たぱぞうの米国株投資

米国株/不動産投資ブログ。某投資顧問のアドバイザ。メディア実績多数。当サイトには広告が含まれます。

期待リターンをどの程度見積もっていくのかという永遠の課題

期待リターンをどの程度見積もっていくのか

 投資をされている皆さん、特に積み立て投資をされている皆さんは期待リターンを意識されていると思います。個別株投資家はイメージしていないかもしれませんね。それに対して、積み立て投資をしている人たちはある程度の計算をしている人がほとんどでしょう。

 

 リーマンショック以後の数字が良すぎたために、中には10%という人もいるかもしれません。実際にVTIなどはこの10年間殆ど10%というリターンを続けてきているのですよね。

期待リターンを凌駕するVTIの10年リターン

期待リターンを凌駕するVTIの10年リターン

 しかし、この数字はいささかお元気に過ぎるように思います。過去100年近くに及ぶS&P500の歴史だと、株価成長率6.8%という数字があります。しかし、これは世界中の人口が増加していて、労働人口が多かった時代を含みます。

 

 今後は、多くの国で高齢化を迎え、社会保障費の増大が想定されています。端的に言うと、世界の経済成長は鈍るということです。バンガードやJPモルガンが見積もった数字だと今後10年での世界経済成長率は年率4.5%ということでした。

 

 先進国に限ると1.5%程度ですから、完全に成熟化したということですね。イコールで株価成長率ではないですが、頭の片隅に置いておいてよい数字です。

 

 いずれにせよ、リターンが限られる中、リスクをどのようにコントロールしていくかというのが非常に大事です。

年率5%の期待リターンを実現したいが・・・?

たぱぞう様  
 はじめまして。実は昨年8月、偶然このブログを見つけ毎回楽しく拝読しております。以来、米国株に関心を持ちはじめましたので、是非たぱぞう様に背中を押していただきたいと思い、マイナビウーマン投資セミナーを受講し、お目にかかることができました。

 

 いつもの歯切れの良い文章からイメージしていた通り、実物(失礼)からの説明も本当にわかりやすく、穏やかで丁寧な語りに安心感を得ることができました。もう少し時間があったらもっと良かったのに、と思うほど引き込まれてしまいました。

 

それでは質問に入らせていただきます。


<投資の経験>
 ほぼゼロですが、2年前から某有名アクティブファンド投信を持っています。だいぶ目減りしましたが10数パーセント程度のプラス分は残っています。


<年齢>
40代後半・独身


<年収>
約240万円


<自分流イメージポートフォリオ>
米国ETFへの投資可能資金は1500万円

  • VTI(または楽天・全米株式インデックスファンド)35%
  • VYM(または楽天・米国高配当株式インデックスファンド)35%
  • BND 30%

 この組み合わせ内容で5%/年のリターンは可能でしょうか。またこれらを時間分散投資していく場合には、複数年(もしくは1年)にわたり毎月定額を積み立てていくということになるのでしょうか。初心者のためどうしてもイメージがつかみにくいのです。ご教示ください。


 一方、米国個別株でチョットしたお楽しみが得られるなら、なお嬉しいのですが。資金は上述とは別に300~500万円位です。その場合に留意すべきポイント等もご教示いただけますでしょうか。セミナーでは簡単にお話してくださったのですが、元々知識不足のため不安感があります。

 

 平成最後の今年を、私にとっての米国株式デビュー元年にしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

非課税枠を活用した投資術でリターンを上げる

 まず、iDeCoとつみたてNISAで非課税枠を確保したほうが良いですね。非課税、控除というのは、ある意味では買った瞬間に確定利益になるからです。読める利益です。

 

 公務員でない、自営業でないとなるとiDeCoは2.3万円、つみたてNISAは3.3万円ほど、月々積み立てられます。これだけで年間およそ67.6万円の積み立てです。すでに始められているにしても、基本は毎月の積み立て投資になります。

 

 40代後半ということですから、iDeCoで時間のメリットを享受するにはギリギリのタイミングになるかと思います。ただ、iDeCoには所得控除+退職控除+差押禁止財産というメリットがありますから、始める価値はあります。

 

 引き続いて、余剰金を投資に回すわけですが、くれぐれも無理しないことですね。理由は年収と貯蓄額に開きがあるからです。貯蓄額を急いで投資に回して、上手くいかなかった場合、損失の補填ができなくなる恐れがあります。私はいつも5年程度を意識して分散するということを書いてきました。

 

 時間がかかりすぎると思うかもしれませんが、最初はゆっくり知識と経験を積むのが大事です。加速は後でもできます。また、焦って投資するような局面でもありません。

 

 ちなみに、初めての海外投資の場合、投資信託のほうが楽です。確定申告をしなくて済むからです。そうなるとSlimの米国株式や楽天VTIを積み立てるということになります。債券を噛ませるかどうかというところですが、当面はキャッシュポジションで良いでしょう。

 

 ちなみに、キャッシュや債券を入れると、リターンは落ちます。微妙ですが、5%を超えるかどうかというと、税金も含めて意外に難しいのではないかと思います。しかし、焦らずコツコツと続けていくことですね。

 

 リスクとリターンは隣りあわせです。リスク14%、リターン4.5%ぐらいが無理のない投資と言われます。ちなみに、ドル円の為替リスクは13%程度と言われていますから、海外投資というのはそういうことですね。それをキャッシュで軽減していくということです。

 

 ドル円の為替リスクに関しては、関連記事もご参照いただければと思います。

 

関連記事です。

  ドル円を意識するとリスク、ばらつきが大きくなります。しかし、基本的には適正な位置に収れんしてくると考えています。有名なのは購買力平価説ですね。

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  つみたてNISAを楽天証券で行えば、毎年投入額の1%を確定利益にできます。クレジットカードのポイントを還元させることができるからです。金融商品は上下動がありますが、ポイントは確定利益ですから大きいですね。

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  2018年はマイナスでしたね。しかし、出口で大きなマイナスになることを考えると、今からこういう年も必要ですね。無理せず、トータル20年で利益が取れればよいのです。

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