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グローバルX米国優先証券ETF【2866】は高分配ETFの【PFFD】東証上場バージョン

グローバルX米国優先証券ETF【2866】はPFFDの東証上場バージョン

「優先証券」という言葉は耳慣れないかもしれません。

 普段我々が取引しているものは、株主の権利について何ら制限のない「普通株」というものです。


 これに対し、株主の権利内容について特別な条件をつけた株式もあり、その代表的なものに「優先株」があります。

 

 「優先株」は、株主の議決権をなくし、債務や配当に対する優先権を与えるものです。

 

 「普通株」に比べて配当金を割増で受けられたり、会社が解散したときに残った財産を優先的に受け取れるなど、投資家にとって権利内容が優先的になっている株式のことをいいます。日本の株式市場ではマイナーな優先株ですが、海外市場では珍しくありません。

 

 経営陣には、株式の発行によって資金を調達したいという思いがあるでしょう。しかし、普通株の場合、会社の株式を大量に保有している大株主であれば、会社の経営方針に影響を与えることも可能です。

 

 この点、優先株であれば、経営陣側は資金調達をしながらも、株主の経営に対する影響を抑えることができます。投資家にとっても、議決権よりも配当重視であれば、魅力的な投資方法になります。これが企業が「優先株」を発行する理由です。

 

 米国ETFにはこの優先株を多く組み入れたETFがあります。


 その代表的なものの一つがグローバル X 米国優先証券ETF【PFFD】です。【PFFD】の東証版が上場しました。


 正式名称は「グローバルX 米国優先証券 ETF」、銘柄コードは【2866】です。以下【2866】と呼びます。

グローバルX米国優先証券ETF【2866】の元になる【PFFD】の分配金経費率

 【2866】を知る前に【PFFD】をレビューします。何故なら【2866】は【PFFD】に投資するETFだからです。


 ひとことで言えば毎月分配で、年換算の分配利回りが約6.5%という高分配利回りなETFだということです。


 経費率は0.23%です。


 同様の米国ETFにiシェアーズ優先株式&インカム証券ETF【PFF】があります。


 【PFF】の経費率は0.46%ですので、【PFFD】の方が経費率が低いというアドバンテージがあります。

PFFDの特徴はこうなっている

PFFDの特徴はこうなっている

出典: Global X website

 分配は極めて安定的と言える水準で数字の変化がほとんどありません。毎月安定的に分配を得たいという方には逆にストレスが少ないかもしれません。


 もっとも足元の円安で、これらの分配の意義は円建てではポジティブかもしれませんね。

PFFDの分配金推移

PFFDの分配金推移

出典: Global X website

 取引値の推移です。2022年に入ってからは軟調です。


 裏を返せば、安定的な分配を1年前よりずいぶん安い水準で得ることができるのが足元の【PFFD】が置かれた状況とも言えそうです。妙味ある水準に差し掛かっています。

PFFDの取引値推移とチャート

PFFDの取引値推移とチャート

出典: US版 Yahoo Finance

グローバルX米国優先証券ETF【2866】の信託報酬、分配金など

 【PFFD】を大まかに理解したところで、その【PFFD】に投資する【2866】の横顔を確認します。


 前述したとおり【2866】は【PFFD】に投資する円建てのETFです。

 信託報酬は税込で0.2575%程度です。


 【PFFD】の経費率が0.23%ですから、本家とそん色ない水準に収まっています。円で取引できることを考慮すると、為替のコストを考慮すればむしろ【PFFD】よりリーズナブルな場合もありそうです。

 

 毎月分配という性格も本家と同様です。【2866】は毎月10日が分配金支払基準日です。2022年9月30日に上場しましたが、初回に関しては2022年11月10日を決算日とするので、まだ分配は実施されていません。

 
 また、東証が公表している資料によれば、分配金は外国税額控除の対象になる見込みです。


 本家と同様の分配を受けられるのだとしたら、本家よりアドバンテージになりそうな特徴ですね。確定申告なしに外国税額分を受け取ることが可能になります。


 日本の普通株は原則100株単位の取引になりますが、ETFはそのルールがなく、1口単位の取引のものが少なくありません。【2866】も1口単位で取引できます。小額でちょっと試す、ということを円で気軽にできますね。


 一部の証券会社ではそれほど大きくない額であれば、日本株を手数料無料で取引することができます。【2866】も同様の扱いの対象となれば、取引手数料においても本家よりアドバンテージがあります。


 2022年11月現在のプライスは1,000円前後です。1口から取引できますのでお小遣い感覚投資が可能です。

かつての課題は流動性だったが、グローバルX米国優先証券ETF【2866】はまずまず

 東証上場ETFには、S&P500や全世界株式指数に連動した商品があり、円で海外資産を取引できるいい商品が多くなりました。一つ欠点があるとすると、流動性に劣る銘柄が少なくないことでしょうか。投資家のすそ野がまだ広くないのでしょう。

 

【2866】上場後の出来高は少ないと4,000口程度、多いと4万口程度です。1口単位で取引できるETFとしては許容できる水準でしょう。

 

 米国株で安定的に分配を得たいけど、通貨は円がいいという方には選択肢が一つ増えたETFだと思います。

 ちなみにこのETFはSBI証券楽天証券マネックス証券等が取り扱っています。

 

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