おすすめしないワンルームマンション投資
資産形成をするうえで、ワンルームマンション投資を検討される投資初心者さんは多いですね。特に新築のワンルームマンションはほとんどはめ込みに近く、売るに売れない状態になっているものも多いです。
それでも、一時期は限りなくグレーな民泊などで転貸という逃げ道もありました。今は完全にその出口もなくなり、約束と違う空室保証、家賃下げなどで苦しんでいる投資家さんもいらっしゃいますね。
特に残債が売却価格よりも大きく残り、なおかつ手元のキャッシュがない場合は完全に逃げ道がなくなります。残債が売却価格を下回るまで、持ち続けるということですね。
もちろん、築古区分ワンルームなどは上手に回されている方もいらっしゃいますね。それは、相場観があり、経験がある方ということになります。業者さんが持ってくる、管理費等々固定費もりもりの物件にはそのような可能性はありません。
さて、今回は具体的な条件含めてご相談を頂戴しています。
ワンルームマンション投資の物件例から知る、おすすめしない理由
はじめまして。
20代後半の会社員で、現在ワンルームマンション投資を友人から勧められてます。条件を聞く限りメリットはありそうなのですが、不動産について素人なのでご意見お聞かせいただきたくご連絡しました。
- 年齢 28歳
- 年収 480万円程度
- 資産 900万円程度(現金)
【勧められている内容】
- 投資区分 ワンルームマンション投資(新築)
- 立地 横浜繁華街近辺
- 金額 2500万円程度
- ローン 毎月9万円程度(35年・金利2%)
- 家賃収入 毎月8.5万円程想定
- 備考 空室保証95%(3年ごとに家賃更新)、修繕積立費用は全て不動産業者負担
今後の物価の上昇を考えると、30年経っても家賃は1〜2万円程下落で抑えれるだろうと言われてます。
話を聞く限り、友人から紹介してもらった不動産会社が倒産するというリスクを除けばメリットがあるのかなと思ってしまってます。その会社は設立13年・社員100名弱の売上100億程の規模です。
色々調べていると、ワンルーム投資は儲からないという記事を見かけましたので、ご連絡をさせていただいた次第です。
本当に素人質問で恐縮なのですが、アドバイスをいただかますと幸いです。何卒、宜しくお願いいたします。
マイナスCFに耐えるワンルームマンション投資
まず、不動産のインカムは買った時が最大であることがほとんどですね。そうなると、買っていきなりマイナスのCFというのは、今後30年を考えるといささか気が重い事実です。
おそらく、個人で買って所得を合算、節税できるというロジックなのでしょう。しかし、質問者さんのご年収ですと、節税が喫緊で必要な所得帯ではありません。また、立地がよいのでキャピタルが狙えるということも言われているかもしれません。
しかし、フェーズとしてはやはり資産性重視の投資をするよりは、CF重視の投資を優先させたほうが妥当性があるでしょう。この物件を買ってしまうと、次の物件、あるいは次のアセットを購入することが厳しくなります。
それでも、10年、あるいは15年といった短い期間のファイナンスならば、資産性云々の話もなくはないかもしれません。しかし、ローン期間はフルフル35年、全力ですね。ローン35年でCFが出ないという物件は、よほどの好立地以外避けたほうがいいでしょう。
結論から申し上げますと、見送りが望ましい物件となります。
投資は自己責任が要求される厳しい世界
お友達がなぜ進めてくるのか、質問者さんをどのように見ているのか。その機微を知ることが投資への大きな一歩かもしれませんね。
ところで、保険などもそうですが、買ってはいけない保険、不動産を買っている人はどのようなルートが多いのでしょうか。
少なくないのが親族・友人の推薦ですね。信用できる先輩、信用できる親族、そういうルートで買ってはいけない貯蓄性の保険や変額保険、買ってはいけない不動産を買っている人は多くいます。
昨今顕在化しないのは、思いがけずマーケットが好調だからですね。良い物件を押さえたわけではありません。
マーケット環境の変化に備え、私たち一人ひとりが金融リテラシーを高め、自ら判断し行動できる素養を身に着けていく必要がありますね。
質問者さんはお若いわりに900万円という、しっかりとした手元資金をお持ちですね。ここまで資産形成できた自分を信じ、変な商品で手元資金を減らさぬよう、これからも貯蓄と投資に励まれるとよいですね。応援していますよ。
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