ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ【BR】とは
正式にはブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズといいます。社名が長いので記事中は以下、ブロードリッジ【BR】と表記します。
もともとはオートマティック・データ・プロセッシング【ADP】の一部門として1962年に立ち上げられたブローカレッジを専門とする部署でした。その後、2007年に上場を果たし、今に至ります。
ブローカレッジとは株式等の有価証券取引の仲介を行う業務のことで、委託売買を指します。その後業務の拡大を続け、株主総会における議決権行使に関わる電子投票プラットフォームシステムや証券取引の決済システム、プリントソリューション、税サービス、ビジネスプロセスアウトソーシング、などを手掛けています。
ザックリ言うと、金融や証券まわりのITソリューション事業といったところです。もっっと分かりやすく言うと、ITを活用して金融・証券まわりの便宜を図る会社ということです。フィンテックなども広い意味で守備範囲ということになります。
その業態から徐々に売り上げを伸ばしており、ニッチながら注目されてよい企業ということになります。もともとの親会社であるオートマチックデータプロセッシング【ADP】が乗り換えコストが高く、他企業が参入しにくいサービスを提供しています。ブロードブリッジもその業務の独自性から面白みがあります。
ブロードリッジ【BR】の基礎データ
それでは、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズの基礎データを見てみましょう。
ブロードリッジ【BR】の配当と配当性向
増配ペースは急ピッチです。売上と利益も付いてきているので無理のない増配ペースになっています。配当性向は50%を超えることは殆どなく、安定的な配当傾向にあると言えます。おおむね配当は1.5%前後を推移しています。
ブロードリッジ【BR】のBPSとEPS
一株利益EPSが良く伸びています。この10年でおおよそ1ドル増えています。1.6倍程度ですから順調と言ってよいでしょう。自社株買いも比較的熱心で、10%以上自社株を減らしています。
ブロードリッジ【BR】の売り上げと利益
営業利益率は10%台です。米国企業の中では高くはありませんが、低くも無いですね。ちなみにアップルで38%前後、コカ・コーラで30%前後です。売上、営業利益、純利益いずれの数字も前年度を上回り続けた、成長局面の10年間でした。
アナリスト予想を上回る好決算を示すことが多く、S&P500入りしたのも頷ける好業績が続いています。2017年の収益拡大はDSTシステムズの事業買収効果が反映されています。買収自体は2016年7月に実施しました。
ブロードリッジ【BR】のキャッシュフロー
クライアントは金融業者が多く、関連性が高いです。そのため、景気の影響を比較的受けやすいキャッシュフローをしています。とはいえ、基本的には右肩上がり、売り上げ増と歩調を合わせていますね。
ブロードリッジ【BR】の株価
リーマンショック時を除いて、殆ど右肩上がりでした。8月上旬に発表された決算も良く、窓を開けて上昇していました。諸数字を考慮するとやや割高感は否めないのですが、このBRもなかなか値が下がらず、調整を待っているといつまでも買えないというタイプの株になっています。
経済的な濠も十分、成長性も期待できる、そういう株になっています。ただ、期待値も高いので、決算動向はきちんと見ておいたほうが良いですね。
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元々の親会社、オートマチックデータプロセッシング【ADP】の記事です。こちらは大型株ですが、やはり成長性もあり、人気があります。日本だとあまり知られていないかもしれませんが、安定感はありますね。
規模は大きくないですが、このところの成長性と独自性で注目されているペイチェックスです。ADPが大手を顧客とするのに対し、ペイチェックスは中小企業を得意とします。それぞれすみ分けている印象ですね。
連続増配企業ランキングです。日本だと30年以上の連続増配企業は生活必需品の花王が有名ですね。米国だと60年以上のジョンソンエンドジョンソンなど大企業も含む多くの企業が名を連ねています。