たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

【QUAL】セクター内で事業収益がしっかりしている企業を集めたETF

収益性という「質」を重視したETF 【QUAL】

 上昇相場では大げさに言えば「何を買っても儲かる」局面がありますが、そうではない局面も必ずやってきます。軟調なマーケット環境下でそれなりのリターンを追求するためには、優秀な企業を選び抜く選球眼のようなものが必要です。

 その選球眼を代行してくれそうなETFがブラックロックが運用している” iShares MSCI USA Quality Factor ETF”、ティッカー【QUAL】です。“Quality”、「質」を重視しているということでしょう。


 わかりやすいティッカーですね。

「質」の基準は事業収益のぶれなさで説明される

 ベースとなるインデックスはMSCIが算出している”MSCI USA Sector Neutral Quality Index”です。

 

 米国の中大型企業の中からROE、低財務レバレッジ、低収益変動という3つの変数が同セクター内比較をしたときに優れている銘柄を選択しています。つまり、借金は少なくてもROEが高く、その収益があまりぶれない銘柄を選んでいます。


 財務レバレッジが低ければROEは低くなりがちですが、それでもROEが高いということは事業の利益がしっかりあるということです。しかもその収益がブレにくいというわけで、セクター内で事業収益がしっかりしている企業の集まりということでしょう。


 インデックスは2007年10月に算出を開始しており、約14年半のレコードがあります。
 MSCI USAと比較すると累積リターンはアウトパフォームして推移しています。

QUALとUSAの比較

QUALとUSAの比較

出典:MSCI

 インデックスは5月と11月にレビューがあり、それぞれの最終営業日にリバランスされます。2022年1月末現在の構成銘柄は125銘柄です。

QUAL

QUAL

出典:MSCI

【QUAL】の経費率、分配金

 ”MSCI USA Sector Neutral Quality Index”にもとづいた【QUAL】の経費率を見ていきましょう。

 設定日は2013年7月16日です。CBOE傘下のBATS取引所に上場しています。
 経費率は0.15%と低い水準です。

QUALの経費率

QUALの経費率

出典: ishares.com

 続いて分配金です。分配は年4回、3の倍数の月に実施しています。とはいえ、直近1年の分配利回りは税引き前で1.3%ですので、高い水準とも言えません。

QUALの分配金推移

QUALの分配金推移

出典: ishares.com

QUALとS&P500との比較

 【QUAL】をS&P500と比較してみました。赤が【QUAL】、水色がS&P500です。5年で比較すると差はほとんどありません。足元はS&P500の方がやや優位です。


 過去5年は【VOO】でよかったかなと思わせてくれますね。

QUALとVOOの比較チャート

QUALとVOOの比較チャート

出典: US版 Yahoo Finance

QUALの構成銘柄

QUALの構成銘柄

QUALの構成銘柄

出典: ishares.com

 見慣れた名前が多いですが、ウエイトは【VOO】とはかなり違いますね。

 ジョンソンエンドジョンソン【JNJ】やコストコ【COST】のウエイトが高いことが特徴と言えそうです。

 

 小売りで比較的好調な【TGT】がランクインしています。ターゲット社は米国で大型ディスカウントストアチェーン「ターゲット」と「スーパー・ターゲット」を展開しています。S&P500採用企業です。

QUALのセクターウエイト

 “Information Technology”が30%超と高いです。とはいえS&P500と大差あるわけではありません。

 だからS&P500と似たような値動きになっているのでしょう。 

QUALのセクターウェイト

QUALのセクターウェイト

出典: ishares.com


<QUALは不況時やリセッションに強い!?

 【QUAL】は大手オンライン証券3社での取り扱いがありません。

 過去5年の結果から言えば【VOO】で十分代替できていますので、取り扱いが無いことでの不利益もなかったでしょう。

 このETFの本領を発揮するのは、マーケットの下落局面でしょう。リーマンショック時は相対的に強かったという結果があります。

QUALの過去パフォーマンス

QUALの過去パフォーマンス

出典:MSCI

 つまり、マーケットが軟調な時に主に財務の「質」がモノをいいそうだということです。


 返済しなければいけない借金が少なく、収益のブレも少ないわけですから、【QUAL】が保有する銘柄は、軟調時に強いと思われる銘柄を集めているとも言えます。まさに、「選球眼」の代行です。


 ひょっとしたら、この先S&P500のパフォーマンスを上回る可能性が無いとも言えません。そういう意味ではインデックスのリバランスの結果には着目したいものです。


 ウエイトが下がったり、除外されるような銘柄はなんらかの「質」が落ちたということです。個別株投資の参考、とっかかりとしてもよいでしょう。

 

 ただし【QUAL】のパフォーマンスが踏みとどまっている好調な時は、マーケット全体が変調を来している可能性もありますね。

 

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