SPDRポートフォリオ S&P 500グロース株式 ETF【SPYG】
【SPYG】は、バンガードの【VOOG】などと同じく、S&P 500グロース指数に連動するETFです。S&P500の成長銘柄で構成される指数ですね。これらとは別に、バリュー株に着目した【SPYV】もありますが、株価の伸びは段違いになっています。
リーマンショック以後、特にトランプ政権誕生後の米国市場は完全にリスクオンになっています。その結果、米国株に投資をしていたか、さらにいうと米国グロース株に投資をしていたかどうかが投資結果の明暗を分ける要因となっていました。
そういう意味では、QQQなどをはじめとする米国グロース株系のETFを知っておくのは投資の引き出しを増やすことにつながるでしょう。では、基礎データを見ていきましょう。
SPDRポートフォリオ S&P 500グロース株式 ETF【SPYG】の株価と配当
2008年9月 取引値 9ドル 分配金 0.028ドル
2018年9月 取引値 38ドル 分配金 0.137ドル
まず、2017年後半から出来高が急増しています。これは、信託報酬が0.04%になり、グロース系の米国ETFとして最安水準のETFになったことが理由です。この0.04%という数字は、バンガードのVTIやブラックロックのIVVといった各社の主力商品に匹敵する数字です。
この10年で取引値は4.2倍になっています。これはS&P500の2倍弱を大きく上回るパフォーマンスです。
また、分配金はおよそ5倍になっています。もし10年前に買っていればグロース主体でありながらも、高配当ETF化していたことを意味します。年間およそ0.5ドルの配当で9ドルですから、ざっと6%を超える高配当ということですね。
長期投資が報われる、良い例の1つと言ってよいでしょう。
SPDR S&P 500グロース株式 ETF【SPYG】と他の米国ETFとの比較
赤色:QQQ
水色:SPYG
緑色:VUG
紫色:SPY
10年の取引値推移の単純比較です。圧倒的なのは赤のQQQですね。バンガードのグロースETFであるVUGとSPYGは近似します。紫はSPYで最もパフォーマンスは低いですね。
とはいえ、これはリーマンショック後の最もグロース株が調子の良い10年です。20年スパンになると、ITバブル崩壊を含みます。そのため、SPYとQQQのパフォーマンスはかなり近いものになります。
VOOGはSPYGとベンチマークが同じなので、結果もほとんど同じです。経費率はSPYGが0.04%なのに対し、VOOGが0.15%です。
SPDRポートフォリオ S&P 500グロース株式 ETF【SPYG】の構成銘柄
続いて【SPYG】の構成銘柄です。
銘柄 | 比率 |
apple | 7.32% |
Microsoft |
6.1% |
Amazon | 5.51% |
3.75% | |
alphabet C | 2.72% |
alphabet A | 2.71% |
VISA | 1.9% |
ユナイテッドヘルス | 1.9% |
ホームデポ | 1.81% |
ボーイング | 1.48% |
apple、Microsoft、Amazon、alphabet、Facebook、と続きます。alphabetは株式が2種類に分かれていますが、両方合わせると5%を超えます。この5銘柄で25%を超えますので、分散投資とはいえども5銘柄の株価動向に大きな影響を受けますね。
ちなみに、組み入れ銘柄は300銘柄近くあります。
SPDRポートフォリオ S&P 500グロース株式 ETF【SPYG】のセクターアロケーション
続いて、【SPYG】の業種別の割合、セクターアロケーションを見てみましょう。
セクター | 比率 |
情報技術 | 42.31% |
ヘルスケア | 16.71% |
一般消費財 | 16.56% |
資本財 | 9.65% |
金融 | 5.46% |
生活必需品 | 4.32% |
不動産 | 2.68% |
素材 | 1.30% |
公益事業 | 0.69% |
エネルギー | 0.31% |
情報技術が4割を超えます。ヘルスケアはトップ10入りをしているユナイテッドヘルスや新興の製薬や医療機器の企業ですね。これに対して、成長企業の殆ど無い公益やエネルギーはほとんど組み入れられていません。
SPDRポートフォリオ S&P 500グロース株式 ETF【SPYG】のパフォーマンス
続いて【SPYG】のパフォーマンスです。
年限 | ベンチマーク | 市場価格 | 基準価格 |
1年間 | 20.63 % | 20.51% | 20.51% |
3年間 | 14.48 | 14.30 | 14.32 |
5年間 | 15.99 | 15.80 | 15.79 |
10年間 | 11.70 | 11.61 | 11.62 |
リーマンショックを含む10年のパフォーマンスはVTIやS&P500連動ETFとほとんど変わりません。しかし、この5年のパフォーマンスは15%近くですね。特に金利上昇に伴い、高配当株が停滞する中でハイテク株はよく上げてきました。
NASDAQ100連動のQQQか、それともNASDAQ以外の株も含むSPYGかというところですね。
関連記事です。
比較で登場したバンガード・米国グロースETF【VUG】の記事です。
こちらは総花的に【VOOG】【VUG】【VBK】についてです。
グロース系ETFになるとやはり外せないのがQQQですね。特にこの10年のパフォーマンスは出色と言ってよく、他の大型グロース系と比較すると強さが際立ちますね。QQQはこの10年に限れば最適解だったということです。