たぱぞうの米国株投資

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損切りのタイミングと考え方

損切りのタイミングと考え方

 米国株は大変好調で、ダウもS&P500も過去最高値近辺にあります。ペーパーアセットに関する限り、リーマンショック以後の勝ち馬はズバリ言って米国株でした。

 

 2000年代に綺羅星のごとく現れ、多くの億り人を生み出した中国株、スイングトレードに適した日本株、いろいろありましたが、2010年代の米国株の長期上昇は今後も記憶されるのでしょう。

 

 資産形成において米国株を中心に据えていたかどうかは大きな違いが出たと思われます。しかし、今後もこの調子で上がり続けると思うのはやや早計で、私はそうは思いません。過去10年のリターンは年平均で約10%ほどであり、このペースを維持するのは簡単ではありません。

 

 とはいえ、成長性において、あるいは法整備面において米国市場を上回る市場は世界中どこを見てもなく、米国外のみでポートフォリオを組み立てるという人は個別株投資家を除いて殆どいないはずです。

 

 また、米国個別銘柄に目を転じてみると、例えば高配当株や生活必需品銘柄などは逆風と言ってよい環境にあります。インカムこそしっかりありますが、2017年後半あたりからキャピタルゲインが殆ど無い状態になっています。

 

 業績が悪化していない、配当余力のあるものに関してはいつかは報われるでしょう。株というのは流行りがあり、循環があるからです。しかし、そのいつかがいつなのか、そして上昇を続けるハイテクやインデックスを横目に耐え続けることができるのかという別の問題があります。

 

 株も不動産も同じですが、やはり買いの入り口というのは非常に繊細なのです。そういう意味では比較的無頓着に買えるVTIなどの銘柄は少々特殊と言っても良いでしょう。

 

 さて、今回は含み損を抱えた株式に関して、損切りのタイミングと考え方ということでご質問を頂いています。

勝っている人を横目に損切りのタイミングをうかがっています

はじめまして
37歳の会社員です。

 毎日通勤電車の中でブログを欠かさず拝見しております。

 投資経験もなく、仕事と子育てで時間もあまりとれない中、長期的に使用見込みのない貯金を少しでも老後の資金の足しにしたいと思っていたところに、たぱぞうさんのブログに出会いました。

 

 2017年夏前くらいから少しずつ米国株に資金を投入してきましたが、つい株価の上昇につられて今年初めに多額の資金を投入してしまい、現在含み損を抱えている状態です。

 

 投入したした資金は1500万円程で個別株(AT&T、XOM、JNJ等)とVTIです。その他円貯金と外貨で2000万ほどあります。世帯年収は1300万円程で、持ち家なし(しばらくは社宅)、小さな子ども2人です。

 

 今後の利上げも気になり、損切りして資金の一部を回収したほうが良いのか迷っております。長期的に多くの方が勝っている今、あまり私のような鈍臭い人はいないのかもしれませんが、御教示いただけると幸いです。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

損切りをするには秋口は良いタイミング

 手持ち株はそんなに変なものは無いこと、キャッシュもまだまだ潤沢であること、この2点から無理して損切をすることも無いように思いますが、一応お答えしますね。

 

 まず、損切のタイミングとしては、他に利益が出ているものがあればそれをぶつけるという手があります。例えば、VTIであれば、それなりに利が乗っているはずです。この利益を損した銘柄と相殺すれば、損益が通算されます。

 

 つまり、利益で損失をカバーできます。このメリットは、節税です。損切だけ行うと、そのまま損失が積みあがるだけです。逆に利益のある銘柄を取っておくと、いつか売却するときに税金が発生します。

 

 そのため、個別株をやる場合は特にそうですが、こまめに売却をして、損益通算をしていくというのも一つの手ではあります。

 

 配当に関しても損益通算ができます。投資と節税は資産運用の両輪になります。1月から12月が税制上の区切りになりますから、そろそろ損益通算を意識するには良い時期、タイミングと言えます。

買った理由と損切りの理由は資産になる

 何故損切りをするのかという理由をはっきりさせておいたほうが良いですね。

  • 金利高が予想され、さらなる下落を考えるから
  • 上昇している銘柄に投資し、勝ち馬に乗るため

 などいろいろあります。買付の時にも理由があったはずです。

  • 高配当投資の安定性に魅力を感じたから
  • インデックス投資、分散投資を狙っているから
  • トレンドに応じたハイテク投資をしているから

 もちろん、人の影響、あるいは真似というのも始め方としては悪くは無いのですが、人に影響されてばかりだと確信が得られません。そのため、株価が下がると動揺しておかしなタイミングで手放してしまいがちです。

 

 自らの行うトレードに間違いがあったと受け入れるならば、その都度理由を残しておくと良いですね。10年もすると、ちょっとした投資の要諦のようなものが出来上がっているはずです。

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 投資に答えはありません。しかし、手法には向き不向きがあります。自分に合った手法はなにか、それを考えることが大切です。

 

 いずれにせよ、損得も大事ですが同時に悔いのない売買を心掛けたいですね。

 

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