全世界投資が投資信託で極めて簡単に行える時代
全世界投資が今は極めて簡単に行える時代になりました。優れた投資信託がリリースされており、それを１本買えば済むからです。
中でも人気があるのは、eMAXISslim全世界株式（オール・カントリー）や楽天・全世界株式（楽天VT）ですね。それぞれ、ACWI、VTといった日本人に人気のETFと同じベンチマークを採用しています。
この二つはリターンも似通っており、当然ながら国別構成比もほとんど一緒です。したがって、ACWIかVTか、信託報酬の安いSlimか楽天VTか、というところでの比較になります。
上図は楽天VTですね。米国が圧倒的です。
こちらはeMaxis Slim全世界株式の国別構成比です。法人税などの関係で中国、ケイマンという扱いが多少異なりますが、そのほかはほとんど一緒です。
さて、こうしたことを踏まえて、「全世界投資の最適解は何か」ということでご質問を紹介します。
全世界投資をしようと思うが、３つの金融商品で迷います
はじめまして。
たまたまYouTubeを見て米国株投資にめざめました。そしてたぱぞう様へたどりつきブログもTwitterも愛読しています。
それまでは株への投資リスクを必要以上に恐れ、調べることもしないままでしたが、これをキッカケに、7月から夫婦で積立NISAを、今月からはこどものジュニアNISAを始めました。投資歴2ヶ月の超初心者です。
- 35歳（育児休暇中）
- こども2人
- 借入等なし
【投資（楽天証券）】
- 積立NISA 3.3万円/月×2人
- ジュニアNISA 満額×2人
- NISAはすべて eMAXISslim S&P500）
- 確定拠出年金（夫婦ともにiDeco利用不可）
【現金ほか状況】
- 現金は定期預金2000万円（2口座ぶん）と、こどもの学資保険合計600万円（先取り預金目的で最初に一括で払い済み）
- 毎日の生活とNISAへの拠出は夫の給与で賄える
- 復職後は私の給与収入300万円程度はすべて預金と投資に回すことが可能
年末に定期預金のひとつ（1000万円）が満期をむかえるため解約して株への投資にまわす予定です。
NISA枠はすべてS&P500にしているため、特定口座は分散投資をと思い日本を含む全世界に投資したいと考えています。（たぱぞう様が米国株一本でいいと考えていることも承知です！）
そこで以下の3択で迷っています
- eMAXISslim全世界株式（オール・カントリー）
- 楽天・全世界株式（楽天VT）
- 本家ETFのVT
長期（30年くらい）で持つため経費の安い本家ETFのVTにしようと思いましたが、いざ取り崩すときの税金について気になりました。
30年後は私は働いていない予定です。所得0なので納めている税金もないと思います。そうなると取り崩すときに米国株の税金（10%）を確定申告で取り戻すことができないのでは？そうするとけっきょく投資信託のほうがお得なのかしら？と疑問が出てきました。
30年以上持ち続けるとして、取り崩すときも含めどれを選べば1番経費（手数料）がお得とお考えでしょうか。
初心者ゆえ根本的に考え方が誤っているかもしれませんが、ご教授いただけますようお願いいたします。
全世界投資の投資信託は、eMAXISslim全世界株式が頭一つリード
どれもよい商品なので、迷われるのももっともですね。
VTは税金もさることながら、外国税額控除の手間がかかります。そういった手続きが面倒な人には投資信託の楽天VTに分があります。
また、楽天VTとeMAXISslim全世界株式は信託報酬が表面で倍違います。おおよそ0.22%と0.11%ですね。したがって、トラッキングエラーなど何らかの事情でリターンに大きな差がつかないならばという前提ですが、信託報酬面ではeMAXISslim全世界株式に分があります。
似た者同士ですが、シンプルなポートフォリオがすでに達成されているならば、あえて2つを同時に買い付けて比較していくという方法もなくはありませんね。ただし、普通は1本にするでしょう。
現状はズバリ言うとeMAXISslim全世界株式に分があります。
おっしゃる通り、私は米国株１本を推奨しています。赤と青が全世界投資、緑が米国株Ｓ＆Ｐ500への投資です。
大きな差が付いたのが過去１０年です。しかし、全世界投資はそれはそれでいつの時代も通じる妥当性の高い投資方法ですね。ご自分を信じて、変な時期に変な売り方をしないことですね。続けて長くが大事になります。
ご質問ありがとうございました。
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変額保険のような変な商品でなければ、基本はそんなに大きく外した資産運用にはならないですね。
当たり前のことを、淡々と続けて長く伝え続ける。日々ぶれない投資についての記事を書き連ねています。最近、セミリタイア、独立した私の最大の責務と心得るようになりました。
インデックス投資というのは、スケールビジネスです。売り手も運用も、総額が大きくならないとお金になりません。そのため、フィーの大きな商品を売りたくなるのですね。実はFPこそお金の不要な、ある程度の富裕層がしたほうがいい仕事なのかもしれません。
