配当金を得るという明確な目標がある投資
高配当投資が昨今は人気です。昔からありましたが、ネットではこの2,3年で急激に人気化したように思います。やはり、比較的安定したインカムが魅力なのでしょう。大きく配当金を積み上げた人はそれでセミリタイアをしていますから、やはり訴求力はかなりのものです。
しかし、一方で高配当銘柄は石油関連株なども多いため、ボラの大きい市場のリスクも同時に伝えてくれてますね。個別株リスクのない、分散性のあるETFがそういう意味では安心です。しかし、そうなると利回りを下げなくてはいけない、そういうジレンマは確かにありますね。個別株の5%超の配当金はETFではそうそう出せません。
資産形成をしていきたいのか、それとも高配当株で収入を補いたいのか。二律背反ではないですが、自分がどのような目的で投資をするのかという根本が大事に思います。
さて、今回は目的が配当金を得るという明確な目標がある方からのご質問を頂戴しています。
月5万円の配当金を得るためにどのようなことをすればよいのか
いつも楽しくブログを読ませていただいています。恥ずかしながら相談される方々のような積立金額を自分には準備できないので、質問するのをはばかっていましたが、無理を承知で相談させて下さい。また、回答にあたり他に必要な情報があれば、可能な限りお出しします。
できるだけ詳しく書いたつもりなので、かなりの長文になってしまいましたが、よろしくお願いします。
アドバイスをいただきたいこと
・今後、積立金額が減ってしまう中でどのように積み立てを行なうのが効果的か
(せっかくなので、他にも気になったことがあればアドバイス下さい)
目標
・公的年金(果たしてもらえるのか?)や退職金には手をつけずに、退職後(65歳以降)に株式配当で月5万円以上を受け取りたい
→原資はそれまでに積立購入してきた海外株式・楽天VTI、住宅ローン返済積立金の運用益、変額個人年金を想定
現在の状況
- 40才の会社員(非管理職)
- 家族構成 妻(専業主婦) 、娘の3人暮らし
- 年収 700万円
- 住居 都内戸建て、住宅ローン返済中(繰り上げ返済しなければ完済は71歳時点)
保有金融資産
- トータル約1700万円
- 貯金 約760万円(うち娘の教育資金 約60万円)
- 投資資金のプール 約370万円(うちドルで8700ドル保有) →200万円は妻に運用の必要性を説いて確保、90万円は住宅ローン返済用でVOOでの運用を予定
- 米国株式 約 300万円
- 楽天VTI 15万円
- 金 105万円(現物 約100万円分、証券会社預かり 約5万円分)
- DC 130万円(日本国債 100万円、海外株式 30万円 )
負債
- 約4000万円(全て住宅ローン、繰り上げ返済なしだと完済時の年齢は71歳)
現在の株式用の積立状況
- 住宅ローン返済積立した 33万円/年(ボーナス時に16.5万円×2)
※65歳時点での住宅ローン残高÷それまでの支払い年数で設定
(運用益ゼロの場合は住宅ローン残高とイコールになる)
→二番底後にVOOを購入し、以後はボーナスごとに積み立て予定。これに追加して年末調整分からも20万円ほど積み増しを予定(あと5年分の積み増し可)
- 確定申告(ふるさと納税、外国税額控除)2-3万円/年 →個別株購入
- 残業代の一部 3-4万円/月 →個別株購入
- その他積立 2500円/月 →毎年10-11月頃のブラックアウトのタイミングに、貯めた資金でVTIもしくは個別株購入
- 楽天VTI 千円/月(うち500円分はポイントを充当)
懸案事項
- これまでは残業代から毎月米国株を購入していたが、残業時間の制限(業務量は増加)がかかり、毎月の個別株購入資金は準備できなくなった
- 管理職になると、これまでの残業代ありの給与水準に戻るまでに5年ほどかかりそう(2-3年以内に管理職になりそう)
今後の株式の投資プラン
- プールしている資金で底を狙ってVTI、VOO、PG 、UL を購入する(妻に投資への理解を引き続き得られるよう、株主優待が魅力的で高配当のオリックスを100株購入予定)
- KO 、PG 、UL はそれぞれ100株以上確保し、以後は四半期ごとの配当で買い増す
- 住宅ローン返済分でVOOを、それ以外の分でVTIを粛々と購入するが、リセッション時には現金への避難/回復時の買い戻しを行なう
- VOOは65歳時点で住宅ローン返済に充て、その残りで保有銘柄の追加もしくはVYMを購入する
- 割安感が出た場合には、VTI分の一部を振り分けて購入
個別株は悪くないけれども、余裕があるならばETFがお勧め
月に5万円の配当金を得る、という目標はシンプルですね。年額60万円の配当金です。単純に60万円を利回り3%で割り戻すと、2000万円になります。
要は、2000万円分を利回り3%のものに投資をすれば得られるインカムなのですね。利回り6%ならば1000万円、利回り12%なら500万円です。そう考えると、年間インカム60万というのは達成可能な無理のない数字と言えます。
同時に%の違いで必要になる資産額が激変するわけで、築古高利回り戸建て投資が人気化するのも頷けますね。
いきなり2000万円を投資するのは時間分散の観点からリスクがあります。しかし、20年ないしは30年先の定年を見据えてコツコツと2000万円に向けて積立投資をしていくならば、その課題もクリアできます。
長期的にはETFも増配株のように分配金が成長していきます。そのため、今からVYMなどのETFを積み重ねていけば、退職時には自然に年間60万の分配金は得られているということになります。
最後に管理職になるが故の収入面での不安ですが、以下を検討しても良いでしょう。
- 貯金を取り崩す
- 共働きを検討する
- 車、携帯など固定費の節約をする
個人的にはこの時代ですから、共働きができればそれがベストと考えます。しかし、「投資をしたいから、共働きをしてくれないか」という申し出をするのは勇気がいりますね(笑)
すでに目標額に近い貯蓄や金融商品があります。これを配当金目的の商品や株に足りない額を振り分けていくというのもありでしょう。淡々と、続けて長く取り組むことが大事ですね。ご質問ありがとうございました。
追伸:ただし、個人的にはVOOなどキャピタルも狙える商品を積み立てて、取り崩しも計算に入れたほうが資産額の面から考えてもベストとは思います。高配当投資と比較の上、判断されるといいですね。
関連記事です。
住宅ローンは借り換えを含めて見直しが必須です。
収入をどのように増やすかということですね。
シンプルなNISAは取り組みやすいですね。