たぱぞうの米国株投資

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株式を相続した時の評価額の決め方

株式を相続した時の評価額の決め方

 株式投資や投資信託での資産運用が一般化しつつあります。ごく一部の好事家が取り組んでいた時代から、だれもが取り組む将来設計の1つになりつつあると言って良いでしょう。

 

 同時に、これらの資産をどのように相続していくのかというのも大きなテーマになりつつあります。

 

 さて、株式を相続した時の相続税の計算時に使う、評価額はどのようになるのでしょうか。一般的には、相続税に使う評価額は元の保有者が亡くなった日の終値になります。また、贈与の場合は贈与した日です。

 

 ただし、元の保有者が亡くなった時の終値が、当月、前月、前々月の終値の平均よりも大きい場合は低いほうを採用することができます。そのため、過去3か月で大きな暴落があった時には後者を採用したほうがよいということになります。

相続した株式の売却時評価額は?

 相続税評価をするときは、相続したときの株価です。

 

 しかし、売却時にする評価額は、故人が取得した価格になります。つまり、亡くなった方が取得した時の価格で評価するということですね。大昔の株などで大きく値上がりしてる場合は、それなりの譲渡益税がかかってくることになります。逆に、大きく値下がりしてれば、損だしをすることができます。

 

 大きく値上がりしていれば、相続税と譲渡益税の二重課税になる可能性があります。その場合は3年10ヶ月の範囲において軽減措置のようなものがあります。

 

 金額が小さければ、大した問題にはなりません。しかし、人によっては資産の多くをキャッシュではなく、株式にしているというケースがあります。特に、その相続が予期せぬ急なものだとそうですね。

 

 いずれにしても、間違いがあると不利益をこうむるのは自分ということになります。そうならないためにも、関係諸機関との連携は大事ですね。

 

 さて、こうしたことを踏まえて、ご質問を紹介します。

株式を相続して、損が出ているので損益通算ができそうです

たぱぞう様

 いつも有益な情報をありがとうございます。

 

 53歳、会社員で妻と大学生、中学生の子供二人、年収1500万円、投資金額2000万円のきくさんと申します。


 現在の投資金額2000万円の内訳は、

  • 国内個別高配当株1000万円
  • 国内社債300万円
  • 海外債券ETF500万円(BND,LQD)
  • 個別J-REIT200万円

 となっており、それとは別に積立NISA枠で月3.3万円をとemaxs slim S&P500に積立しております。

 

 実は昨年、親を亡くしたたときに国内株式を相続したのですが、取得価格が現在の時価を大きく上回っているので、売却すればいつでも多額の損出しができる状況にあります。(売却の時期や量もコントロールできます)

 

 つまりしばらくの期間、譲渡益や配当に関する税金は確定申告すればほとんどかからないようにすることができるので、複利効果のある投信より、配当をもらって利益を確定させるほうがいいのかな?と思っているのですが、そのような考えに何か根本的に間違っていないか?と不安にもなっています。

 

 あくまでたぱぞう様の個人的見解で結構ですので、ご意見うかがえればと思いますので、よろしくお願い致します。

損益通算をして、利益を相殺していくということ

 おっしゃる通り、利益を相殺し続けていくことは可能ですね。ただ、投資信託もいずれは出口がありますから、結局はリターンをどこで得るのかという話になります。

 

 目先で利益確定とともにぶつけていくか、それとも将来まで持っておき、投資信託を取り崩すときにぶつけるのかという話です。

 

 しかし、その間市場は変化します。もし、持っている株がパッとしない株、最悪上場廃止につながるような業績の株でしたら、都度売却してリスクを減らしたいですね。そういう意味では、配当でこまめに売却、相殺していくというのは間違いではありません。

 

 保持していて、値動きが激しくないような株でしたら、将来の投資信託の出口のときに相殺しても良いでしょう。

株式を相続した時に使う、評価明細書

株式を相続した時に使う、評価明細書

 

 とはいえ、未上場株のケースなどいろいろとイレギュラーなケースもあります。この辺りは、税理士さん、証券会社とよく話し合い、改めて確認されたほうがいいですね。基本的な考え方のみ示すにとどめますね。

 

 ご質問ありがとうございました。

 

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  遺産相続で一気にステージが変わる人がいますね。ややもすると人生が激変するわけですが、たぱぞうの周りでは、淡々と働き続ける人が多いように思います。このあたりは、人それぞれの考え方ですが、選択があるというのは大きく違いますね。

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知っておきたい新NISAですね。

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