たぱぞうの米国株投資

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世界経済インデックスファンドと米国ETFの使い分け

世界経済インデックスファンドの仕組み

 個人投資家に大変人気のある投資信託として世界経済インデックスファンド(以下画像の引用はすべてここから)があります。これは、国内外の債券・株式を組み合わせたもので、大変評判が良いです。設定来のリターンもそこそこで、安心できるものです。

 

 この世界経済インデックスファンドはこのところの投資信託によく見られる、ファミリーファンド方式です。

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 このようなイメージで、様々なマザーファンドを買い付け、運用のリスクを分散させています。世界経済インデックスファンドを買うメリットは以下の通りです。

  1. 自動的にリバランスできる
  2. 株式と債券に分散ができる
  3. 日本、先進国、新興国に分散ができる

 この3つが大きなメリットです。いわば、一本で世界中の株式と債券を買い付けることができる夢のような商品ということになります。特に、投資に強い興味を持たず、効率的な資産運用をしたいならば魅力的な商品ということになります。

世界経済インデックスファンドの組み入れ比率

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 組み入れ比率はこのようになっています。国内株に偏らず、多くの国に分散投資されていることが分かります。国内株、債券の比率が10%しかありません。これは、非常に良いことだと考えます。

 

 日本に住んでいて、日本で給料を得るということは、かなりの部分に日本に投資していることになるからです。

 

 せっかくのグローバルファンドなのに日本株式・債券への投資額が大きいものを見ます。日本に住んでいると、日本株式・債券は他のファンドやETFで買付しやすいですし、比率は低くて良いと私は思っています。

資産 インデックス
1 国内債券 NOMURA-BPI 総合
2 先進国債券 シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)
3 新興国債券 JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド(円換算ベース)
4 国内株式 TOPIX(東証株価指数)
5 先進国株式 MSCI コクサイ・インデックス(円ベース)
6 新興国株式 MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)

 それぞれのインデックスです。ここは意見の分かれるところです。株式系を中心に見てみます。

 

国内株式:TOPIX(東証株価指数)

 私は数字としては日経平均よりもTOPIX(東証株価指数)のほうが好みです。日経平均が恣意的に抽出された銘柄群なのに対し、TOPIX(東証株価指数)が全銘柄を対象にしたものだからです。

 

 米国ETFで言うならば、同じように恣意的なダウ平均のDIAと上場株すべてをカバーするVTIとの違いに近いですね。

 

先進国株式:MSCI コクサイ・インデックス

 MSCI コクサイ・インデックス、これは投資信託の殆どが採用しているインデックスです。北米一本のインデックスに比べてパフォーマンスが大きく劣ることは知っておいてよいでしょう。

 

 原因は、ヨーロッパなど成長が鈍化している先進国にも投資をしているからです。米国ETFですと、TOKが当てはまります。TOKは北米系のETF、VTIやDIA,SPYなど、どれをとっても大きく劣後しています。

 

 ただし、逆に米国が大きく沈めば他地域に分散しているので強みが出るのかもしれません。とは言え、リーマンショック時には震源地である米国より、ヨーロッパや日本のほうがマイナス幅が大きかったのは覚えておきたいことです。

新興国株式:MSCI エマージング・マーケット・インデックス

 これはETFだとEEMが当てはまります。このインデックス名だけ聞くと新興国に投資をしているのかと思います。しかし、このMSCI エマージング・マーケット・インデックス組み入れ比率1位は韓国のサムスンです。

 

 韓国は日本以上に将来的に高齢化社会を迎え、内需規模も小さい、投資上では難しい国です。

 

 新興国と言っても全ての国が有望なわけではありません。どの国が有望なのかはこちらの記事を見ていただければと思います。新興国投資は、ピクテのように人口増加にフォーカスしないと旨味が薄れます。

世界経済インデックスファンドの分配金込のリターン

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 世界経済インデックスファンドの分配金込のリターンは青い折れ線グラフです。およそ2倍のリターン実績を上げていることが分かります。このところの米国株の好調を受けて、運用額も急増しています。個人投資家の間でも急激にグローバル投資の重要性が浸透してきていることが伺えます。

 

 信託報酬は0.5%です。ギリギリ許容のレベルと言ってよいでしょう。ただし、ロボアドバイザーもそうですが、手間を考えると割安です。

 

 一部の投資好きな人を除けば、この0.5%の手間賃でリバランスも含めたバランスファンドを組んでくれるのは良心的です。

 

 こうしたことを踏まえて、ご質問を紹介します。

世界経済インデックスファンドと米国ETF 

たばぞう様

 いつもブログの方拝読させていただいます。資産運用に関して相談させて頂きたく、連絡させて頂きました。

 

 最近投資に興味を持ち始めた私は、自分なりに調べて毎月5万円程世界経済インデックスファンドに積立をしています。しかし、貯金と比べた投資額は全体の5~10%で、この比率をこれから上げていきたいと思いました。

 

 リスクを大きくするのは少し怖いので、インカムゲインを主な狙いでたばぞう様のおすすめしていたVTI、VYMをそれぞれ100万円程度ずつ購入しようと思っています。しかし、それと世界経済IFを加えても、まだ投資資金には余裕があります。

 

 また、今後さらに追加で毎月40万円程投資に回す事が可能です。この残った資金の投資先に悩んでいて

  1. 既存の物をひたすら買い足して行く
  2. 別の物に手を出す

のどちらが良いのでしょうか。

 

 リスク分散という意味では、こういった既に幅広く投資してくれている銘柄でも、種類を増やして行った方が良いのでしょうか?

 

 また、非常に恐縮ですがその場合「こういった傾向の株(投信)を買うと良い」といったようなアドバイスを頂けたら嬉しいです。突然大変長文のメールを失礼致しました。
大変悩んでいて、周りに相談出来る人もいないため、回答頂けると嬉しいです。

 

PS:ブログの更新いつも楽しみにしています!

日向

 ここまでです。日向さん、ご質問ありがとうございます。以下のに私見を述べたいと思います。これは、私だったらどうするかということですので、あまりここで述べる内容に縛られず、多様な考えの1つぐらいにとらえていただけると嬉しいです。

追加投資の考え方

 ここでの追加投資の考え方です。

  1. 投資に興味があり、十分な検討する時間もある
  2. 投資に興味はさほどない

 すでに金融商品を購入されていますから、興味が全くないということはないですね。もし、1のケースならば、VTIやVYMといった個別のパフォーマンスの高いETFを追加投資すると良いでしょう。さらに個別株を食指を伸ばすということになると、投資が趣味化します。

 

 ただし、ここで問題になってくるのはこれらは手動で分配金を再投資しなくてはいけないということです。また、BNDやAGGなどの債券も組み込むならば、自分でリバランスをするということになります。この手間をどう考えるかということです。

 

 2の「投資に興味はさほどない」ということならば評判の良い世界経済インデックスファンドの積み立て額を増すという手があります。これは前述の通り、株式インデックスにちょっとした課題を抱えつつも、やはり分散が効いており、比較的安全です。

 

 特に新しい商品を組み込む理由は見当たりません。ご自分が検討を重ねて購入に至った今までの商品が十分に素晴らしいですから、自分を信じてこの路線で行くというのが一つの解だと思います。

 

 ただし、相場の上下動はつきものです。ですから、暴落の可能性を頭に置きつつ、撤退しないこと、愚直に積み立てること、これを忘れずに相場に向き合うのがよいというのが一応の結論になります。

 

関連記事です。

VTIとVYMとBNDを使った、自己流バランスファンドです。

www.americakabu.com

 投資信託は基本的にはETFに劣りますが、積み立てを自動で行うならば投信という選択になります。

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投信とETFの特徴を踏まえ、自分に合った選択をするということですね。

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