おすすめの米国株インデックス投資は以前と変わらず
弊ブログではおすすめのインデックス投資は何か、と聞かれたときには以下の2つの投資信託を上げてきました。
- eMaxis Slim米国株式
- 楽天・全米株式インデックスファンド
この2つは、順調に運用資金も伸びています。2つとも十分な運用資金を確保しつつあります。歴史の浅い米国株式指数連動の投資信託としては、ひとまず償還リスクのようなものは去ったと考えてよいでしょう。
割安な銘柄も目立ち始めた日本株、つまり安値に置かれる日本株式とは違い、米国株は相変わらず好調です。しかし、同時に課題の見える時期でもあるので、振り返っておきたいと思います。
ガラリと変わった米国株式市場の空気
2018年にはたびたび「そろそろ調整を意識したほうが良いかもしれない」ということを書いてきました。しかし、みなさんお気づきかもしれませんが2019年にはそういう記事を一切書いていません。
理由は、2019年年明けからのFRBの姿勢の変化です。トランプ大統領の露骨な口先介入の効果もあり、明らかに姿勢が変化しました。かつてこれだけ株式市場に、そして中央銀行に口先介入した大統領はいませんね。
そして、その中央銀行も7月末にはとうとう利下げに踏み切るということになりました。予防的とはいえ、過去最高値水準の株価、雇用実態で利下げというのはあまりないことですね。
また、2019年に入ってますますヒートアップする米中貿易摩擦にも関わらず、企業業績は保守的だった予想よりは堅調です。また、相変わらず米国内の指標も悪くありません。もし、多少でも悪い兆候が見えたら、どんな手を使ってでも市場を支えるのだろう。そういう姿勢がトランプ大統領からは伝わってきます。
2018年の調整は、企業業績の不安定さを原因とするものではなく、多分に政治的な要素が強かったですね。その懸念が薄くなった今は、あまり大きな警戒をしていないというのが個人的な見解です。
好調の続く米国株式指数
S&P500は史上最高値圏にあり、トランプ大統領には賛否がありますが、株安にはしないという強い意志のようなものが感じられます。
2015年から2016年のチャイナショックが小さく見えるほど、近年のボラティリティが上昇しているのは一目で分かります。それでも、概ね右肩上がりは維持されており、好調な相場と言って良いでしょう。
米ドルで資産を計算している人は、まさにわが世の春を謳歌しているのではないでしょうか。特に、VISAやMaster、あるいはMicrosoftなどの機関投資家の資金が集中する好業績企業のホルダーは、自分の銘柄選定眼を信じて良かったというところでしょう。
為替リスクの変動を受ける円建ての米国株投資信託
これに対して、実は先に上げた投資信託は米ドル建ての指数ほどの上昇はしていません。
こちらは楽天VTIの設定来チャートです。設定来で見ると10%ほどの上昇をしているのですが、直近では為替の影響もあり、チャート上は殆ど横ばいのような印象を受けます。
楽天証券における積み立て設定ランキングは1位、値上がり率ランキングは236位ということでいささか人気と値上がり率に乖離が見られますね。
続いてeMaxis Slim米国株式の設定来チャートを見てみましょう。
こちらは設定後に2018年末の調整があったため、大きな谷間を形成しています。ようやくプラス圏に戻りましたが、8月の調整とやはり為替の影響を受けているチャートになっていますね。
私も含めた、海外投資ブロガーの推薦を受けることの多い両投資信託ですが、直近のリターンはこのような推移になっているということです。
海外インデックス投資とはこういうもの
改めて書いておきたいのは、「海外インデックス投資」というものはこういうものだということです。まず、通貨の上下の影響を受けること、驚くようなリターンが常にあるわけではないということです。
国内市場が活況であれば、為替リスクを避けて国内株指数への投資を厚めにするという手もありますが、ご存知の通りあまり期待できない状況が続いています。ここに、国内投資家のジレンマがありますね。海外に目を向けざるをえないのです。米国在住の投資家の何割かが、国外に全く目を向けないのとは事情が違います。
成績は殆ど横ばいながらも、両投資信託への資金流入は安定的です。そう考えると、新たにiDeCoやつみたてNISAを始める人たちを始め、両投資信託を買う人たちはある程度こうしたことを織り込んでいるのかもしれませんね。
インデックスは、ある程度の入金力と継続力が必要な投資です。この状況を「こういうもの」として我慢するか、それともやはりサテライトで個別株を入れてリターンを求めるか。ここは特に初心者投資家さんにとっては非常に悩ましいところであり、逆に言うと投資の面白いところでもあります。
こうした経験を経て、自分のスタイルが出来上がってくるのでしょうね。
ともにがんばりましょうね。
関連記事です。
たびたび書いていますが、為替リスクはやはりそれなりです。
同じベンチマークを用いる、両ファンドの比較です。
投資信託の出口についてです。分配金の出ないものは、取り崩していくという発想になります。