金の卵を産むニワトリを養うために
毎年追加資金を投入し、種銭を増やし、資産運用をコツコツと行う。家や車のような大きな消費財にお金を使うよりは株が欲しい。そして資産を殖やしたい。長期投資家というのはこういう思考で行動しているのではないでしょうか。
私も多分に漏れずそうでした。それまでは友人に譲ってもらったり、激安中古車を買ったり、そうやって凌いできました。保育園の送迎がなければ車を買うことも無かったでしょう。
ただ、最近は財布のひもがやや緩んでいます。それは、やはり種銭が増えて再投資の資金が豊富になってきたからです。これがさらに進めば、どこかでお金ではなく時間を求める暮らしになるのでしょう。
生活にそんなにお金は必要ない。最低限の暮らしができる金額があれば問題ないと考えています。1人ならばそれこそ10万円もあれば十分な暮らしができます。海外ならば国と地域によっては500ドルでもやれないことはありません。これは、学生時代の一人暮らしの経験や、海外駐在の経験から確信を持って言えます。
ただし、家族を持つとその金額は跳ね上がります。たぱ家ならば月額にして40万~50万程度です。いずれにせよ、経済的な自由を得ようと思うならば、支出からの逆算が必要になります。
さて、永遠とも思える長期投資の積立、あるいは追加投資ですが、最終的に資産の出口戦略とはどのようになるのでしょうか。この投資家永遠のテーマに関してご質問を頂いています。
金の卵を産むニワトリをいつ食べるのか
はじめまして。32歳会社員です。
老後の資産のために日本株、投信等を始めましたが、たぱぞうさんのブログを発見し、米国株に興味をもち、米国株への投資に切り替えようと思っています。
そこで疑問に思ったことがあり、質問させてください。資産を増加させるための投資の対象として米国株が日本株よりも魅力なのはたぱぞうさんはじめ他の方のブログでも書かれており、その通りだと私もおもいます。
ただ、最終的には貯めた米国資産をどの様に利用するのが良いかがあまり書かれておらず、疑問です。
- 老後目標までに貯めた米国株を全て売却し、日本円に変える。
- 米国株は持ち続け、配当を日本円に変える。
などなどがあると思いますが、それぞれのメリットデメリットを教えてください。
また、たぱぞうさんはどの様にするつもりなのかもお教えいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
金の卵で生活していけば、それは永久になる
私にとって米国株は「金の卵を産むニワトリ」です。ニワトリそのものを食べてしまうと、金の卵を産めなくなります。そのため、元本はよほどのことが無い限り株式のまま置いておくことになります。
ただし、例外があります。他にも金の卵を産む鶏を見つけた時です。
上下動はありつつも、米国株はこの10年右肩上がり、好調でした。これだけ海外投資が盛んに言われるようになったのは初めてではないでしょうか。
みんなが良いというと、違う行動をしたくなるのが私の性格です。今後、素晴らしく条件のよい不動産物件などを見つければ、多少は元本を移し替えるかもしれません。もしかしたらですけどね。そういう思い込みにとらわれない柔軟さと幅広さは持っていたいと思っています。
リセッションを迎えてからだとこのような富の移転ができなくなります。株価が下がり、現金化すると損をすることになるからです。ですから、頭と尻尾はくれてやれということで、今のうちに投資対象をひろげるというのも1つの戦略になります。
しかし、あくまでコアは米国株でしょう。これほど将来性に確信を持てる投資先を私は知りません。
もろもろの投資を続けるとして、では、いつ金の卵を生み出すニワトリそのものを食べるのかということですね。これに関しては私はよほど窮することが無い限り、ニワトリを食べることはありません。生み出す卵で生活をすることはあっても、生み出す鶏を生活資金にしてしまうことはないということですね。
なぜかというと、今でさえすでに金の卵がベーシックインカムになっており、人生の自由を担保してくれる存在になっているからです。やりたいことがあれば、いつでもやれる。時間が欲しければいつでも作れる。こういう心持ちで生活するのが私には合っています。
よく、背水の陣とか火事場の馬鹿力といいますが、そういう状況に身を置かないというのが最善だと思っています。無理くりがんばらなくていい状況を作ればよいのです。20代ならばそういう時期も必要かもしれませんが、もう時期は過ぎました。
また、前述したように物欲もあまりありません。モノに囲まれて生活するよりは、モノを極力制限して広いスペースで暮らしたいと思っています。ちなみに私物は1畳ちょっとのウォークインクローゼットに収納されており、そこに収納できないものは買わない、あるいは捨てています。
粛々と金の卵を産む鶏を育て、卵を食べて生きていく。おそらく老後もそれは変わらないと思うのです。年金がどのように変容するか読めない今、自立した経済活動が老後も求められる。そのように確信しています。
金の卵を産むニワトリそのものを調理するとき。それは人生の幕引きをするときかもしれませんね。
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老後の生活費は新NISAがかなり貢献するのでしょう。
児童手当をどのように考えるかですね。