ロボアドバイザーを解約すべきかどうか。
ロボアドバイザーがよく知られるようになりました。数年前は新たな金融サービスとして注目されましたね。特に斬新だったのは、ウェルスナビやTHEOなど、米国上場ETFをコアにした投資手法でしたね。
その後、特定口座対応や米国株指数の東証ETF化、バランスファンドの信託報酬引き下げなどがあり、事情もかなり変化しました。
これらロボアドバイザーは、投資初期においてはガイドのような役割を持ちますね。要は、分散投資の在り方や考え方を教えてくれるものです。半面、おおよそ1%になる手数料をどう考えるかということが永遠のテーマになります。
この1%手数料というのは、日本の著名なアクティブファンドの信託報酬に近似しており、ロボアドもアクティブファンドの派生と考えるならばぎりぎりの許容水準と言えなくもありません。
一方で、投資歴を重ねるにつれて、投資信託やETF主体の投資ならば自分でもできると考える人も少なくありませんね。さて、今回はそのロボアドバイザーを解約すべきかどうか、ということでご質問を頂戴しています。
保有しているロボアドバイザーを解約すべきかどうか
たぱぞう様、はじめまして。
たぱぞう様の著書「お金が増える米国株超楽ちん投資術」やブログを参考に、投資を実施しているものです。
現在保有しているウェルスナビを解約した方がよいかを迷っており、今回お問い合わせさせていただきました。
まず、私(44歳、男、年収400万円)の現状は、以下のようになっております。
◆資産合計:1800万円
◆毎月の積み立て
- iDeCo:楽天VTI【2万円/月】
- 企業型確定拠出年金:みずほ信託外国株式インデックス【7500円/月】
- 楽天証券(つみたてNISA+特定口座):eMAXIS Slim 米国株式S&P500【10万円/月】
- WealthNavi for 住信SBIネット銀行:【1万円/月】
- SBI証券:SBIバンガードS&P500【1万円/月】、GLDM【5口/月】、MGK【2口/月】、VYM【2口/月】
◆ウェルスナビの状況
- VTI:190万円(損益率+31%)
- VEA:130万円(損益率+8%)
- VWO:40万円(損益率+13%)
- AGG:160万円(損益率+1%)
- GLD:38万円(損益率+35%)
- IYR:29万円(損益率+6%)
- 全体:587万円(損益率+14%)
将来に不安を覚え、投資を始めたのが40歳の時で、その時はまだつみたてNISAやiDeCoのことを知らなかったため、ウェルスナビから始めてしまいました。
ウェルスナビの手数料が1%のため、解約してS&P500などの投資信託やETFを買い直すのか、現状それなりの損益率が出ているためこのまま運用するのか、どちらの方がよいでしょうか。
手数料は1%でも、まだプラスになっているためそのままでいい、という気持ちと、解約して買い直す場合、現状のウェルスナビ以上の利益率まで持っていけるのか、という気持ちが入り混じっています。
たぱぞう様のご意見をいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
ロボアドバイザーをどのように評価していくか
4年前に投資を始めたということですね。ほとんどローンチと同じ時期に始めたということになります。全体の損益率が14%ということは、年率でおおよそ3.5%ですね。
これは、バランスファンドとして最も人気のあるファンドの1つである、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)のリターンなどと近似します。
悪くはないですが、株式1本の投資などに比べると見劣りします。半面、GOLDへの投資はロボアドバイザーならでは、あまり個人で分散投資の対象にしている人はいませんね。マーケットの予想よりも良いリターンを示しました。
ウェルスナビ公式の近年のリターンですね。年率にすると、リスク5でおおよそ6%ほどでしょうか。悪くないですね。
投資の正の面に目を向けるならば、解約をして自分で運用、株式部分を増やすということになります。負の面に目を向けるならば、継続、分散性を尊重ということになりますね。
どちらが良いというのは断言できませんが、これらの数字をもとに、自分で運用したほうが効率的なのか、解約したほうが効率的なのか、判断していくことになります。また、気持ちの面も配慮したいところですね。
ローンチから4年たっていますから、そろそろ答え合わせの時期かもしれませんね。ちなみに、4年前VTI一本に一括投資していた場合、ほとんどダブルバガー、倍になっています。リスクとはこういうことですね。正と負があるのです。
関連記事です。
個別株とファンド、どちらが良いのかというのも永遠の課題ですね。
コアサテライト投資は投資の基本姿勢を決める大事な考えですね。
低金利時代をどのように考えるかということです。