米国株を買うにはドルを持っておく必要がある
ワンタップバイなどを除いて、一般的には米国株を買うには米ドルが必要です。手順としては、証券会社に入金し、証券会社でドルを買い付けるのが一般的です。SBIは例外的に自社傘下の銀行やFX会社へ迂回させて安く両替できるようにしています。
そういう迂回の方法を取らない限りは、証券会社に入金し、ドル転し、米国市場で米国株を買うという流れになります。このときにもし、100円でドルを買付けして、将来的に110円で円転すると、為替だけで見ると10%の利益になります。
もちろん、逆もありえます。2015年や2016年は比較的円安に推移した年でした。このときに、つまり1ドル125円の時にドル買いをしていたら、為替で10%以上やられていることになります。
上手く乗れれば、株の利益と為替の利益が両取りできるわけですが、為替は非常に政治的であり、流動的です。そのため、原則としては株式投資、良い株、あるいは良いETFを買って株数を増やしていくというのが王道でしょう。
ただ、ドル転してすぐに株を買えばよいのですが、そうはせずに遊ばせている場合もあります。この場合の外貨残高に金利が付きませんのでもったいない状態になります。
特に、金額が大きいと機会損失が意識されます。今回は、その外貨残高、ドルの扱いについてご質問をいただきました。
外貨残高、ドル転したドルをどう扱うか
たぱぞうさん、こんにちは。旅から無事に帰られて良かったです。
いつも解りやすい記事をありがとうございます。この春から投資を始めました、超初心者です。質問なのですが、ドル転したドルは、どうしていますか?
円高や証券会社のキャンペーン等でドル転しますが、すぐに米国株を購入するとは限らないですよね?円高でドル転したものの、株購入までに時間が空くこともあります。
(それとも皆さんは、ドル転したらすぐに株を買うのでしょうか?)
今の所、何もせずに証券会社に外貨として預け入れています。投資ブログ・サイトでドル転の方法は紹介していますが、ドル転したドルをどうしているのかは、わかりませんでした。
外貨普通預金に入れるのか、外貨MMFなのか、他の方法があるのか…外貨は保全対象外ですし、皆さんどうしているのでしょうか。初歩的な質問で恐縮ですが、初心者はこんな事もわかりません。ご教示頂けたら幸いです。
宜しくお願い致します。
外貨残高に金利をつけるには外貨預金や外貨MMFという手がある
結論から言いますと、私は外貨残高はそのまま何もせずに置いてあります。私の場合、わりと気分と雰囲気で投資をしていますので、ある日いきなり思い立って「ここだ!」と買ってしまうことが多いです。
本当は移動線などを見ながら買うのが基本なのですが、2016年年頭以来ほとんどの銘柄が移動線にタッチすることなく上昇していますから、そのようなことになっています。
そう考えると、機動性重視ということです。外貨普通預金や外貨MMFも悪くはないと思いますが、機動性の面でひと手間あるのでしていないということです。
あと、今は外貨残高があまりないというのも大きな理由です。もし外貨残高が大きいならば対応を変える、つまり金利のつくものに乗り換えるでしょう。ちなみに、SBIですと2017年9月現在、外貨預金で0.4%、外貨MMFで最高0.9%の金利がついていますね。
まとめると、
- 金利が1%を超えてくる
- 外貨残高、ドルが10万ドルを超えてくる
このような状態になれば金利収入も見込めますので対応を変えます。自分の資産の大小で金利収入が変わります。私の場合は手間と残金の関係で何もしていません。ただし、何もしないドルは金利が付かない機会損失であるということを踏まえて、預金なりMMFなりを検討すると良いですね。
ちなみに、SBI証券はこのように質問に答えています。
外貨残高に金利はつきますか?
外貨口座にある外貨残高に金利はつきません。SBI証券における外貨残高は、外貨預金とは違い、預り金のため金利がつきません。
また、外貨残高の運用に関しては、通貨によって外貨建MMFをご用意しております。
ということですね。外貨残高が大きい場合は利用価値大ではないでしょうか。
関連記事です
為替リスクは長期投資ならばほとんど無いと私は思っています。ドルを持っておくのは海外生活を考えるならばむしろメリットになります。複数通貨での資産形成は日本ではなじみがありませんが、諸外国では普通ですね。
金利的にはもっと低い、貸株サービスには申し込んでいます。全てを貸株にしているわけではありませんが、40万ドルに対してだいたい10ドルぐらいの収入になっています。まあ、持っているだけの長期投資株への金利としては悪くないですね。
外貨建てMMFについてのご質問はこちらです。賛否ありつつも、外貨建てMMFは円転をしないならばということで一定の人気を得ていますね。もし円転をするならば為替差損益のほうが大きくなることが多いでしょう。