たぱぞうの米国株投資

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iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF【IJR】は投資のコアになりうるか

iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF【IJR】とは?

 iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF【IJR】とは、ブラックロックの小型株ETFです。S&P SmallCap 600 インデックスに連動しています。

 

 有名なライバルETFとしては以下の2つがあります。

  • Vanguard S&P Small-Cap 600 ETF【VIOO】
  • SPDR S&P 600 Small Cap ETF【SLY】

 比較してみましょう。

  IJR VIOO SLY
経費率 0.07% 0.15% 0.15%
運用総額 410億$ 10億$ 12億$

 経費率、運用総額からみて【IJR】が圧倒的に強いですね。米国株の小型株投資ということならば最有力ということになるでしょう。

iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF【IJR】のチャートと分配金

 次にチャートと分配金を見てみましょう。

【IJR】の10年チャート

【IJR】の10年チャート

 見事な右肩上がりですね。

  • 2009年 取引値18ドル 分配金0.062ドル
  • 2019年 取引値75ドル 分配金0.321ドル

 S&P500やVTIなどの大型株メインのETFをはるかに凌駕する実績を残しています。VTIはS&P500と違い小型株を含みます。それでも占める割合は大きくありません。小型株にフォーカスした【IJR】のほうがダイレクトに効果がありますね。

Size % of Portfolio Benchmark
Giant 0 0
Large 0 0
Medium 6.78 20.03
Small 84.99 68.44
Micro 8.22 11.52

 ポートフォリオの内訳をみても、小型株に特化しているのがわかります。

iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF【IJR】の構成銘柄

続いて構成銘柄を見てみましょう。

【IJR】の構成銘柄比率

ティッカー 銘柄名
FFIN FIRST FINANCIAL 0.59
TREX TREX INC 0.56
SR SPIRE INC 0.54
NGVT INGEVITY CORP 0.52
AMED AMEDISYS INC 0.51
GBCI GLACIER BANCORP INC 0.51
FCFS FIRSTCASH INC 0.5
EGP EASTGROUP PROPERTIES 0.49
SIGI SELECTIVE INSURANCE 0.49
DAR DARLING INGREDIENTS 0.48

  あまり知られていない銘柄がほとんどです。面白いのは、非常に分散されており、等金額のETFのようになっていることですね。小型株は上場廃止リスクが付きまといますから、このような分散性は必須です。

 

 直近10年のパフォーマンスが出色なのは、好景気はもちろん、このリスク分散がうまくいっているからですね。

 【IFJ】のセクター別構成比率

 続いてセクター別構成比率です。

セクター
金融 18.75
資本財 18.44
情報技術 14.15
一般消費財 13.97
ヘルスケア 11.8
不動産 6.66
素材 4.17
エネルギー 3.74
生活必需品 3.52
公益事業 2.43

 情報技術が多いイメージがありますが、金融が最も多いです。 

 さて、こうしたことを踏まえて、【IJR】に関するご質問を紹介します。

米国小型株インデックス【IJRなど】への集中投資の是非

 始めまして、いつも楽しくブログ読ませていただき勉強させていただいております。


 当方社会人となり2年目で、生活防衛資金が貯まりましたので、4月以降の毎月の余剰資金で積み立て投資を始めようとしております。現在の毎月の支出から計算して月30万円を投資に回す予定です。


 そこで投資先に関して私なりにではありますが調べた結果、VTIかVTに準ずるETFか投資信託を買い付け続けることが簡単な割にリターンが良く、最適とされていると分かりました。


 ここで質問なのですが、VTIに投資する理由としては「どこが今後伸びるかは分からない、でも今までの傾向を見るにここしばらくはそれはアメリカになるだろう」が一番大きいと思います。実際にVTIをコアに据えた投資家は山ほどいらっしゃるようです。


 しかしならばなぜIJRをコアとした投資家はほとんどいないのでしょうか。チャートで比べてみると、ここ30年はほとんどの時期でVTIよりもIJRのパフォーマンスが上回っています。しかも経費率はどちらも大差なく、分配金も大差ありません。デメリットといえばリセッション時の下落が大きいだけで長期投資するならばそれは関係ないと思います。


 VTIを選ぶのであれば選んだ理由がそのままIJRを選ぶべき理由になる気がするのですが、実際にIVRをコアに据えてる方はほとんどいないようです。


 これは何故なのでしょうか。当方、投資を始めてすらいなく初心者以下なので自分の理屈だけで大多数の方がやっていない投資方法を始めるのはあまりにリスキーで、何かやられていない理由があるのではないかと考え質問させていただきました。

リスクリターンをどう考えるかということですね。

 おっしゃる通り、小型株は成長性があって魅力なんですよね。特にこの10年はリセッションらしいものが全くなかったので、パフォーマンスの良い面がよりクローズアップされました。

 

 なぜIJRをコアに据えないのかというと、非常にあいまいな言い方になりますが、多くの投資家は慎重だからですね。リターンを得るという考えと同時に、損失を防ぐという発想が捨て去れないからです。リスク・リターンをどの程度許容するかということですね。

 

 ただ、意外なことにベータ値はVTIと殆ど変わらないのですよね。

5年チャートでの【IJR】と【VTI】の比較

5年チャートでの【IJR】と【VTI】の比較

 ちなみに、5年チャートでの比較だとVTIとほとんど同じになります。ややQQQに似た値動きをしますね。ハイテクが好調だと上に抜け、ダメになると下に抜けやすいということです。2018年の夏から年末にかけての値動きは非常に示唆に富んでいます。

 

 いずれにせよ、リスクリターンのバランスにおいて、自らの許容の範囲ならば悪くない投資になる。そういうETFです。S&P500ETFなどにトッピングしていくというのも面白いでしょう。

 

関連記事です。

  S&P500かバークシャーかというのもよく話題になります。いずれにしても、この商品の多様性が米国市場の魅力の1つであると言ってよいでしょう。

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  小型株ではありませんが、成長株投資という意味ではSPYGも人気のある指数連動のETFになります。値動きは似ていますね。

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  QQQも競合として視野に入れても良いでしょうね。Nasdaq100連動のETFです。

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