バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF【VXUS】ETF
MSCIコクサイが日本を除いた先進国投資インデックスなのに対し、米国を除いた世界投資インデックスというものが存在します。
これは、VTIやS&P500に投資する人が米国外も組み入れて投資をしたい、という時に使われるものです。日本人なら、TOPIXとMSCIコクサイのファンドを組み合わせて運用するようなものですね。以下の資料は全てバンガード日本からの引用になります。
VXUSの国別比率上位10か国
日本が組み入れの1位になっています。6000近くの銘柄(5912銘柄)に投資をしていますので、世界分散という意味では非常に優れています。そのほかはEU有力国、先進国を中心に構成されています。
中国は意外なほど比重が低いです。それでも、世界経済における東アジアの重みは実感できる配分ですね。
【VXUS】保有上位10銘柄と割合
個別では、個人投資家に人気の大型株が並びます。ロイヤルダッチシェルは高配当で有名な英蘭株です。テンセントは中国IT、スイスの食品大手Nestle、韓国のサムスン、高配当で有名な香港上海銀行、スイスの製薬大手、ノバルティスにロシュ、台湾半導体の台湾セミコンダクタ、世界トップレベルのタバコシェアを持つBATと続きます。
トヨタもさすがの存在感ですね。スイスは食品世界一のNestleや製薬大手のロシュ、ノバルティスといった企業があります。これらは日本の証券会社からは投資しにくいので、ETFを通して買うという発想も無くは無いですね。ただ、%を考えると微妙なところです。
【VXUS】パフォーマンス実績
パフォーマンスは思ったよりも悪くないです。ややデータが古く、相場環境が良かった2017年の実績とはいえ、年初来30%近くというのは驚異の成績ですね。2011年以来、つまり設定来で約5%ですからまずまずでしょう。
ただ、同時期のS&P500連動ETFは2010年末からで15%ほどのリターンです。やはり米国のこの10年近くのパフォーマンスは出色ですね。さて、こうしたことを踏まえてご質問を紹介します。
VXUSをポートフォリオに含むべきか否か
いつも楽しく読ませていただき、勉強させてもらっています。自分は30代後半会社員です。昨年10月頃から投資に興味を持ちまして、色々調べていく中で長期投資、米国ETFに辿り着きました。
NISA枠での投資を考えていまして、銘柄と割合で迷っています。
1案
VOOかVTI 40%
VYM 40%
VDC 20%
2案
VOOかVTI 40%
HDV 40%
VXUS 20%
VOOかVTI、VYMかHDVどちらにするかと、国際分散するかどうかです。1案は米国集中ですが、シーゲル本の影響からセクター戦略的な思いでVDCを加えています。
2案はHDVにディフェンシブなセクターが多く取り入れられているので、あえてVDCを入れずに国際分散と思ってVXUSを取り入れてみました。
なんとなく自分の中で方向性は決まっているのですが、最後のところで迷っています。たぱぞう様のお考えやアドバイス等いただければ幸いです。もちろん最後は自分の判断で投資をスタートいたします。よろしくお願いします!
VXUSに大きな魅力は感じませんが、分散されるのは事実
もう殆ど投資の方向性は決まっていますね。米国中心の投資ということですね。良いと思います。2018年のGDPも3%近い伸びが見込まれていますし、法人税がおよそ14%引き下げられたことによる税メリットも期待できます。
それに伴い金利上昇、株価の乱高下も予想されますが、時間分散をしっかりしていれば急な暴落の直撃を受けることも無いでしょう。
VOOとVTIですが、私はVTIを推します。小型成長株を含むからです。実際のリターンは殆ど同じ、ややVTIが上回るぐらいですから、あまり気にしなくて良いと思います。
VYMとHDVですが、私はVYMを推します。HDVも悪くは無いですが、銘柄の売買が比較的頻繁です。分配金は確かに良いのですが、どうでしょうか。
オレンジがHDV、赤がVYMですね。実際には分配金がHDVのほうが継続して良いのでもう少し差が縮まりますが、取引値の差は大きいですね。
VDCとVXUSでしたらVDCを推しますね。ただ、あえてセクターETFをここは噛まさなくてもよい気はします。下がっているので妙味は増しつつありますが、運用額がNISA枠内ですので、さほど分散しなくてもよいと思いますよ。もし世界分散をしたい、ということならば、最初からVTを買ってしまうというのも手でしょう。
ポートフォリオの管理という意味では断然楽になります。私見ですが、何かの参考になれば幸いです。
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今後起こりうる暴落・調整への対応ということです。