人生のゴールは誰も教えてくれず、与えられもしない
リーマンショック以後、資産増大局面が続きます。2010年代以後、ガラリと変わった世界と言って良いでしょう。相場が良いため、仕事に縛られず、FIREを選択する人も少なくありません。
手厚いサービスが溢れる日本において、よりよく生きるとはどういうことになるのでしょうか。ある意味ではサービスを提供する側から、いかに早くサービスを提供される側に回るかということかもしれません。
また、勤め人の最終ゴールはどこにあるのでしょうか。実は「1億円を貯める」というのが1つのゴールなのではないかと最近思います。1億円あれば、住居と地域を選ばなければ、多くの人が生きていけるからです。
また、1億円あれば投資の幅も広がり、法人化なども見えてくるでしょう。過去30年、S&P500の平均リターンは10%で回ってきました。円建てだとさらに増大します。1億円に対する金融資産のリターンを上回る年収の人は多くありません。
人によっては2億がゴールという人もいるでしょう。あるいは、組織において上り詰めるというのもゴールになりうるでしょう。何でもよいのです。大事なのは、自問自答して自分のゴールを意識した生き方をしたいということですね。
ゴールは学校や職場はもちろん、誰も教えてくれない、ましてや与えてくれないものです。自分自身で探す、あるいは設定するものなのですね。
人生二度なしとはそういうことです。
さて、今日は職場環境が厳しいため、FIREを検討しているという方からの相談です。
FIREを勤め人としてのゴールとして精神的自由を得たい
たぱぞう様 こんにちは。初めまして。
いつもブログやYoutubeなどの発信を参考にさせていただいております。 今回FIREと資産運用について相談をさせていただきたいと思いメールにてご連絡をさせていただきました。
私のプロフィール
- 41歳 男性 独身(現時点で結婚の予定なし)
- 年収 正社員 400万
- 昨年の生活費 300万
- 持ち家あり(ローン無し)
- その他負債無し 両親とも他界しており介護の予定はなし
- 現在の金融資産
投資信託
S&P500,NASDAQ 1100万
TQQQ 100万
TLT 2000万
ドル建社債 600万
国内個別株 850万
現金 1000万
保険 1100万(解約一時払いの合計)
・現在の投資状況と考えについて
もともとS&P500、NASDAQを中心に投資をしておりましたが、TLT及びドル建て社債を中心に買い進め現状、ドル建て債券が中心のアセットアロケーションになっています。
NISAに関しては手持ち現金で買い進めており、投資内容はS&P500とNASDAQの投資信託のみとなっています。
TLT及びドル建て社債に関しては米国利下げが進むまでは配当をもらいながら維持し、ある程度の(為替状況も含め15%-20%程度)キャピタルが取れた段階で売却をしながらS&P500かNASDAQの投資信託へ移行しようと考えております。
最終的なアセットアロケーションとしては米株系投資信託・ETFに6割、日本株に1割、ドル建て債券・ETFに2割、現金に1割程度へ移行したいと考えています。
また、保険に関しても解約を行い投資信託へ移行していく想定をしています。
・私の現状について
現在、フルタイムで勤務していますが、メンタルを崩しており、フルFIREもしくはアルバイトなどの非正規雇用で月5-10万円程度の収入を確保しながらのサイドFIREで生活をしていくことを検討しています。
いろいろなサイトでシミュレーションを行いましたがフルFIREを想定した場合、今後のインフレ率次第ではインフレに負けてしまうのではないかと危惧しています。
もちろんサイドFIREとして月10万程度の収入を得るか、生活費を現在の半分程度まで落とせばそれほど心配することはないのかもしれませんが、現職の退職によりどの程度メンタルが持ち直すのかも含めてどう動いていくべきかを考えております。
不動産などのハードアセットには現在投資をしておりませんが、どういったものなのか勉強はしています。 ただ、正社員を退職した場合、融資を引くことが困難になることが想像できますので現状投資を行うのは難しいのではないかと考えております。
ふわっとしたご相談で申し訳ないのですが考えられる道としてどのようなものがあるかアドバイスをいただければありがたく存じます。 それではどうぞよろしくお願いいたします。
サービスを提供する側から提供される側に回るということ
メンタルを崩されているのですね。仕事の要求水準が過度に高く、その割に収入面で課題がある、そういう職場は珍しくありません。
仕事に追われると忘れがちですが、人生における仕事の価値は実はそこまで高くありません。
自らが身罷る間際に、やり残した仕事を思い出す人が何人いるでしょうか。ほとんどいないはずです。多くの人が思い出すのは家族や友人、あるいは過ぎ去った日々ではないでしょうか。
人生という限られた時間において仕事は大事なアクセントになりえます。逆説的に言えば、アクセントに過ぎない、実は本質ではないのです。このことを知っておきたいですね。
話を戻します。
現状ですでに6750万円ありますね。全く仕事をしないわけではなく、5-10万円稼ぐ、という意思がおありです。
ただし、ご年収からするとハードアセットを融資で買うのは難しいでしょう。DIY主体の築古戸建て、区分投資は可能です。しかし、これは労働資本を投下する必要があり、向き不向きがはっきりあります。
仰るように、FIREは資産と収入だけでなく支出が大きな要素になります。つまり、固定費をどのようにコントロールするかが成否を分けます。まず、FIREを意識して固定費を削ってみることですね。資産額はすでに独身であれば十分な額があります。住まいがあるのは大きいですよ。
インフレは確かに気になるところですが、資産がそれだけあればキャッチアップは十分可能でしょう。つまり、資産も増大するということです。ただし、増大幅を上回る支出は避けたいところです。
住む場所を郊外にする、食事を自炊する、などいろいろな方法があります。車を持たない、などもそうでしょう。
仕事をして生活水準を維持するか、それともFIREを主目的として支出を削るかですね。
私の友人でもこの数年でFIREを選ぶ人が増えてきました。異口同音に決断してよかったと言っていますね。
FIREまであと少し、生活のデザインを改めてされるとよいですよ。投資先の殆どは間違いない、知識もおありです。収入と支出のバランスが取れれば、ゴールはもうすぐです。
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