危険なリノベ再販ビジネス、グループホーム
実際の不動産の価値以上にグループホームなどで利回りを上げる、そのようなやり方がありますね。ただ、ずぶの素人が取り組めるものではないですし、だいたいにおいてオペレーションを委ねるので買主が不利になる、そのような投資になります。
さて、今回はリノベ再販ビジネスとして典型的なお話を紹介いたします。人に聞く、相談してみるというのは大事なことですね。
リノベ再販ビジネス、グループホームで償却を取る
たぱぞう様
4年ほど前からブログを拝見しております。私が以前の職場を辞めるかどうか大変迷っていた時期で、ブログに書かれていた仕事や人生に対する考え方、「人生二度なし」という言葉に大変救われました。ずっと御礼をお伝えしなければと思っていました、本当にありがとうございました。
またこの度は恐縮ですが不動産に関するご意見を伺いたく連絡させていただきました。
増え続ける税金と社会保険料に対し、なんらかの節税をしなければと長らく感じてはいたのですが、せいぜいふるさと納税をする程度でした。(節税とは言えないですね)
不動産について興味をもっていたこともあり、友人などに話を聞いたりしていたところで、グループホームの物件による減価償却をとっていくスキームを提案されています。
御多忙のところ大変恐縮なのですが相談できる方もおらず、たぱぞう様に率直なご意見を伺いたく存じます。
大まかな数字を記載させていただきます。先10年間の具体的なシミュレーションも渡されているので、もしよろしければお送りさせていただきます。
担当者とはまだ面談を一度しただけなので価格や金利条件などは交渉の余地ありと思います。
【私の状況】
私:45歳 医師
妻:45歳 主婦
子供:13歳、8歳
年収:2000万円
資産:預金1600万円、投資信託 3000万円、個別株1000万円
負債:住宅ローン 5500万円 (変動金利0.475%)
【物件】
場所:関東地方郊外
価格:4500万円(建物価格2700万円、土地1800万円)
購入時諸費用:272万円
木造築22年 戸建て
想定家賃収入:360万円/年
利回り:表面利回り 8.0%、ネット利回り 1.25%
借入条件:
① 地方Y銀行 自己資金272万円、借入額4500万円、金利2.0%、期間20年
② 地方K銀行 自己資金607万円、借入額 4500万円、金利2.2%、ローン期間28年
【想定税還付額】800~900万円/4年
不動産投資に興味はあったものの、このタイミングで不動産投資に参入することにリスクを感じていた一方で、節税のみを考えたときに4年での減価償却が計算できることは大きいと感じています。
ただ5年以降はそもそもの利回りが大変低く、グループホームという一般的な不動産とは異なるため、出口戦略についてよくよく考えないといけないと思っています。やるのであれば具体的には償却が終わり、5年以降のところで売却が適切かと考えていました。
これまでブログを拝見しながら、たぱぞう様に実際にご相談してよいものなのか大変迷っていたのですが、これまでのお礼かたがたご相談させていただきました。この案件についてご意見を伺えたら幸いです。
土地建物に価値は無し、出口なき投資
築年22年の戸建てににこのような価値は無いことが一般的です。もう少し言うと、郊外の土地値1800万の戸建てで、建物価値がこれだけ維持されていることは稀です。
築古戸建てを仕入れ、グループホームとして利回りを上げて再販する、リノベビジネスの1つですね。
DIYも含めたオペレーションを自分でやれば経営的に回るケースもありますが、丸投げだと投資の生殺与奪を先方にそのまま渡すことになります。
グループホームの運営に知悉しているならばあるいは、というところですが基本は手出し無用です。
一般的な不動産と違うというのはおそらくセールストークでしょう。一般的な不動産として見られると値付けがおかしいためそのような文言で飾るのですね。
海外不動産、ワンルームマンション投資、いろいろありますが本来の価値以上の価格で売ろうとするものは、何らかの付加価値があるかのように思わせて買わせるのが一般的です。リノベ再販は玉石混交、というよりも石が大変多いのも事実です。
また、償却に絡む節税などは訴求しやすいロジックの1つです。銀行さんが本当に融資するかどうかはともかく、貸すほうも貸すほうですね。完全に質問者さんの属性、年収で評価しています。
くれぐれもご無理なさらずです。お医者さんは、たしかに年収をどのようにするか、という命題で多く悩まれていますね。あとはメールをした通りです。資産は、守りながら育てるのが大事ですね。高スキルな方が、慣れないグループホームに手を染める必要はありませんね。
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