海外分散投資はそんなに難しいことではない
海外分散投資の有用性が認知されてきましたね。
国内の投資先が限られ、なおかつ昨今の円安も影響しているのでしょう。今から大きな金額を海外通貨に替えるのは勇気がいります。無理をしないほうがいいでしょう。
しかし、平時を想定して、今後の10年、20年に備えていくのは今から準備をしたいところです。長期において円が減価するのは人口動態的に無理のないストーリーで、成熟国としての日本を受け入れるのは個々人にとっても常識となるのでしょう。
そう考えると、2100年ごろまでは増え続けるとされる世界人口、海外に投資をするのは妥当性がある選択となります。このように、大きな目線で、大きな地域を対象として投資を考えていくのは簡単です。
逆に、個別株の明日、明後日の株価を考えるのは簡単ではありません。一般的には短期のほうが不確実性が低く、長期のほうが不確実性が高いです。このパラドックスが投資の妙味なのかもしれませんね。
さて、今日は海外通貨、海外分散投資ということでご質問を頂戴しています。
海外分散投資をするにあたって、通貨の分散をどう考えるか
たぱぞう様
いつも動画や書籍、ブログを拝見しております。私にとってなによりの教科書となっております。これまでまったく投資に無頓着でしたが、セミリタイアした今、ようやく興味を持ち始めました。
一つ質問させていただいてよろしいでしょうか。
これまで投資に興味がなく、証券会社のいうがままに運用したり、あるいは銀行に入ったお金をずっとそのままにしていて、気づいたらある程度たまっていたというのが本当のところです。
自営業者でして、海外での仕事が多く、ご覧の通り外貨を持っています。20年以上前に2,000万円ほど円からドルに変えた以外はすべて仕事でえたものです。
家もローンに頼ることなく建てられましたし、子供二人も社会人となり、手がかからなくなっております。相続税対策で子供に毎年110万円を贈与しており、これまでドルで5万ドル、円で700万円ほどそれぞれに渡しました。
我々はすでに62歳で、仕事しなくてもこのまま生活できるのではないかと思っております。自分の財布の中身です。親からの遺産もありますが、
現金、国債、社債、株等 1億円
米ドル 現金、MMF、社債、定期預金 350,000ドル
ユーロ 現金、定期預金 176,000ドル
ポンド 現金、定期預金 39,000ポンド
豪ドル 現金、定期預金 158,000ドル
この中の外貨での定期預金ですが、これはソニー銀行&ANAがやっているマイレージポイントをもらえるというもので、セミリタイアした今、夫婦で海外旅行に毎年いくためです。
欧州だとビジネスクラスで2人年間2往復くらいはできるくらいもらえます。自分たちは旅行が趣味なので、こういう使い方もいいかな?と思って始めました。
そこで質問させていただきたいのですが、米ドルですと、いろんな使い方があります。
一方、ユーロ、ポンド、豪ドルは円安の今、ときどき良いレートで円にしているものの、正直この先どうしたら良いかわかりません。なんか、マイレージポイントを得るために持っている感じです(笑)。
円以外の通貨を持つのが資産運用の基本の一つといわれますが、ユーロ、ポンド、豪ドルは日本ではあまり馴染みがなく、運用先が分かりません。機会を見て円転していけばいいのか、持つだけでも武器になるか、分かりません。
お忙しいところ恐れ入りますが、アドバイスをいただければ幸いです。
どうぞ宜しくお願いいたします。
海外分散投資の基本はドルで、現状ドル以外の投資は効果が低い
ズバリ言うと、円とドル以外は不要でしょうね。分散させるためにユーロ位はあってもよいでしょうが、やはり運用先がドルほど恵まれているわけではありません。
よって、今の円安はチャンス、円に替えても良いでしょう。ドルユーロは円ほど昂進していませんが、やはりドルの優位性は揺るがないですね。
通貨そのものは価値を生み出しません。その通貨を使って、投資なり預金なりして初めて価値を生み出します。そういう意味では、投資先が限られる、あるいは投資方法が限られる通貨は持っていても意味を見出しにくいのです。通貨は減価するのが基本だからです。
とはいえ、そのような価値を生み出せる通貨、特に外貨は多くありません。ほとんどドルのみといってよいでしょう。
ここでいう価値を生み出す通貨というのはスワップ金利のような、ある意味ではハリボテのようなものでもありません。過度な手数料やインフレがない、株式や債券への投資を可能にする通貨という意味ですね。
今は円が弱く、通貨の整理整頓をするチャンスでもあります。今まで得た海外でのお仕事での対価を最大化することができますね。
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