たぱぞうの米国株投資

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南アフリカランドMMFで資産形成するのが不可能な理由

南アフリカランドMMFという資産形成不可能な商品

 外貨建てMMFは、ほんの1年前まで米ドルで2%近くの金利が付きました。そのため、資金を置いておく運用先としては優れたものでした。

 

 しかし、コロナショックによる金融緩和で未曽有の低金利を迎えています。現状ほとんど金利はつかず、運用先としては為替リスクのみが意識されるような商品になっています。

 

 これは、トルコリラ建てや南アフリカランド建てのMMFも同様で、以前からは考えられなかった低水準になっています。さて、今日は南アフリカランドMMFというややマニアックな商品を購入された方からのご相談を紹介します。

南アフリカランドMMFが含み損を抱えてしまっている

いつも勉強になる記事をお書き頂き、ありがとうございます。

 

 投資歴20年近くなり、今までは短期売買を繰り返してきましたが、なかなか思うような利益を積み上げることが出来ず、今回のコロナショックをきっかけに長期投資(配当)を軸としたアメリカ株投資を始めました。

 

 コロナ前は投資資産のほとんどをキャッシュにしていた為暴落で損を被ることはなかったのですが、唯一含み損を抱えているのが南アフリカランドMMFです。


 利回りが良かったため、1ランド8円台後半で購入し毎月再投資してきましたが、今回のコロナショックで6円台となり利下げの結果利回りも2%台まで低下してしまいました。

金利が下がった、南アフリカランドMMF

金利が下がった、南アフリカランドMMF

 そこで質問なのですが、たぱぞうさんならば、このタイミングで損切りされますか?それとももう少しホールドしますか?(7円近くまで戻らなかと淡い期待…)


 個人的にはとっとと損切りしてしまい、高配当のアメリカ株に資金を移動させた方がいいのかも?と考えております。

 

 専門的見地からご意見賜れば有り難く存じます。

南アフリカランドなどの新興国通貨建て商品は買ってはいけない

 まず、トルコリラや南アフリカランド建ての商品は手出し無用の商品です。インフレがひどく、通貨の価値ははっきりと毎年下落するものだからです。その下落幅を補い、担保するための高金利ですが、下落に現状追いついていません。

 

 この傾向は今に始まったことではなく、ほとんど常態化しています。これはFXにおけるスワップ金利なども同じ状況です。高金利通貨のスワップ取りを狙っていた人たちはほとんどいなくなりました。

 

 正確に言うと、広告収入がGoogleの変動で得られなくなったため、記事を書く意味がなくなったのです。つまり、新興国通貨のスワップ収入で金利を得続けるというのはもともとありえず、これはそっくりそのままMMFについても同じことが言えます。

 

 私ならばどうするか、ということですね。私は自分の投資判断が間違っていたと思うならば、すぐに損切りします。資金を良くない資産に滞留させると運用効率を落とします。また、損切りの習慣はゆくゆくは自分を助けることになるからですね。

 

 2000年代は今から想像もつかないぐらいに厳しい相場でした。しかし、私がそれなりにその後資産を伸ばすことができたのは、この見切りの早さも寄与していると確信しています。

 

 投資商品は数々ありますが、実は投資すべき商品というのはさほど多くありません。逆に言うと、投資はシンプルなのです。

 

 しかし、投資はいろいろな情報に惑わされます。良いものもあれば、そうでないものもあります。例えば、高配当が流行ればそれが良く、ハイテクが流行ればそれが良い。そうなりがちなのですね。

 

 また、いろいろな商品に手を出したほうが、経験値が高まるのではないかと思いがちです。確かにそういう側面はありますが、様々な商品に手を出すならば、見切りの早さも同時に大事になりますね。

 

 長くなりましたが、南アフリカランドMMFをはじめとする新興国通貨建て商品は手出し無用、ということでまとめとしたいと思います。

 

 切り替えて次の投資に進みましょう。明日には明日の風が吹く、私たちの未来は明るいのです。ご質問ありがとうございました。 

 

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  自分がどのようなときに損切りをするのか、というのが大事になります。特に通貨のように長期で減価していくものは、短期値幅どりがメインの投資になります。そのため、売買の前にルールを決めておくことが肝要です。

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  FXは長期投資に資するものではありません。特に新興国通貨は長期で減価するのが明らかですから、プロ筋を除いて投資すべきものではありません。長期で価値が増える、良い投信、ETF、株式への投資が基礎基本になります。

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  トルコリラ、南アフリカランドなどは、典型的な買ってはいけない新興国通貨になります。MMFやスワップ金利に魅せられる人は多いですが、これらは減価に対しての金利でしかありません。株などの利回りとは全く異なりますので注意が必要です。

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