ムーディーズ【MCO】は世界最大級の格付け会社
ムーディーズ【MCO】の筆頭株主はバークシャーハサウェイです。発行済み株式の13%近くを持っています。ムーディーズ【MCO】は寡占業界でなおかつ収益性が高い企業で、いかにもバフェット先生が好みそうな銘柄ですね。
肩を並べる企業としてはS&Pグローバル【SPGI】があります。この2社はグローバルな格付け業界の双璧と言ってよく、典型的な寡占業界になっています。
ちなみにSPGIはベンチマーク、指数の組成も行っています。そういう意味ではMSCIとの競合企業でもあり、その強さがわかりますね。
さて、ムーディーズ【MCO】に話を戻します。ムーディーズは1900年の創立で、意外に歴史がある老舗企業です。企業体の財務、収益性を判断して格付け情報を提供しています。また、債券などのアセットの投資適格性を格付けすることも行っています。
以下ムーディーズジャパンのサイトから引用します。
ムーディーズは長年にわたり、日本の有力機関投資家に幅広い信用情報を提供しています。
「国際的な拡大」
1970年代には急拡大するユーロ市場における活動を開始し、各国の主要な企業、金融機関や政府などが発行したユーロ債の格付を行いました。最近では、通貨統合にともなう市場の急成長と市場における格付需要に対応し、積極的に業務を拡大しています。
日本の発行体による債券についても、ムーディーズは戦前から調査・評価を行っていました。戦後は1974年、米国の金利平衡税の撤廃を機に日本の発行体による外債の格付を再開し、再開後に政府保証債を発行した日本開発銀行のドル建て債に対して格付を行っています。
今日では、債券市場の規制緩和とそれに伴う市場規模の拡大により、日本の国内市場においても各種債券・プログラムの格付が増えており、ムーディーズの格付を受けている日本の発行体は300社以上に及んでいます。
「日本の投資家への情報提供」
1985年に、ムーディーズ ジャパン株式会社が設立されて以来、日本の投資家への情報サービスの拡大に努め、現在では極めて多くの機関投資家のポートフォリオ管理にムーディーズの格付と信用情報が使われています。
いずれにせよ、高度な分析能力と情報の蓄積が必要になります。そのため、高い参入障壁と利益率を併せ持つ非常に魅力ある企業になっています。
事業内容としては、格付けを含むインベスターズ事業とデータ分析などのアナリティクス事業の2本立てになっています。ちなみに2017年にアムステルダムのビューロ・ヴァン・ダイクを30億ユーロで買収しています。
アナリティクス事業へのシナジーが期待されるところです。
ムーディーズ【MCO】の基礎データ
それでは、ムーディーズ【MCO】の基礎データを見てみましょう。
ムーディーズ【MCO】の配当と配当性向
基本的には配当にはさほど熱心ではありません。配当利回りは1%前後で推移しています。配当額は増えていますが、株価も非常によく伸びており、利回りはあまり上昇していません。それでも、昔から持っている人はそれなりの配当利回りになっていますね。
ムーディーズ【MCO】のBPSとEPS
自己資本比率はマイナスになっています。米国企業で自己資本比率がマイナスになっている企業はフィリップモリスやコルゲートが有名ですね。キャッシュフローが潤沢であったり、時価総額が自己資本を大きく超過しているようなケースでは自己資本比率のマイナスは全く問題にならないですね。
個人法人レベルだと自己資本比率がマイナスだと事業の経営上問題視されることが多く、例えば金融機関から融資がつきにくくなります。しかし、企業体は資本の対象が株式やブランド価値など様々あるので、一概に評価するのが難しいところがあります。
EPSは順調に伸びています。とはいえ、EPSは景気との連動性があります。リセッションが起きれば鈍化するのは間違いのないところですが、リーマンショック時でもマイナスになっていないのは評価されてよいでしょう。
ムーディーズ【MCO】の売り上げと利益
売り上げは右肩上がりです。この10年で2倍以上になっています。また、およそ40%ある営業利益率にも瞠目させられますね。参入障壁の高い寡占企業は競争原理が働きにくく、非常に強いです。魅力ある数字の推移です。
ムーディーズ【MCO】のキャッシュフロー
キャッシュフローは潤沢です。投資CFがほとんど一定なのに対し、営業CFは伸び続けています。
ムーディーズ【MCO】の株価
実はたぱぞうは米国株を始めた当初にムーディーズ【MCO】を買い持ちしていました。ところが数年で利益が乗ったので売ってしまいました。景気の持続性に確信が持てなかったことが理由ですが、完全に時機を逸しましたね。
そのころは永続保有という発想が無かったのでこういうことになりましたが、米国株の魅力を感じるきっかけとなった株の1つです。再び買い参入できるように、時々決算や株価動向をチェックしています。以前と変わらぬ魅力ある企業だと思います。
ちなみに、ムーディーズ【MCO】は高ROEでも知られた企業ですね。
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