たぱぞうの米国株投資

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公益資本主義と資産形成の方向性

公益資本主義とは何か

 公益資本主義という、原丈人氏の提唱に基づいた資本主義の第三極を目指す流れがあります。数年前はエッジの効いた個性的な論説でしたが、驚いたことに政権中枢に入り、岸田内閣の改革の柱になりました。

 

 株主重視の資本主義、国家主体の資本主義が全盛と言ってよいでしょう。株主重視の資本主義の総本山はアメリカなどの欧米、国家主体の資本主義の総本山が中国と理解するとシンプルかと思います。それに対する第三極ということです。

 

 この公益資本主義は株主重視の経営を否定するものです。よく言うと、企業のもつ社会的な貢献にも目を向けていくべきであるという主張です。

 

 自民党議員の有志による「公益資本主義議員連盟」が数年前に立ち上がっていました。議連の会長は外務大臣経験があり、政調会長である岸田文雄議員でした。そのころから道筋がついていたのですね。

公益資本主義に基づく社会貢献とその影響

 平たく言うと、企業が利益や株主だけでなく、地域や環境など社会生活全般における貢献をしていくことで、企業価値を高めていこうということです。換言すると、目先の利益にとらわれず、社会全般に貢献できる企業をふやそう、評価しようということです。

 

 そのため、金融商品取引法などの見直しを掲げています。

  1. 四半期決算が手間であるため、開示義務を無くす
  2. モノ言う株主は公益に反するので、議決権を縮小する
  3. 株式譲渡益税率を引き上げる

 こういったことが柱です。とくに株式譲渡益税は方々から税率を上げるという主張が各方面から出てきており、実現へ向けての議論が続いています。

いうほど株主が尊重されていない日本でさらに株主が軽視される

 この公益資本主義は主張としては納得できる部分もあります。企業の社会貢献は必要ですが、十分になされているとは言い難い現実があります。それが、利益を出さなくてはいけないという構造上の問題であるならば是正をすべきなのかもしれません。

 

 ただ、日本企業の場合は欧米企業ほど株主が尊重されていないのが事実です。不祥事の例を見ても退場ルールが徹底されていないですし、株式の希薄化なども頻繁に起こります。また、株式の価値を高める自社株買いも欧米のそれに比べると不十分です。

 

 不正会計問題や不正検査問題がどれだけ世間を賑わしたでしょうか。株主の存在はそこには無く、企業内の都合が優先されたことは明白です。これは、企業風土というよりも、これだけ横断的であるならば殆ど国民性と言っても良いのかもしれません。

 

 私も組織の人間でしたので、集団の持つ力に抗しがたいのはよくわかります。組織を変えるよりも自分を変えたほうがはるかに早いのです。つまりこういった不正は今後も起こると考えるのが自然で、特定の企業の問題ではないということです。

 

 既存株主は企業のお財布でしかなく、企業にとって株式は刷れば刷るほど儲かるような感覚です。少なくとも欧米企業ほど株主が尊重されている意識は無いですね。

 

 その中で四半期決算の開示を無くすことで決算の速報性も無くすと同時に不透明化をし、議決権を縮小するわけですから、実現すれば日本株の魅力がますます落ちるということになるでしょう。

公益資本主義に限らず、増税の流れにどのように対応していくか

 公益資本主義の議連から株式譲渡益税率の話が出てきたのは、やや青天の霹靂でした。しかし、それだけ自民党内で固められつつある話なのでしょう。

 

 この流れは、株式によるリタイアや資産形成のハードルを上げることに繋がります。20%と30%の違いは大きく、たとえば1000万の利益を得たとしても納税額が100万変わります。単純に資産形成を困難にします。

 

 株式投資で10%の利益を上げるのがどれだけ大変か、普通の投資家さんならば身に染みて感じていることでしょう。ただしそうはいっても、今後の日本の税制の流れとしては、株式譲渡益税率の引き上げにみられるように各種増税が加速すると思われます。

 

 地方を持たせるための公共投資や老朽化するインフラの維持費などもかかり続けます。増税が不可避なのは税を支える労働人口世代が減り、税を消費する高齢層が増えるからです。

 

 一番税金を取りやすいのが収入の源泉が明確なサラリーマンで、個人増税が進むと考えるのが自然です。今後は定年が延び、年金支給が先延ばしになりますから、人生のほとんどを労働に費やしていくというのが一般的な日本人の勤労像になります。

資産形成のクリティカルパス

 では、私たち個人が資産形成をするにはどのように対策をすればよいのでしょうか。そのクリティカルパスを示しておきたいと思います。

  • 日本株だけでなく、米国株など株主が尊重される企業の株を持つ
  • 株式だけでなく、事業化と関連付けられるハードアセットを持つ
  • 労働だけでなく、自分でやれる副業を持ち、事業化を目指す

 こういうことになります。まず、公益資本主義というのは株主にとってはリスクです。ですから、別の国の株式を持って自己防衛をするというのは理にかなっています。普通の投資家にとっての投資の要諦はリスクの分散です。むろん、天才投資家ならば集中投資は有効です。

 

 それはそっくりそのまま人生にも当てはまります。単一の仕事に全精力をつぎ込む、その仕事先が有望であれば問題ありませんが、そうでないならば副業を持つのが自然でしょう。

ガラパゴスの公益資本主義と資産形成

ガラパゴスの公益資本主義と資産形成

 そして、法人税率が下がる、あるいは据え置きなのを見越して事業化するということです。後者2つはそれを踏まえて書きました。もちろん、誰もができることではないのですが、道筋として提案をしておきたいと思います。

 

 今は、勤務先と運命を共にする時代ではなく、各人が精神的にも経済的にも自立した活動が求められる時代なのです。

 

 国際的に特異な、海外からの資金が逃げかねない経済政策が採用される、およそ経済的に成熟した国とは考えられないような事象が時々起きる、これは今に始まったことではありません。

 

関連記事です。

サラリーマンの副業についてです。

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blogはもう時間対効果の面でかなり厳しいです。

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経済的自由を得た後の話です。

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