たぱぞうの米国株投資

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iTrust新興国株式という労働人口に着目した投信が面白い

iTrust新興国株式:愛称:働きざかり〜労働人口増加国限定〜の持つ意味

 ピクテ投信投資顧問から、労働人口増加国に限定した新興国投信が販売されました。あまり投信に触れてこなかった「たぱぞうの米国株投資」ですが、この投信は発想に共感するのでここに紹介したいと思います。

 

 最初に共感する根拠に少し触れさせてください。

 

 まず労働人口とは、生産年齢人口と意味は似ています。国によりますが、一般的には15歳以上から64歳までの勤労可能な人口のことを言います。この人口が多いと国は人口ボーナスを享受し、大きく経済成長すると言われています。

 

 なぜかというと、年少者は小児医療費や教育費などで出費がかさみます。年長者はやはり医療費、介護費、年金等で出費がかさみます。これらの出費をひっくるめて社会保障費というわけですが、社会保障費が増大すると国家予算を圧迫します。

 

 そのため、経済成長に必要な投資が滞りがちになり、国の経済が停滞しがちです。日本ではまさに労働人口の減少期を迎えており、すでに社会保障費が増大の一途をたどっています。

 

 私たち現役世代は子育てや介護にかなりの出費が必要になるわけですが、それは個人レベルだけではなく国家レベルでもそうだということです。

 

 逆に、労働人口が増えると、少ない社会保障費で経済成長に必要な投資や消費が増大しますから、大きく経済成長します。これがいわゆる人口ボーナスのからくりです。

 

 よく、戦後日本の高度経済成長は奇跡であるという言われ方をします。その当時の人たちのがんばりはもちろんですが、こういう社会的な背景があったことを抜きにしては語れません。

 

 ですから、昔の人は優れていた、昔の日本人はすごかった、こういう単純な話だけではないということです。それは、これから人口ボーナス期を迎える国々の経済成長がそれを証明するでしょう。

 

 日本人は世界的に見ても確かに勤勉でまじめですが、選民的な発想で胡坐をかくと向上しなくなるということです。

 

 日本政府はこの労働人口の減少に大変な危機感を持っています。そのため、定年を伸ばしたり、年金支給を遅らせたりして収入増と支出減を図っているわけです。

 

 こうしないと、老齢国家の宿命である社会保障費によって経済停滞を招くという結果が見えているからです。

 

 中にはイノベーションが人口減による経済停滞を解決するという意見があります。しかし、21世紀に入って日本発で生まれたイノベーションがいくつあったでしょうか。そして、世界に通用するような企業がいくつ生まれたでしょうか。

 

 あるいは、生産性を上げることによって、経済停滞を解決できるという意見があります。しかし、私たちが属する組織はそんなに生産性が高いでしょうか。むしろ、年を重ねるごとにムリ・ムダ・ムラが増えていないでしょうか。

 

 かつてなかった細かな仕事は年々増えている、そんな組織が多いように見受けられます。私はこういう状況に危機感を抱いています。

 

 さて気を取り直して、こういった見方をもとにiTrust新興国株式をご紹介します。

iTrust新興国株式の言うところの労働人口増加国とは

 さて、ピクテ投信のページに大変よくできた図があります。引用します。

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 つまり、こういうことです。新興国だからと言って、どこでも成長するわけではありません。中国は元が大きいので強みがあり、ロシアは資源国という強みがありますが、韓国、台湾はなかなか厳しい状況です。

 

 それに対して、インドネシア、インド、マレーシアなどは今後の大きな成長が見込まれています。特に2億5000万人を抱えるインドネシアと13億人を抱えるインドはすでに人口大国ですから、今後も大きな市場が期待できます。

 

 このiTrust新興国株式は赤い部分、労働人口の拡大が予想される国に投資をするということです。

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 アフリカ大陸自体が有望なラストフロンティアになりつつあります。その中でも南アフリカはすでに有力企業がいくつかあることから、有望視されています。

群を抜く南アフリカとインドの労働人口推移

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 南アフリカとインド、それからブラジルが大変に有望であることが分かります。ただし、やはり法整備の面で気になります。そのため、その国単体に投資するのはいささかの思い切りが必要になります。

 

 一企業ならもっとでしょう。私はかつてインド株やインドネシア株をやっていましたので多少の経験がありますが、ボラティリティはやはり高いです。そして、国際情勢が不安定になったり、米国長期金利が上昇するとすぐに資金が引き上げられます。

 

 つまり、株価が下がります。そういう意味では投資先を分散させるというのは、リスク分散につながるのでより買いやすいでしょう。

 

 現時点では信託報酬が年率1.125%(税抜)と高めなのが難点です。購入はSBI証券、マネックス証券、楽天証券などから可能です。

 

関連記事です。SBI証券で口座開設をするメリットについてです。

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 毎月分配型投信の考え方です。米国債券系ETFならば毎月分配がスタンダードです。私もPFFで毎月分配を受けています。ただし、投信の毎月分配は金融庁お墨付きの「避けるべき商品」です。

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 私が買った時期が円安でしたので、さっそく利益を出しているウェルスナビです。基本的にこれは長期運用向けのロボアドバイザーですね。

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