たぱぞうの米国株投資

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【2866】東証版PFFD、グローバルX 米国優先証券ETFの分配金利回り

【2866】東証版PFFDの仕組みと特徴

 2022年9月に米国の優先株に投資するETF、ティッカー【PFFD】の東証版が上場しました。「グローバルX 米国優先証券 ETF」、銘柄コードは【2866】です。

 

 ここでいう優先証券は、株主の議決権をなくし、債務や配当に対する優先権を与えるものです。「普通株」に比べて配当金を割増で受けられたり、会社が解散したときに残った財産を優先的に受け取れるなどの特徴があります。

 

 投資家にとって権利内容が優先的になっている株式のことをいいます。日本の株式市場ではマイナーな優先株ですが、海外市場では珍しくありません。

 

【2866】の特徴の一つが毎月分配です。
2022年11月から分配を出すようになり、分配履歴が追えるようになりましたので、【PFFD】と比較しながら考察してみましょう。

グローバルX 米国優先証券 ETF、銘柄コード【2866】の特徴とは

 【2866】は【PFFD】に投資するETFです。毎月分配で、年換算の分配利回りが約6.5%という高分配利回りなETFだということです。経費率は0.23%です。

PFFDの高利回りな分配金

PFFDの高利回りな分配金

出典:Global X website

 分配は極めて毎月安定的と言える水準で数字の変化がほとんどありません。毎月安定的に分配を得たいという方にはストレスが少ないかもしれません。

 

 2022年からの円安で、円換算するとそれなりにうまみが出てきていると感じる方もいらっしゃるでしょう。

グローバルX 米国優先証券 ETF、銘柄コード【2866】の信託報酬や分配金

 前述したとおり【2866】は【PFFD】に投資する円建てのETFです。信託報酬率は税込で0.2575%程度です。


 【PFFD】の経費率が0.23%ですから、本家とそん色ない水準に収まっています。円で取引できることを考慮すると、為替のコストを考慮すればむしろ【PFFD】よりリーズナブルな場合もありそうです。


毎月分配という性格も本家と同様です。【2866】は毎月10日が分配金支払基準日です。
2022年11月10日から毎月10日を基準日として分配を出しています。

 

 初回の11月は800円、その後は400円です。9月に上場していますから、初回の11月は2回分分配を出したということかもしれません。なお、この数字は100口あたりです。


 取引は1口からできますので、1口のホルダーであれば、100で割った数字を分配されます。

PFFDの東証上場ETF【2866】の分配金推移

PFFDの東証上場ETF【2866】の分配金推移

出典: Global X website

【PFFD】のように安定的な分配を【2866】が行うものとして、仮に100口あたり毎月400円だと仮定した場合の年換算分配利回りは、1口当たり48円÷NAVになります。NAVとは、Net Aseet Valueの略で、投資信託の純資産の総額を指し、投資信託のバランスシートの資産から負債を差し引いたものです。


 NAVは950円程度で推移していますので、年換算分配利回りは5.05%ということになります。本家の【PFFD】よりはやや劣る水準です。

円建てならではの強みもある

 分配金目当てならば【PFFD】の方がいいように感じる方もいらっしゃるでしょう。
確かに分配の水準は本家より見劣りしますが、円建てETFならではのアドバンテージもあると考えます。

 

 理由をいくつか挙げます。

 

 まず、東証が公表している資料によれば、分配金は外国税の二重課税調整の対象です。例えば【PFFD】から受け取った分配金に対する外国税も確定申告をすれば還付を受けられますが、【2866】はその手続きがそもそも不要です。

 

 一部の証券会社ではそれほど大きくない額であれば、日本株を手数料無料で取引することができます。【2866】は取引手数料においても本家よりアドバンテージがあります。

 

 【PFFD】の足元の取引値は20ドル前後ですので、1口あたり円換算で2700円ですが、【2866】は1000円程度ですので、より気軽に米国の優先株式投資ができます。外国株式口座が不要であるのも、取引しやすいところでしょう。

 

 取引も分配受け取りも円であれば、為替差損を意識する必要がありません。これは人によっては【PFFD】よりもアドバンテージになるでしょう。

足元の流動性もまずまずの水準

 これまでもいくつか当ブログで東証上場ETFを紹介してきました。S&P500や全世界株式指数に連動した商品があり、円で海外資産を取引できるいい商品が多くなりました。一つ欠点があるとすると、流動性に劣る銘柄が少なくないことでしょうか。 

 

【2866】の上場後の出来高は少ないと3,000口程度、多いと4万口程度です。東証スタンダード市場やグロース市場上場銘柄の多くに比べると決して少ない水準ではありません。1口で取引できるETFとしては許容できる範囲だと思います。

 

 米国株で安定的に分配を得たいけど、通貨は円がいいという方には一つの選択肢になるでしょう。

 

SBI証券松井証券楽天証券マネックス証券等が取り扱っています。

 

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こちらはおおもとになる2866の紹介記事です。

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