たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

「休むも相場」という言葉の意味を投資手法とともに考える

休むも相場という言葉の意味

 相場には「休むも相場」という言葉があります。似たような言葉で「売るべし、買うべし、休むべし」という言葉もありますね。積み立て投資には全く関係ない言葉ですが、相場の状況を見て売り買いをするような場合は「休む」という発想も大事ですね。

 

 毎日株価を見て、毎日ニュースをチェックして、というのは勤勉ではあります。でも、頑張ったからと言って成果が出るわけでもないので、ここは投下している時間や情熱が本当に意味あるものかどうか、合理的に振り返ってみると良いですね。

 

  • 「投資家だからいつも何かに投資」
  • 「投資家だから常にポジションを取り、ニュースに鋭敏」

 

 当たり前ですが、こういう必要は全くないわけです。毎日あるいは毎月投資をしているから良いトレードができるというわけではありませんね。

 

 大事なのは、きっちりと成果を出していくということです。例えば相場が荒れた2018年は、株式トレードの成果よりもキャッシュ保持の成果のほうが高かったわけです。そういう意味においては、トレードをしない、つまり「休むも相場」を実践した投資家のほうが優れた実績の投資家だったわけです。

 

 あくまで平均的、という意味においてですけどね。

 

 しかし、2019年は2013年以来の高パフォーマンスの年になっていますから、なかなか実感するのが難しい言葉かもしれません。

年に1,2回しかトレードしない投資家もいる

 実際、成果を出している投資家でも年に数回しかトレードしない人もいます。「休むも相場」と言いますが、この場合は休んでばかりです(笑)

 

 2018年末のような調整時に相場に参加してきて、反発を見極めます。「ああ、ここからは反発だな」と確信した時点で資金投入をするのです。

 

休むも相場

休むも相場

 そして反発の勢いが弱まったら売却するという手法ですね。確かにボックス圏の相場だと有効に機能しそうですが、逆に2017年のような単純な右肩上がりの相場では買い場が無かったとも言っていましたね。

 

 要は、自分なりのトレードの勝ちパターンがあり、そのパターンに乗れそうだと確信した場面でしかトレードしないということです。そういうやり方もあるということです。いつもいつも相場に参加するから成果が出るというわけではないわけですね。

 

 このことは知っておいて良いと思います。

 

 毎月のようにトレードして、常にポジションを持っている投資家が優れた投資家というわけではないのです。

休むことも意外と難しい、そんな時代もありました。

 今はそんなことは無いのですが、20代のころの私は休むことが難しかったですね。手元にキャッシュがあると、遊ばせているような気になり、利回りがもったいないと思っていたわけです。機会損失が気になったわけです。

 

 そういう発想でしたから、常に良い銘柄を探し、常にポジションを持っていました。その結果、2003年の金融危機や、2006年のライブドアショック、2008年のリーマンショック、もれなく直撃を受け続けたわけです。

 

 それでも生き残れたのは、若くて投資額が小さかったことと、とてつもなく変な銘柄というものには手を出していなかったからですね。常に社債などの違うアセットを入れていたのもあるでしょう。

 

 その後、2010年代に入ってからはしばしば「休むも相場」を実践しています。

  1. キャッシュの重みを体験的に知ったこと
  2. 債券も捨てたものではない

 この2つが大きな理由ですね。

キャッシュの重み

 まず、暴落時には特にバーゲンセール状態になります。場合によっては、2倍・3倍になる株もありますね。「買いたい」と思ったときにすでに手元にキャッシュが無いという状況をしばしば経験しました。そのため、いつでも動けるように手元にキャッシュを置くようになりました。

 

 暴落時に動ける機動性のようなものですね。常に全力で投資をするということが今はほとんどありません。あるとするならば、よほど自信のあるときですね。今は違います。

債券も捨てたものではない

 日本株しかトレードしなかったときには意識しませんでしたが、債券は利回りが良い時があり、それはしばしば株と逆相関します。株が買い時な時は利回りが低く、株を売りたくなる時は利回りが高くなります。

 

 これは、景気に完全ではないですが逆相関をするからです。不況だと利下げをし、好況だと利上げをするからですね。基本と言えばそうですが、国によります。例えば日本債券も昔はそうでしたが、今は意図的に低金利になっており、資金の逃げ場としては効率が悪すぎます。

 

 例えばVYMは調整時に3.5%近くの分配金利回りになることがあります。その時のBNDは3%の利回りです。VYMも魅力ですが、相場変動の影響をほとんど受けないBNDと、大してインカムの利回りが変わらないのは注目されてよいでしょう。

 

 リスク回避のプール先としては、非常に面白い存在といえます。リスクが少なく、リターンが読めるのであれば、なかなかですよね。

 

 休むも相場というのはそういうことで、いつもいつも市場に参加して売買することは無いと思います。自分がわかる時、わかる物に投資をするのが基本です。「休むも相場」とは言ったものですね。

 

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