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マスターカード【MA】の銘柄分析。圧倒的な利益率が魅力のカード会社。

マスターカード【MA】の銘柄分析。売り上げ成長率、営業利益率が出色。

 マスターカード【MA】の銘柄分析です。マスターカード【MA】は世界2位のシェアを持つカード会社です。ライバル企業はVISA【V】になります。実際、この2社は業績も非常に似通っており、ビジネスモデルそのものが優れていることの証左になっています。

 

 歴史は割と浅く、1940年代にいくつかの銀行が通貨のように使える特別券を発行したのが始まりです。その後、提携先が増え、グループがInterbank Card Association(インターバンク・カード・アソシエーション)を1966年に作ります。ICAですね。中心的な役割を果たしたのがチェースマンハッタン銀行です。

 

 組織としては、その名の通り協会という形式を取ります。そのため、特定の銀行の影響はさほど大きくなく、独自の発展を遂げることができました。

 

 ICAは、1970年に入りメキシコに進出したり、ヨーロッパのEuro cardと提携したり、国際化を目指すようになります。マスターカードのヨーロッパに強いという特徴の1つはこの時に始まっています。

マスターカード【MA】のロゴ

マスターカード【MA】のロゴ

 1987年には中国で事業を始めていますが、これはカード会社としては中国で最初にカード事業を展開した企業ということになります。1988年には冷戦末期のソビエト連邦に進出しています。その後、世界210か国で展開し、2006年に上場、今に至ります。

マスターカード【MA】の基礎データ

 それでは、引き続き基礎データを見てみましょう。

上場:NYSE。ニューヨーク証券取引所

ティッカー:MA

事業内容:その他金融

マスターカード【MA】の株価とチャート

  なかなか強烈な株価推移をしています。

マスターカード【MA】の株価とチャート

マスターカード【MA】の株価とチャート

 業績が良く伸びていますので、それに連動した株価になっています。また、配当利回りは1%に満たないのですが、増配率は悪くなく、それなりの伸びを示しています。業態としてはその他金融ということで、値動きの大きさを示すβ値は高めです。

 

 消費動向と業績が連動するためにリセッション時には強くないですが、好調な株価推移はそれを感じさせません。

 マスターカード【MA】の売り上げと利益

マスターカード【MA】の売り上げと利益

マスターカード【MA】の売り上げと利益

 売り上げはこの10年でおよそ3倍にまで成長しています。直近でも年率13%の伸びを示しています。この成長率はVISAを上回っています。

 

 営業利益は10年で4倍ですね。今後も新興国や開発途上国への浸透が見込まれています。営業利益率はおおよそ50%あり、VISA【V】と並んで高収益体質になっています。

マスターカード【MA】の配当と配当推移

マスターカード【MA】の配当と配当性向

マスターカード【MA】の配当と配当性向

 高配当というイメージは無いと思います。しかし、意外に増配率は悪くなく、業績連動とはいえ、この10年で10倍以上の配当成長をしています。配当性向もよく抑えられています。基本はキャピタルを狙う銘柄ですが、思いがけず増配も狙えるというイメージでしょうか。

マスターカード【MA】のBPSとEPS

マスターカード【MA】のBPSとEPS

マスターカード【MA】のBPSとEPS

 EPSの伸びが素晴らしいですね。10年で4倍以上の伸びを示しています。利益の伸びに支えられているのはもちろん、自社株買いも意外に熱心です。この10年でおおよそ3割近くの自社株買いを実施しており、株主還元の姿勢は明確ですね。配当よりも、一株価値を高めるということです。

 

 投資家によっては、配当課税のある配当還元よりも、こちらのほうを好む人もいますね。

マスターカード【MA】のキャッシュフロー

マスターカード【MA】のキャッシュフロー

マスターカード【MA】のキャッシュフロー

 最後にキャッシュフローです。VISA【V】と同じく、強烈な伸びを示していますね。さらに、投資CFが少ないため、フリーCFが潤沢になるという構図です。手数料商売の利益率の高さ、キャッシュマシーンぶりが伝わりますね。

マスターカード【MA】のまとめ

 営業基盤の強さは疑いの無いところで、成長力もあります。ほとんど唯一に近い懸念は当局による規制ですね。VISAとの2強なため、何らかの規制が入ると状況が一変する可能性はあります。

 

 また、世界における決済額に業績は左右されます。そのため、景気後退期には業績も落ち込むことが予想されます。その落ち込み方は、小さくないでしょう。ハイテクであると同時に金融業だからです。

 

 とはいえ、数年前に世界の決済は電子決済が主流となり、現金決済を上回りました。この潮流はとどまるところを知らず、より便利にスピーディーになっていくのでしょう。その中心にある企業の1つです。

  

 押し目待ちに押し目無しを体現した企業ですね。

 

 優良な米国株を買い、よほど経営に疑義が付かない限り、決算が悪くない限りは持ち続けるのが王道ですね。そういう意味では優良なETFも全く同じです。

 

関連記事です。

  こちらも優良株、VISAです。決済プラットフォーマーとしての存在感はマスターカードと世界を二分しており、盤石の経営基盤です。

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  時価総額ランキングでもVISA、マスターカードは上位に顔を出すようになってきましたね。世界的な需要はまだまだ伸びており、しばらくは成長が期待できそうです。決済ビジネスの覇者ですね。

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  アメックス【AXP】はカードを扱うという意味では似ていますが、VISA・マスターとはビジネスモデルが少々違いますね。そのためアメックスも悪くはありませんが、業績面でVISA・マスターとはそれなりの差があります。

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