たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

共働き家庭の資産運用術、基礎の基礎

共働き家庭の資産運用術

 今は共働き家庭が珍しくありません。20年、30年前はさほど多くはなかったのですが、一般的に年収が頭打ちですから経済的な合理性はあります。また、十分ではないものの女性の働く環境が整ってきたことも大きいですね。

 

 家庭によっては、男性が在宅で仕事をして、家事もこなし、女性が外で働くという例もあります。かつてのステレオタイプのように「男は外でバリバリ働き、帰宅は午前様」というのは過去のものになりつつあります。

 

 そういう意味では、世帯年収をベースとした資産運用を通して、生活設計をしていくというのが考え方として大事になってきますね。さて、今回は共働きのご家庭の方からご質問を頂いています。

共働き家庭ではどのように資産運用をしていけばよいでしょうか。

たぱぞう様

 はじめまして。定期的にたぱぞう様のブログを拝見し勉強させていただいております、30代半ばの共働き主婦です。よろしければ今後の投資についてご意見いただきたく問い合わせさせて頂きました。

 

 元々投資には保守的な考えで預貯金だけでしたが、将来のことも考え1年半前から積立投資を開始しています。

 

 現在は

  • 積立NISAに年40万(iFree S&P500インデックス毎日700円、楽天VT毎日700円)
  • NISA外でiFreeNYダウインデックス毎日700円をSBI証券で積立中です。
  • その他に会社の確定拠出年金に月25,000円を拠出しています。
  • それから、預金に月約10万です


 これらは給与からの積立ですが、実際短期間ながらも運用を経験しやはり投資割合を増やそうと思いましたので、これまで貯めていた預貯金2,500万円のうち1,000万程を投資に回そうかと思い検討しております。


 FXレバ1倍でドル転して米国株ETF(VTI年90万、VYM年30万、QQQ年30万)を年1回、数年にわたり買付しようかと思っておりますが、どう思われますでしょうか?
その際NISA外のNYダウインデックスの積立は止めようかと思っております。

 

 また、VTIを直接購入するならWealthNavi(リスク許容度5)の積立を減額しても良いかとも思っています。本なども読み米国個別株も検討しましたが分散投資を考慮するとそこまでの資産は無く、また来年1月には出産予定であり、できる限り管理を簡素化したいという考えです。


 預貯金の投資について、またその場合積立投資を変更するべきかご意見いただきたいです。

 

 またドル転のタイミングについて、相場を読むことなど出来ないとは思いつつこの円安の流れでは年内ドル転しETF購入は避けた方が良いのかとつい考えてしまいます。長期でみれば少しでも早く投資をスタートした方がやはり良いでしょうか?ETF購入前に数年に掛け分散してドル転していくつもりではあります。

 

 ちなみに主人は投資には興味がないため、毎月+ボーナス時の年14回各20万は給与天引きで貯金をしてもらっています。日々運用状況は確認していますが性格上あまり途中で変更はしないと思いますので、最初が肝心と思い問い合わせさせて頂きました。
お忙しいとは思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。

世帯全体で年間で260万円の余裕資金がある

 ざっくり計算すると、預貯金を回さずとも年間で260万円の余裕資金があるということですね。まず、これを非課税枠で埋めるのが大事です。

  • つみたてNISA40万円
  • iDeCo27.6万円
  • ジュニアNISA80万円

  これらの合計で147.6万円になります。企業型確定拠出年金の30万を足すと非課税枠はより大きく使っていることになります。ご主人が投資に興味が無いということですが、ゆっくりと説得していかれると良いですね。もっとも、焦る必要はありません。経済的に余裕があり、ご年齢も若いからです。

 

 ちなみにiDeCoは企業型確定拠出年金との併用が2016年末までできませんでした。その後の法改正で併用ができるようになりました。お勤め先が併用に対応しているかどうか確認されると良いですね。

 

 次に購入される商品です。VTI・VYM・QQQはいずれも良い商品です。外国税額控除に伴う確定申告に抵抗が無いならば問題ありません。ただし、いくつも管理するのが手間ならばVTI一本でも良いでしょう。これらの150万を合わせると、年間410万の投資になりますね。

 

 資産に対して過度でなければ問題ありません。

ごちゃつき始める資産をどうするか

 良い商品が続々と出るので、色々と手を出したくなると思います。個人的には投資信託に関してはすでに答えが出たと思っており、いくつも増やす必要はないと考えます。

  • 楽天VTI
  • eMaxis Slim 米国株式(S&P500)

 この2つのどちらかをコアに据えればよいですね。

 米国ETFの場合はVTIかS&P500ETFのIVVかVOOです。これにQQQを入れても良いでしょう。年齢が比較的高ければVYMを入れても良いですが、若ければVTIでも将来的に分配金がそこそこのレベルになっていると期待できます。

共働き家庭の資産運用術は意思統一がまず大事。

共働き家庭の資産運用術は意思統一がまず大事。

 加えて、資産が数千万クラスになれば債券を入れてもが良いでしょう。ただし、今は債券高で手が出しにくいというならば、キャッシュポジションを厚めにとります。2割から3割というのが心地よいレベルです。先程お話した、「資産に対して過度でない投資」というのはこのラインになります。

 

 コアになる投資を決めれば、自分でポートフォリオが組成できるようになります。そうなると、手数料の高めのサービスなどは助走完了、見直してもよいでしょうね。

 

 共に頑張りましょうね。

 

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