たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

サザン・カンパニー【SO】アメリカの高配当電力会社

サザン・カンパニー(SO)とは?

 サザンカンパニーとは、アメリカの公益事業持ち株会社です。その名(southern)のとおり、アメリカ南部で事業展開をしています。内容は、発電、電力の卸、小売が中心です。アラバマ州とジョージア州で原子力発電もやっています。

 

 日本の電力会社がそうであるように、インターネット光ケーブルなどのインフラ関係も少々やっています。公益事業会社では売上全米4位の地位にあります。

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※サザン・カンパニーのホームページから

 

 ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)やフィリップモリス(PM)と違い、普通に日本で生活しているとほとんど情報が入ってこない会社です。しかし、昔から個人投資家には有名な株です。

 

 それは伝統的に高配当だからです。4%から5%の配当を誇ります。私も配当に惹かれて買いましたが、原油安の流れに乗って予期せぬキャピタルゲインが発生しています。

 

 ある意味ではこの数年の米国株は何を買っても上昇しているような状況です。サザンはどちらかというと債券的な役割を期待しているので、安定的に配当を出してくれれば十分だと思っています。

サザン(SO)のチャートと配当

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※ヤフーUSから

2007年2月 株価36ドル 配当0.388ドル

2016年5月 株価50ドル 配当0.56ドル

2017年5月 株価50ドル 配当0.58ドル

 

 2016年5月から昨年比一期あたり0.017ドルほど増配しています。少額でも毎年きっちり増配をしてくるあたり、アメリカ株らしいです。これで連続増配17年、減配無68年ということになります。

 

 減配無68年というのは・・・。すばらしい配当履歴と言ってよいです。

 

 10年のチャート、増配でみると派手さはありませんね。「手堅い」という印象です。劇的な上昇をしているわけではありませんが、業態を考えると十分ではないでしょうか。この1年でみると株価は全く伸びていません。

 

 それでも私が株を始めた2000年ころを振り返ると株価15ドルです。「投資の答えは米国株にあり」というのを痛感します。投資は銘柄を吟味するのも大事ですが、それ以上にマクロ的に市場を吟味するほうがはるかに大事であることがお分かりいただけると思います。 

サザン(SO)の基本データ

ティッカー:SO

本社:アメリカ

来季予想PER:17倍

PBR:2.0倍

ROE:10.8%

ROA: 2.7%

EPS:2.9ドル

配当:年間2.24ドル。3,6,9,12月に配当。

上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場

 

 配当は4.6%です。株価が上がったとはいえ、依然高配当株の名に恥じない実績を残しています。PERもPBRも落ち着いています。ただし、来季EPSは落ち込む可能性がありますね。

サザン(SO)の配当と配当性向

 サザン(SO)の配当と配当性向です。

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 上昇率は緩やかですが、きれいな右肩上がりを描いています。2013年時点で配当性向が100%を超えることがあり、今後にやや不安を抱かせました。しかし、その後80%前後まで下がってきています。

 

 適正な範囲であると言ってよいでしょう。米国の平均的な年間インフレ率が2%ですから、この範囲以上の増配率というのが期待されます。

サザン(SO)のBPSとEPS

  BPSは一株当たりの資産、EPSは一株当たりの利益です。株主を大事にしている会社はだいたいこの数値が右肩上がりになります。自社株買いが同時に行われていることが多いからです。

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 BPSに関しては緩やかな右肩上がりです。15ドル近辺から25ドル近辺に上昇をしてきました。PBRで2倍ちょっとになります。PBRが高めの米国株にしては低めと言えるでしょう。割安を意味するのではなく、あまり成長性に期待されていないからでしょうね。

 

 EPSに関してはこの10年で1割程度しか伸びていません。ただ、電力という業態を考えるとこんなものでしょう。サザンの営業地域は人口が増加傾向にありますから、今後もじわりじわりとこれらの数値が上昇することが期待されます。

サザン(SO)の売り上げと利益

  サザンの売り上げと利益です。電力という安定的な業態ですが、意外に売り上げは伸びています。

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 この10年で1.3倍の売り上げ増です。対する営業利益は1.4倍増です。したがって営業利益率もおおむね20%~30%のレンジに収まっており、比較的見通しの立てやすい成長をしています。営業利益率が25%前後というのは高い数字です。

 

 ちなみに日本の電力会社の場合は、もっとも業績が安定的な中部電力で6%前後、関西電力で4%前後、沖縄、北陸、北海道で2%前後です。東電は特殊事情がありますが、ここも2%前後です。

 

 米国の企業というのは、極端な成長企業を除いて落ち着いた企業はだいたいきちんと数字を作ってきます。これはヨーロッパの企業と比べてもそうで、やはり広く支持される理由というのはこういうところにあるのでしょう。

サザン(SO)のキャッシュフロー

 サザン(SO)のキャッシュフローです。電力は莫大な設備投資が必要になります。サザンも例外ではありません。

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  特に近年においては投資CFが激増しており、2年連続でフリーCFがマイナスになっています。ただ、電力会社というのはサザンに限らず、エクセロン、デュークエナジーなど大手他社もフリーCFがしょっちゅうマイナスになっています。

 

 サザンの場合は原子力発電所を現在建設中であり、取引先は東芝です。もともとはウエスチングハウスの案件でしたが、ウエスチングハウスを東芝が買収したことから、そのまま東芝が工事を引き受けていました。

 

 一連の東芝のごたごた、ウエスチングハウスの経営不振問題から工事の遅れが懸念されていました。しかし、それに伴う債務保証額が決定し、工事も継続されています。

 

関連記事です。

  公益株は正直地味すぎてあまり需要がなさそうですが、きっちりリライトをして記事の質を保っていきたいと思っています。ナショナルグリッドも安定的ですが、こちらは外国源泉徴収課税がありません。

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  サザンは明らかに高配当株投資に属するものです。インカムゲイン投資の代表格が公益株です。ただし、通常はキャピタルゲインは限られますから、自分の投資スタンスとの兼ね合いということになりますね。

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  公益セクターでは間違いなく組成上位に入ってくるのがサザンです。他にはエクセロン、DUKEエナジー、ドミニオンリソーシズなども人気があります。ドミニオンは私も持っています。タイプとしてはやはり債券的で、似ています。

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