところです。もし今後、大暴落が来るならば債券全振りのほうが数年は成績が良いでしょう。来ないならば、株式に投資していないのは機会損失になります。

 

 実は米国市場は2014年ごろから常に「高い」と言われ続けています。しかし、結果的には今まで上昇を続けています。

 

 株式相場というのはそういうもので、ピタリと読みを当てることは短期・中期では難しいと思っています。この間、淡々とキャッシュポジションを守りつつ、株式ETFも少しずつですが買っています。結果としては確かなリターンが確保できたわけです。


 いずれにしても債券に全振りをするのではなく、キャッシュポジションを保ちながら株式、さらには債券ETFを買っていくというのが無難だと思います。ちなみに、BND・短期債ETFのBSVを組み入れていくという発想は非常に理にかなっています。

 

 何かの参考になれば幸いです。ご質問ありがとうございました。

 

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  BNDに似た総合債券ということではブラックロックのAGGも非常に人気があります。こちらも有名な債券ETFですね。

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  こちらはバンガードのトータル債券ETFです。守りの投資には欠かせないですね。ただし、短期債ETFであるBSVのほうが値動き、ベータ値は低いです。

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  バランスファンドは比較的債券に多めに振っている、人気の高い商品です。

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