たぱぞうの米国株投資

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追加投資のタイミングをどう考えるか

追加投資のタイミングをどう考えるか

 株式投資の追加投資のタイミングをどう考えるでしょうか。個人投資家はリスク許容度が高くない、ということはよく言われます。これは、少々突っ込んで言うと、「マイナスのリスク許容が弱い」と言えます。

 

 当たり前ですね、プラスになれば心に余裕が生まれ、マイナスになれば心を痛める。だれもがそうだと思います。

 

 そういう意味では、高配当株での細かな利益確定が性に合うという人が多いのもうなずけます。配当という形で利益が入り続ける、しかも過去に減配、あるいは無配という実績が無いならば、見込みの利益はある程度の確度をもって得られ続けるわけですね。

 

 また、米国株インデックスの右肩上がりチャートや、連続増配銘柄などが人気を得ているのも同じ理由になります。たしかなより所を、過去に求めるわけですね。

 

 いずれにしても、人は利益確定は早すぎる傾向にあり、損失・損切りは遅れる傾向にあります。下がっても下がっても買い続ける、無限ナンピン買いがありますが、これは損切が遅れるトレードの1つになりますね。

 

 当たれば大きいですが、当たらないと沈む泥船に乗船するような形になります。この銘柄選定はボックス相場にある時のほうが難しく、右肩上がりの相場のほうがはるかに簡単です。2010年代で言うならば、2013年、2017年、2019年の相場がそれに該当するでしょう。

 

 また、よほどの理由がない限り「永続して保有できる銘柄」を選好していくのがシンプルな投資戦略になります。個別銘柄ではそれはやや難しく中上級者の投資になります。一方、ETF・投信では非常に簡単に商品を選べます。追加投資は、積み立て投資という形で淡々と実行できるのです。

 

 そのため、弊ブログではETFや投資信託をおススメしているということです。さて、今回は追加投資のタイミングに関するご質問です。

評価益が出ている銘柄の追加投資における考え方

 たぱぞう様、初めまして。

 たぱぞう様の幅広い視野、深い分析に基づいたブログを日々興味深く拝見させていただいております。

 

 この度、たぱぞう様に1つアドバイスを頂きたく投稿させていただきました。それは、「評価益が出ている銘柄の追加投資における考え方」です。 私は27歳独身の地方公務員で20歳から投資を始めており、年間80万円程度を投資へ回しています。

 

 現在、配当・株主優待目当てで日本個別株へ200万円、配当目当てで米国個別株及び米国ETFへ200万円投資し、評価損を出している銘柄の損失確定を行った結果、日本株で40万円、米国株で30万円程度の評価益が出ています。

 

 おおむね10年1サイクルの景気の波に乗りつつ、40年間で投資残高1億円、年間配当300万円を目指していますので、分散投資を心掛けながら現在保有している株にも追加投資を行いたいところですが、購入時の株価より現在の株価のほうが高いのでいつが買い時なのか迷ってしまいます。

 

 景気後退で株価が下がった時に追加投資するのが一番効果的とは思いますが、中央銀行の頑張りにより、10年1サイクルの景気の波も予想外に長引いており、株価が下がるまでに見逃す配当額とどちらが大きいか悩むところです。

 

 お忙しいとは思いますが、たぱぞう様ならばどのように考えるか教えていただけると幸いです。

 以下、保有銘柄(参考)

  • GCA 100株 株価889円(評価益8400円)
  • 伊藤園第1種優先 100株 株価2345円(評価益44200円)
  • 東洋水産 100株 株価4815円(評価益85500円)
  • SUMCO 100株 株価1874円(評価益59787円)
  • ブリヂストン 100株 株価4594円(評価益38430円)
  • 伊藤忠 100株 株価2305円(評価益112200円)
  • イオン 100株 株価2212円(評価益58700円)
  • 日本取引所クループ 100株 株価1832円(評価益9300円)
  • V 10株 株価177.98USD(評価益56.59USD)
  • BND 30株 株価83.66USD(評価益92.42USD)
  • PFF 20株 株価37.32USD(評価益-4.50USD)
  • VIG 30株 株価119.89USD(評価益606.24USD)
  • MRK 30株 株価83.15USD(評価益216.19USD)
  • PG 27株 株価119.18USD(評価益1153.89USD)
  • T 50株 株価39.135USD(評価益384.23USD)
  • QQQ 10株 株価119.96USD(評価益465.34USD)

追加投資を躊躇するぐらい、相場環境が良かった

 まず、ETFの類は前述したように永続保有できる性質のものを選んでいれば、淡々と追加で買っていって問題ありません。BNDやVIGといったものはそうでしょう。やや走っているQQQも長期ならばそうなります。

追加投資のタイミング

追加投資のタイミング

 それでは、個別株はどうでしょうか。追加投資のタイミングをシンプルに考えてみたいと思います。

一株の価値は確かに上昇しているのか

 一方、個別株は質を見ていく必要があります。例えば、最も簡単な指標としてはEPSがあります。買った時の株価があり、EPSがあるわけですが、きちんとそれぞれ伸びているかというのが1つの目安になりますね。成長株であれば、売り上げ成長率のほうが要素としては大事でしょう。

 

 もっと大きく言うと、「一株の価値が株価に見合って上昇しているのか」ということが1つの目線になります。これができている銘柄は、追加投資しても問題になりません。買値はすでに過去のもので、現在価値で評価していく銘柄なのです。

 

 どの指標を見ていれば大丈夫、というわけではなく複合的な判断になりますが、一株当たりの価値という目線はどの指標でも変わりません。

 

 ただし、BPSなどは日本と米国では目線が全く違うため、数字も違います。そういったところを実態に合わせてすり合わせていくと良いでしょう。

永続保有できるビジネスモデルを保有しているのか

 個別株の目線としては、数字もさることながらビジネスモデルも大事です。永続保有に値するようなビジネスモデルを有しているのかということです。これは営業利益やキャッシュフローという形で、数字でもある程度見ることができます。

 

 例えば、家電業界や自動車業界などは競争が激しく、新興国も巻き込んだ世界的なシェア争いの場になっています。

 

 こういった業界は決算がブレることが多く、特別な何かが無いと買いにくいものです。半面、そのような目線を全ての投資家が持っているため、割安になりがちでもあります。売り込まれたときに買えば、思わぬ果実を得ることもあるでしょう。しかし、永続的に保有するに適しているかといえば、そういうわけでもありません。

 

 一度、ご自分の銘柄選定の目線を洗い直し、永続保有に値しないと思うならば売るというのも1つの選択になりますね。永続保有したい銘柄ならば、追加投資すればよいのです。

 

 いわゆる、定量・定性の考え方というのはそういうことですね。ちょうど利益確定するには良い時期ですから、チャンスと言えます。ご質問ありがとうございました。

 

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  もっともシンプルな追加投資であるドルコスト平均法ですね。

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