【AGG】米国総合債券ETFという安定債券投資
AGGは正式にはiシェアーズ・コア米国総合債券ETFと言います。ブラックロック社のETFです。バークレイズ米国総合インデックスに連動します。
設定日は2003年9月です。AGGは債券ETFでは最も歴史あるETFのうちのひとつということになります。似たような商品にバンガード社のBNDがあります。BNDの設定日は2007年ですから、それよりも伝統ある債券ETFです。
BNDは信託報酬が0.05%、AGGも0.05%です。以前はBNDのほうが低信託報酬でしたが、価格競争で同じになっています。一般にブラックロックiシェアーズのほうが信託報酬が高いと思われがちですが、商品によってはバンガードと殆どそん色ないぐらいまでに下がってきています。
このような信託報酬の引き下げ合戦は私たち購入者からするとありがたいことですね。
【AGG】米国総合債券ETFのチャートと配当
※画像はyahoo financeから
2006年 8月取引値 100ドル 分配金0.4ドル
2016年 7月取引値 113ドル 分配金0.2ドル
2017年11月取引値 109ドル 分配金0.23ドル
2018年10月取引根 104ドル 分配金0.252ドル
AGGは毎月分配です。10年前と比べて分配金はあまり上がっていません。現在の分配金はだいたい0.2ドルで推移しています。ちなみに10年前は0.3ドルぐらいが平均値でした。米国金利の動向に左右されます。
リーマンショック時に96ドルを割る場面が見られました。だいたい5%程度の落ち込みですから、いかに株式市場の動向に左右されにくい商品であるかがわかります。ちなみに株価指数に対する感応度を示すベータ値は債券ETFならではの-0.01です。
取引値は10%程度の上昇をしています。分配金再投資の結果を見ると違った景色が見られます。
※ブラックロック社のページから
分配金再投資で年率5%程度の値上がりを示しています。分配金利回りは決して高くはありません。だいたい2.3%程度です。しかし、取引値が安定していることが強みになっています。
私は10年で1.5倍のリターンを目指した投資をしています。過去を見る限り十分な商品であると言えます。
ちなみに、AGGの設定日である2003年9月からのリターンはおよそ80%にもなります。分配金再投資の強みが存分に発揮されています。
【AGG】米国総合債券ETFの構成と投資方針
保有比率の約4割を占めるのが財務省債券、米国債です。AGGは米国債のような信用格付けAAA(トリプルA)の債券が7割を占めます。
これだけ安全資産を中心に組んでいて利回りはそこそこの2.3%程度つきます。使い方によっては非常に魅力ある商品だと思います。
【AGG】米国総合債券ETFはどのような局面で使えるか
- 値動きを最小限に抑えたい
- 元本が大きく、2%ちょっとの利回りで十分な収入が確保できる
- 株高局面で手元に手厚い現金がある
- ポートフォリオのバランスとり
以下、説明を加えます。
値動きを最小限に抑えたい
例えば米国株式初心者で元本割れを極力避けたい場合などは説得力を持つ商品になります。元本を割れないわけではないですが、株式のボラティリティに比べるとはるかに低いのです。
分配金もそれなりにつきますから、自分以外の家族の投資を面倒見るような場合にも適しています。貯蓄と違う、投資の醍醐味を知る入口としてふさわしいと思います。ただし、キャピタルゲインも低めになっています。
特に銀行の定期預金金利が下がって殆ど金利収入が見込めなくなっている昨今、AGGのような比較的高配当な債券ETFはその利用価値も上がってきています。
元本が大きく、2%ちょっとの利回りで十分な収入が確保できる
それから、数億を超えるような大きな資産を持っている場合も安定感のわりに利回りが良いので相性は良いです。例えば5億円あれば、利回りはおよそ1000万円になります。元本がほぼ守られ、毎年利回り1000万得られれば価値観にもよりますが、リスクを追う必要は薄いと言えるでしょう。
株高局面で手元に手厚い現金がある
また、現在のような株高局面で、一時的な待避投資先として活用する手もあります。株式の値動きに比べて動きがはるかにマイルドですから、値下がり局面で強みを発揮します。しかも分配金は出ますから、持っている期間によっては現金で待機するよりもよいリターンが得られることになります。
ポートフォリオのバランスとり
4番目は少し高度ですが、株式ETFと債券ETFで保有バランスを決めておき、株式が相場が下がれば債権ETFを売り株式ETFを買う、株式相場が上がれば株式ETFを売り債権ETFを買うという活用の仕方もあります。
投資の基本を株式投資に置きつつ、AGGのような債券ETFも引き出しとして持っておくと、投資の幅を広げられることは間違いありません。この値動きの無さは立場によっては非常に魅力的に映ることでしょう。
株式ETFや債券ETF、金などの商品系のETFを組み合わせると、投資の幅が広がります。
関連記事です。
【AGG】米国総合債券ETFのライバル?と目されるBNDの記事です。BNDはバンガードの債券系の旗艦ETFと言ってよいでしょう。
THEOも上手に債券をポートフォリオに組み入れて運用しています。顧客のニーズに応じたポートフォリオを自動で組める時代になりました。
一般的には利上げ局面では債券は値下がりします。ですから、FRBの利上げ動向には注意が必要です。