たぱぞうの米国株投資

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200日移動線を割れたS&P500をどう考えるか

S&P500が200日移動線を割れた

 S&P500が200日移動線を割れました。久しぶりに節目となる3000ポイントも割れて終わるという展開になりました。NYダウは再び1000ドルを超えて下げており、こちらも節目を超える下げ幅になっています。

 

 昨日の住宅指数に見るように、良い経済指標は1月までのものです。2月以降のデータを含んでいるものは当然よくありません。今後は世界的に影響が広がってくるわけですから、この下げは短期で終わるものではないのでしょう。

 

 IMFが世界のGDP成長率を下方修正しましたが、バンクオブアメリカも3.1%から2.8%への下方修正をしました。

 

 こういうネガティブな修正予測が市場を覆っていますから、買い材料と言えるものは乏しく、影響を見定めたいとする動きになっています。この状況下で、あえて買うとするならば、テクニカル上の根拠しかありません。

 

 リーマンショック以後における、200日移動線を意識した動きに関しては、シンプルながらも反発を見定める根拠として的確に機能してきました。さて、今回はどうでしょうか。

今まで強かった個別株が下げを主導する場面も見られた

 個別では決算の下方修正に言及したMicrosoftが7%を超える下げ、同じくAppleが6%を超える下げを示しました。近年の決算が強く、直近良く上げていたこの2社が下げを主導したのは、相場の転換点を示した1つの象徴的な動きと言って良いでしょう。

節目となる3000ポイントを割れたS&P500

節目となる3000ポイントを割れたS&P500

 青線はS&P500、赤線はNASDAQ総合指数です。この2年のチャートになりますが、S&P500はおおよそ7%、NASDAQ総合指数は13%とプラス圏にあります。今後の展開次第ですが、これらの利益を吐き出してしまう可能性を感じる展開ですね。

 

 このところの米国株の上昇はやや過熱感を感じさせるものでした。私が監視していた銘柄群も、押しなべて「行き過ぎ」を示すものでした。これはセミナーなどでもお話してきたとおりですね。

 

 市場というのは、どこかでこうやって修正を入れてくるのですね。

COVID-19は今後どのように株価に影響を及ぼすのか

 この2日のCOVID-19の感染者数はすでに中国よりも世界のほうが大きく、WHOがパンデミックの可能性に言及したのも、妥当性を感じるところです。

 

 今まで大きな感染の見られなかった米国でも、感染は広がってきています。海外渡航歴のない米国人の新たな感染が確認されました。つまり、海外渡航での感染というフェーズではなく、国内で感染をしたという新たなフェーズへの移行が確認されました。

 

 カリフォルニア州では8400人を経過観察しているといいます。 これに対して検査キットは200個と言いますから、検査キットの数が足りないというのは日本に限ったことではないですね。日常を超えた事象だということです。

 

 日本においても、政府が全国の小中学校に休校を要請したというニュースが入ってきました。中国武漢やイタリア北部におけるような、都市封鎖の流れは日本においては見られません。また、そのようなことが法手続き上可能なのかはわかりません。

 

 しかし、このようなことは世界的にも未曽有のことです。COVID-19が普段の感染症とは性質が異なるということはおぼろげながらも伝わってきますね。

 

 テレビやネットの情報を超える「何か」があると見る向きがあるのは、分からなくもありません。

 

 しかし、いずれにしても、今は極端な情報に踊らされず、淡々と日々を重ねていくということになるのでしょう。

 

 資産運用も同じです。急な売り買いを避け、淡々と株を集めていくことになります。極端な情報に踊らされず、かといって正常性バイアスに従うこともなく、ということです。ここで焦って売ったり、ポジションを取りすぎるのは、自分のリスク許容度から考えて妥当なのか考えてみたいところですね。

 

 「株だけのポートフォリオにしない」ということを言い続けてきましたが、こういう事態になった時に身動きが取れなくなるからですね。

この下げはいつ終わるのか

 いくつかのシナリオが考えられますね。北半球が暖かくなると同時に、COVID-19が不活化、収束に向かうというのが1つのシナリオです。これはインフルエンザなどもそうですね。

 

 しかし、ここまでで十分に経済に影響を及ぼしているでしょうから、急な反発、高値更新という強さはしばらくなさそうです。これは経済指標という形で表れ始めています。

 

 最もよくないシナリオは、感染の長期化ですね。こうなると、市場の展開は今までとはがらりと変わってくるでしょう。すでに十分買われてしまっていますが、債券や金が重みを増します。また、ハードアセットの収益というのも強みになります。繰り返しますが、「株だけにしない資産運用」が力を発揮するわけです。

 

 特に給与に対して資産額が大きい人は必須と言って良いでしょう。いずれにしても、退場しないポジション、退場しない買い増しを心掛けたいですね。プロ筋を除いて、急な売り買いは禁物です。

 

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