たぱぞうの米国株投資

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日本株から米国株へ乗り換えたい

日本株から米国株への乗り換え方法

 2017年は日本株も米国株も絶好調でしたが、1/26を最高値として米国株も調整に入りました。あの上昇スピードで実績値ベースでのPERが何倍にもなると、逆に調整に時間がかかります。そういう意味では良い時期に値固めをしたと考えることもできます。その後、各種経済指標やトランプ減税の期待値などから、再び高値に挑戦しつつあります。

 

 ちなみに、PERというのは参考にはなりますが、様々な期待や警戒が込められています。全ての国を同じ尺度で図ることはできないということです。

 

 例えば、資源国であり人口減少国のロシアなどは地政学的なリスクもあることから、万年低PERに据え置かれています。

 

 ロシア株は成長を期待して買うというよりは、2014年のウクライナ侵攻や原油安の時のように、地政学あるいは資源安リスクが顕在化した時のボラティリティを狙って買うと良い、そのような特質があります。割安というのは常に理由があるということです。

 

 人口ボーナスを終え、人口オーナス期を迎えている日本株市場もそうです。米国に比べると2000年以降は特に、殆どの時期においても低PERに据え置かれています。やはり人口減少国の経済発展の難しさが数字に盛り込まれています。

 

 ある意味ではTOPIXなどもボラティリティを取りに行く、そういう指数だと思います。つまり、個別株投資向きの市場ということです。

 

 対する米国も100%安心というわけではなく、世界の時価総額の50%を占めるという状況をどのように考えるかということです。また、法人税がおよそ14%引き下げられます。これは大きなメリットですが、より市場の期待値が大きくなっています。

 

 EUが検討している、FANGなどへのインターネット企業への課税強化策などは、実現すれば米国企業への一定の影響は避けられないでしょう。いずれにせよ、リーマンショック以後の長期にわたる右肩上がり相場ですが、下げるための理由を相場は求め始めているようにも見えます。

 

 GDPや雇用統計、失業率などの好況を裏付ける資料は揃っていますが、これらの数字も永遠に良いわけではないということです。目先としては、税メリット以後の米国市場にも注目したいところです。

 

 さて、こうした概況の中、日本株から米国株への乗り換え方法ということでご相談を頂いています。

日本株から米国株への乗り換えをしていきたい。

たぱぞう様
 高度な知識・見識をお持ちでおられるうえに、質問者の方へのアドバイスに暖かな視点で答えておられる事にいつも敬服しております。

 

 質問をさせていただきたいのですが、預金1500万円、日本株400万円保有しています。日銀の買い支えで維持されているかのような、日本株の環境に不安があるため、今後投資先を米国中心の先進国株にシフトしていく予定です。


 安価な時を狙って購入するのがベストなのでしょうが、相場を見定める目が優れているわけではないので、数か月毎に100万円単位で購入していこうかと考えますが、最近の価格推移を見ていると、買い時が分からなくなってしまいます。


 たぱぞう様なら、どのように行動されますでしょうか。ご都合の良い際に、ご教示くださると幸いです。

 

・投資資金 預金1000万円(生活防衛資金500万円を除く)、日本株400万円

・ETF(VT、VTI、HDV)購入を考えております

・40代女性、会社員、子供あり

 

 よろしくお願いいたします。

どのように乗り換え策を取っていくか

 日本株がどのような株から構成されていて、また月々のインカムおよび追加資金がどれぐらいか分からない中での記事ですので、話半分程度に聞いていただければと思います。NISAやiDeCo枠は使っているという前提でお話します。

 

 まず、為替は基本的にはあまり気にしなくて良い水準です。

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 年始からずるずると円高ドル安傾向でしたが、104円を底にして反発しています。年始の高値からみるとちょうど中間地点にまで盛り返しており、レンジとしては「心地よい」水準と言ってよいでしょう。

 

 一方的に下がり続ける、あるいは上がり続けるという状況よりは幾分ドル転しやすいように思います。ああ、3月末にドル転していればもっとドルを買えたのに・・・。と思われるかもしれませんが、頭と尻尾はくれてやれ、という言葉通りですね。

 

 いずれにせよ、数年来のレンジに収まっている、買いにくい極端な為替相場ではないということです。

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 また、乗り換え先の有力候補であるVTIですが、2018年に入ってから調整入りをしていました。実に2016年以来の調整と言ってよいでしょう。そういう意味では良い時期と言えます。ただし、調整期間が短かく、すでに140ドルを回復してきています。思った以上に腰の強い相場が続いています。

 

 あえて最安値も表示していますが、リーマンショック時にはおよそ半値になっています。すでに10年近く上昇していますから、いきなりドカンと換えないほうがよいでしょう。米国における各種経済指標の先食い感は否めません。

 

 例えば、日本株を100万円売ったら、その分米国株を100万円買い付ける、そのようにそろそろと乗り換えていけばよいと思います。

 

 預金が1000万ありますが、毎月100万使っていくのではなく、最終的に20%~30%程度のキャッシュポジションを持てるような買い付けの方法が良いですね。預金部分に関しては慎重に買付していきたいところです。

 

 それこそ年間100万、あるいは200万といった年単位での分割積み立てが良いでしょう。私はあまり今の相場に強気ではありませんが、リスクを取らざるリスクを考えてポジションを取っていく。そういうスタンスです。いずれにせよ、今後も1月の高値は意識されて良いと思います。

 

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  年齢=現金比率、ということがよく言われます。株式と現金のみの関係ならばある程度の妥当性がありますが、バフェット先生は全く守っておりません(笑) 私もいろいろなアセットを加味すると、もっと投資していますね。

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