株価暴落時に買う銘柄と買わない銘柄
昨今の株価の動静を見ていると、買われるときはとことん買われ、売られるときはとことん売られる。こうした流れが強まっているように見えます。特に、昨今ではもともと値動きの激しいハイテクが非常に買われていたため、資金の逃げ足も速いですね。
数日でドカンと下げるので、暴落したように見えるのですね。史上何番目、というのはそういうことです。また、史上最大の下げ幅という響きはインパクトがありますが、最高値を更新し続けてきているので、%に対する下げ幅も大きくなります。
自動売買がかなり浸透していますから、ロスカットに忠実でなおかつ一方的な流れになりやすいというのはありますね。しかし、そこには同時にアービトラージが生じるわけです。つまり、行き過ぎた投げ売りによる割安、あるいは逆の割高が生まれるということです。
時間による制約、成果を上げなくてはいけないという義務から解放されている個人投資家にはチャンスがあるといえるでしょう。
私はすでにデイトレードのような素早い売買をしておらず、のんびりとしています。
良いのか悪いのか、逆張り投資家としての属性はなかなか沁みついていてぬぐえないようですね。いずれにせよ、このような急激な動きというのは、これからも繰り返されると思っていて良いでしょう。
株価暴落の見通しと今後の対応
よく、暴落すると原因の検討がされます。いわば犯人捜しですね。これは無意味ではありませんが、暴落を回避する決定打にはなりません。常に、後から理由付けがされる側面があるからです。暴落の原因が事前にわかれば、暴落にはならないのです。
ですから、原因の検討というのは意味はありますが、次の暴落を避ける決定打にはなりません。そういう意味では、いつ暴落が来ても良いような投資の体制づくりをしておくことが肝要です。
もし、このような暴落が来るたびに不愉快な思いがあるとするならば、それは少々ポジションを取りすぎなのかもしれません。十分なキャッシュや債券のポジションがあれば、むしろ少々のワクワクがあるはずだからです。自らのトレードを見直す良い機会と言えるでしょう。
また、弊ブログがおススメするように、時間の分散をしていれば安く買えるチャンス到来とも言えるわけです。
本当に恐ろしいのは、じりじりと下げ続ける相場です。例えば2000年代のITバブル崩壊などは3年間も相場のマイナスが続きました。
日本でいえば2003年の金融危機などもそうです。2003年は私も若かったので無限ナンピンを繰り返しましたが、最後には資金が尽きました。苦い思い出ですが、大きく資金を伸ばしたきっかけでもありました。
大事なのは、確かなキャッシュフローを持ち、相場が上げようが下げようが、資金を逐次投入し続ける資力ということになるでしょう。そういう意味では、まとまったお金をドカンと投入するのは、どのような時期においてもそれなりのリスクになるということです。
特に今回のコロナショックは今後の感染の広がりが不透明です。経済に与える影響が出始めたばかりであり、先の見通しがつきにくいところに特徴があります。2018年末の調整とは質が異なりますので、一気に相場を張るのは躊躇されるところですね。
さて、今回は暴落時、〇〇ショックの対応ということでご質問をいただいています。
株価暴落時に買う銘柄の視点は何でしょうか
たぱぞう 様
米国株投資を検討している中、たぱぞう様のブログにたどり着きました。
毎日楽しみに拝読させて頂いております。
1つ質問させてください。
もし次の○×ショックの時に下記条件があったとしたらたばぞう様なら1~3のどれを選択されますでしょうか?
条件:
- ダウ、ナスダック共に最高値から50%~60%下落
- 米ドル70円前後
- 投資可能な余剰資金が3000万円
- ヴァンガードVTIを直接購入
- 楽天VTIを購入
- 個別日本株で2~3倍のリターンを狙う
次のショックに備えて現在現金ポジションを高めています。ただ、上記3つのうちどれが賢い選択なのか迷っております。ぜひともたぱぞう様のお知恵をお借りできればと思います。お忙しい中恐縮ではございますが、宜しくお願いいたします。
事前に株価暴落になにを買うか決めておくと良い
まず、基本はドルコスト平均法でコツコツと投資していくことです。これは、つみたてNISAがその役割を担ってくれています。iDeCoでもよいでしょう。やはりこういった、相場環境に振り回されない投資は柱として持っていたいですね。
個別株の場合は、株価暴落が来てから考えるのではなく、普段から暴落がきたら買いたい銘柄をリスト化しておくと良いですね。
株価暴落時に弱い銘柄をあえて買うという考え方
私がよくやるのは、金融周辺株への逆張り投資です。CMEやMSCI、SPGI、ブラックロックなど、こういった伸びている金融関連株は面白いと思っています。経済動向に素直に反応するからですね。場合によっては米銀行株も面白いですが、銀行株はもともと割安で以前ほどの面白みは薄れています。
また、旅行、ホテル、運輸株などはかなり調整してきましたね。おそらく、決算も悪いでしょう。コロナショックのど真ん中銘柄です。ぶれない胆力と、待てる人は数年単位で見ると面白いかもしれません。
株価暴落時に強い銘柄を買うという考え方
生活必需品やヘルスケアは好不況の波が比較的小さく、不況耐性が強いですね。そのため、こうした銘柄を組み入れておくことは一定の説得力があります。ただ、暴落してからというよりは、平時から組み入れておくほうが良いでしょう。
その究極系は、債券やゴールドなどの他のアセットということになります。株の暴落による資産の毀損を、株で防ぐのは少々難しいですね。
指数連動ETFを使っていく
指数連動ETFを売り買いするという手もあります。テクニカルやPER、PBRなどが見やすいので、指標として使えますね。CFDの売りでヘッジするということもできます。
おっしゃるVTIは安心できますが、これは資金が大きければVTIの直接買い付けで、ドルで分配金を得る仕組みを作っても面白いと思いますよ。確定申告が面倒であれば、楽天VTIです。いずれにしても、買い付け対象は同じですね。
キャッシュを高めていられたということですから、今回の暴落もワクワクして迎えられているのではないでしょうか。でも、焦らないことですね。為替変動も大きくなってきていますから、何か柱を決めて相場に左右されない投資をされると良いですね。
ピンチはチャンスでもあるのです。
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水準としては、面白いところまで来ました。この10年、200日線を割ると反発でしたが、今回はどうでしょうか。
この時に感じた「良く上げるなぁ」という違和感はようやく形になった感じがあります。かなり違和感はしぼんできましたね。
売りからも入れるCFDですが、上級者向けですね。