定年退職後の生活でどのように収入を確保していくか
定年退職後の生活、特に収入面は誰もが不安に感じるところです。学生時代は学校に所属し、就職後は組織に所属し、定年退職を迎える。そこで初めて、何物にも所属しないという体験をする人もいるでしょう。
FIREでもそうですが、この何物にも所属しないというのは未経験だと漠然とした不安があります。慣れてしまえばどうということはない、と経験者の多くは語りますね。実際はどうでしょうか。
不安を感じる中でも特に大きな割合を占めるのが収入面です。老齢年金が国民年金と厚生年金でしっかりある人はそれでも恵まれているほうでしょう。共働きで、退職後もダブルインカムというパターンは言うまでもなく安心、安泰です。
しかし、年金はあくまで現状のように年金財政が安定してこそです。将来はおおよそ1.2人の労働人口に対して、1名の年金受給者、という人口構造になるといわれていますね。年金不安が叫ばれて久しいのは、こうした不安材料があるからです。
少ない労働人口で年金を支えられるのか、国債が膨張して円の価値は下がるのではないか。このような論調が不安をかきたてます。
いずれにしても、現在の課せられた年金を淡々と払い込みつつ、プラスアルファで個人的な自分年金も形成していくのが、現実的な選択になるのは間違いのないところです。さて、今回は定年退職後の収入をどのように確保するのかということで、ご質問を頂いています。
定年退職後の生活でどのように収入を確保していくべきでしょうか。
はじめてお便りします。
インデックス投資に興味を持ち、その中でも外国株が良さそうと思いましたが、株式をやったこともないので、いろいろサイトを覗いているうちに、ここにたどり着きました。
- 当方57歳
- 年収約1000万。(離婚により別居の子供3人あり、現在独身)
- 家は持ち家で、ローンは残り700万(今年中に繰り上げ返済)
- 預貯金300万
今までの資産運用は、人口減少により、所有する土地が値下がりしそうと感じ、土地を処分することにより9000万の現金が入りました。これとは別に、安定した収入として
- 5年前に野立て太陽光に投資し、年間約1000万(20年間)
- 駐車場を企業に貸し、年間約300万
の収入があります。
本題は、72歳まではソーラー発電により十分な生活費があるものの、それ以降は年金のみになります。(他駐車場はいつまで借りてくれるか?)
今から73歳以降の生活費を考え投資していくか、投資せずそれまで余った金を預金し、取り崩すか、など、どのようにすればいいでしょう?
太陽光と不動産で盤石の資産形成がされている
太陽光と不動産ですでに盤石の資産形成がされていますね。年間1000万の収入を太陽光で確保したのは、先見の明と言っていいですね。20年間の安定収入が得られる資産というのはそんなに多くは無いからです。
すでに物件は少なく、セカンダリも含めて、お宝化してきていますね。良い時期にご決断されてよかったですね。
9000万の土地、300万の駐車場収入も素晴らしいですね。時期的にも、確かに手放しても悪くない時期です。ここまで拝読しても分かりますが、投資センスが相当おありだということですね。
1000万の年収の他に、1300万の不労所得があるわけですね。
ハードアセットからペーパーアセットへの移行は悪くない
まず、資産が大きいのでそのまま現金で持っても悪くないですね。十分に生活していける金額です。年間の支出と年金の収入、それから資産を考えると、そうなりますね。
ただ、今まで投資をされてきて、成果も残されているので株式投資を始めとするペーパーアセットへの投資を始められても悪くはないという印象です。おそらく、ちょっと研究して、投資をすれば割とすぐにコツを掴めるのではないでしょうか。
ハードアセットとの主な違いは、税金がシンプルで、日ごとの値動きがもっと大きいことです。ですから、最初に何を買うかじっくり考え、動揺せずにコツコツ積み立てていけば大やけどをすることはないでしょう。値動きに惑わされないことです。
私もハードアセットはそれなりに持っています。これらはやはり高齢になってきたらペーパーアセットの比率を高めていくつもりです。税金も含めて、管理が楽だからです。
ハードアセットで生み出したキャッシュフローを、手間のかからないペーパーアセットに置き換えていくというのは非常に合理的だと思いますよ。
ちょっとまとめておきます。
- 現役時はペーパーアセットとハードアセットをバランスよく組み合わせる
- 時には融資も活用し、キャッシュフローを最大化させると同時に、資産も増やす。
- 定年退職後は、手間のかからないペーパーアセットの比率を高めていく。ペーパーアセットとは、現金・株式・債券など。
こういうことになりますね。